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のあの本棚

更新不定期になりますが、オリジナル小説を書いていこうと思ってます。
小説以外も書きますが、適当に読んでもらえたら嬉しいです。

「葉山君、もう少し強く打つと見せかけてドロップを打ってみて?」
智恵子の要求に翔也は強く返事をすると、身体を大きく使いながら鋭くラケットを振り、球を捉える瞬間に力を緩め、絶妙なフェイントドロップを打つ。
「そう、それっ!フェイントもしっかり身につけてるんだね。期待の新人君だね!」
智恵子はニコニコしながらネット際で球を上げ続ける。
「今みたいに強く打つぞ!って見せかけて、相手を下がらせておいてのドロップはかなり有効だから覚えた方が良いよ。」
美紗貴は真剣な表情ではいと返事をし、ノートに追記していく。
二本目が途切れると今度は智恵子がドロップ練習を始める。
翔也のフォームも綺麗であったが、智恵子のそれは桁違いだった。
正しくコート内で踊るかのように打ち続け、素人の美紗貴の目から見ても無駄のない素晴らしいフォームなのがわかった。
「基礎打ちでドロップから始める理由はね、強く打ち抜かないから肩を痛めにくいの。体を温めて筋肉をほぐすのにも丁度良いからなんだ。」
説明をしながらもフォームにブレはなく、相手をしている翔也ですら驚いてしまう。
本来、別の事を考えながら球を打つと、そちらに気を取られフォームが乱れやすくなる。
智恵子は中学生にも関わらず、既に高い完成度を持っていた。
「あの、先輩。一度だけで良いので強く打つのとドロップの違いを見せてもらえませんか?」
美紗貴はフォームの違いや球の速度、軌道の違いが気になり、肩慣らしの段階だと聞いたにも関わらず智恵子に要求していた。
智恵子は美紗貴の真剣さに喜ぶように、クスッと笑いながら返事をする。
「いいよ。見ててね!葉山君、次の次にスマッシュいくから下がり気味でね!」
翔也が下がったのを確認し、予告通り二本後にスマッシュを打つ。