「謝れ」「上を出せ」「今すぐ回答しろ」「誠意を見せろ」「納得できない」
これらはクレームでよく使われる「クレーム5大表現」です。
教育委員会の事務局で仕事をしていたとき、この5大表現をよく浴びました。
人間なんでも慣れるもので、4年間の役所生活で、このような言葉を浴びせられても、動じることなく、対応できるスキルを身に付けることができました。
保護者の方が教育委員会に直接電話で苦情を言ったり、どなり込んだりする時、事情を聞いてみると共通していることがあります。
それは事件が起こった時の、その日の初期対応がまずかったということです。
危機が発生した時は、初期対応に全力を尽くすことが大切です。
「事件が起こったその日に、誠実に対応しておけば、ここまでこじれなかったのに・・・・・・」
こんなことは枚挙にいとまがありません。
「放置」というのは、最悪の初期対応です。
「何もしない=不誠実」です。
また、事後処置と事後指導を混同している先生も見かけます。この区別ができていないケースが多いです。
例えば、学校で、児童AとBにトラブルがあった場合、必ずその日のうちにABの保護者に連絡しなければいけません。被害者と加害者両方にです。けがをした場合は特に連絡が必要です。たとえ小さなけがでもです。けがの軽重の判断基準は保護者によって違います。これが事後処置です。
加害者をしっかり反省させるとか、仲直りさせるとかの事後指導は後でもかまいません。
「事後処置は迅速に、事後指導はじっくりと」が鉄則です。
学校では、毎日のように小さな危機は発生しています。
適切な初期対応で、大きな問題に発展することを防ぐことができます。