無職の兄 | 天狗と河童の妖怪漫才

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妖怪芸人「天狗と河童」の会話を覗いてみて下さい。
笑える下ネタ満載……の筈です。

田舎の兄貴が現在無職になっている(笑)



弟の僕からすると年上である兄という存在は、人生のお手本であり目標であり、露払いのような役割になっている。




兄は結婚もして小2だったかな?の息子もおり家庭を持っている。




しかし、無職なのだ(笑)




兄や実家の両親には僕が独立して個人事業主つまり1人親方をしていることは伝えていない。




心配させたくないという理由もあるし、勝手な解釈をされたくないという部分が大きい。




建設業界は休みは少ないし、賃金も独立する前は少なかった。




兄からは僕の職種に近い地元での求人広告のような内容がLINEで送られてきたことが何度かあった。




今回も送られてきたので僕の心配をしてくれているのかと思っていたら単に本人が無職で求人内容に詳しいだけだった(笑)




僕は職人という手に職系の仕事を続けてきたので人生の後半戦は強い。




とはいえ生活が出来ているという最低限な暮らしなので独身であり、貯金はなく借金もある。




兄は無職ではあるが家庭を築いているので少子化や人類としての種の繁栄には貢献している。





兄からの電話で無職であると聞いた時は驚いたが、仕事と人間関係は複雑なので仕方ないといか言えなかった。



無職で弱っている兄貴を攻撃しても仕方ないので別の話題になるのだが、僕の職場での20代の若手について、Z世代との苦労話をすることにした。




とはいえ、兄というポジションのせいなのか弟である僕の味方ではなく、Z世代の若手の気持ちを代弁するのである。




兄としては僕の考えを別の角度から諭したいというのはわからなくもない。




若手はこう考えてあるんじゃないか?とか、それならそれでこういう育て方があるんじゃないか?とか。




若者を肯定する考え方である。




確かにそれは大切なのかもしれないが、実際に兄貴は子育てをしているので正しいことなのかもしれない。




ただ、僕らのような技術職というのは腕がないと食べていけないのだ。




そしてプロとしては最低限の国家資格を習得する必要がある。




現実的には国家資格を習得してからが実務経験のスタートになる。




20代の若手といえ高卒で業界歴が仮に26歳だとすると経験年数は8年になる。




しかし、1番下の国家資格さえ持っていなければ実務経験は0なのだ。




その上で組織という性質上、更に後輩が入ってくるので後輩が先に資格を取得すると人間関係もややこしくなってくる。




本来なら新人が貰う筈の資格を持っていない枠に先輩が居座る形になると組織としての機動力が悪くなってしまう。




どんなに兄貴に説明しても若手を許してやれよという姿勢を崩さないのだ。




20代はいいかもしれないが30代は厳しいことになると、兄貴に説明しながら思った。




(今はいいけど30代での転職は厳しいと今の兄貴にはとても言えない)




兄貴は50歳手前で無職なのだ(笑)




資格の話に戻した。




勉強すれば工業系の高校生でも合格する資格なので本人のやる気次第という資格の意味を説明することに。



過去問を暗記するだけなので、最低限の真面目さを国が証明するのが国家資格でもある。




職場での表の真面目さだけじゃなく、プライベートの裏でも時間を作って勉強して取り組む姿勢を具現化したのが資格なのだ。




なぜ年2回の試験に8年間を落ち続けられるのかと。




アニメとゲームとアイドルなのだ。




兄貴からは若い時に「ゲームのプレイ時間ほど人生で無駄な時間はない」と教わったことがある。




僕が風邪をこじらせて入院した時には兄貴夫婦がお見舞いに来たことがある。




スカイツリーがオープンして兄嫁がその抽選に当たり、たまたま東京観光のタイミングと僕の入院が重なって東京の病院にお見舞いに来たことがある。




その時、僕の枕元には差し入れのDSのポケモンがあった。




普段は仕事で疲れてゲームをやらないから入院したときは息抜きのつもりで、ゲームを差し入れして貰ったのである。




しかし、そのゲーム機を見付けた兄貴は病人である僕を叱ったのだ。




新婚の嫁さんの前でカッコ付けたかったのかもしれないけど。





「ゲームなんかやってんじゃねえよ!!」と。





たぶん、ゲームなんかやらないで、ゆっくり体を休めろということだと思う。




ここの感覚の違いは大きいのだが、まともな社会人は普段そこまでゲームをやれないのだ(笑)




こっちがまともというのは時代的におかしいけど、あのブラックな環境でゲームに没頭する余裕はなかった。




仕事を覚えることや責任からの緊張感など少なくとも東京では生き残っていない。




退院して職場に復帰してすぐに再発してしまい、再入院することになった。




2回目の退院したあとは実家に戻って1ヶ月近く療養することになった。




病気で迷惑を掛けたこともあり両親に土下座して謝った。




この時期が1番しんどいのだ。




一人前にもなれていない東京で何者でもない存在である。




言われるがまま怒られるがまま、全てを否定されるのだ。




頑張ってることを伝えても意味がないというね。




母親からは給料明細を見て「こんだけしか貰ってないの?」と言われた。




数字や結果が全てだと言われたらそれまでだ。




父親がその言葉から僕を守ってくれたことには感謝している。




もちろん両親の中に世間の厳しさと優しさが両立していたことには総合的にバランスが良かったとは思う。




ただ、当時は本当に悔しくて悔しくてしゃーなかった(笑)




その後、部屋で、寝ていると、兄貴がやってきたのだ。




これも、マジでキツかった(笑)




兄貴として上京して遊んでる弟に説教をしてやろうという、その言葉の気持ちよさに酔ってる感覚というかさ。




死体蹴りみたいなもんよね。




バガボンドという宮本武蔵が主人公の漫画がある。




それを引用して弟の僕を諭すわけよ。




「お前は宮本武蔵じゃなく又八と同じなんだよ」と。




宮本武蔵は日本一の剣豪を目指して田舎から上京するわけ、又八は武蔵の幼馴染みで武蔵に憧れて上京するけど実際は女に溺れたり金も無くて嘘ばっかりついてて田舎の母親にも迷惑をかけるわけ。




お前は又八だと。




何かが急速に変化するわけじゃない状況で弱ってる相手に死体蹴りは良くないと学んだわけよ。




だから、無職の兄貴には優しくしようと(笑)




兄貴は武蔵じゃない無職なんだと(笑)




人生色々あるわけで、結果が全てなら面白くないからね。




正月とか実家に帰って甥っ子と一緒にゲームやるけど、甥っ子が言うには兄貴めちゃくちゃゲームやるらしいの(笑)




あんだけ若い頃の俺に言っといて俺がSwitchすら持ってないっていうと軽く引いてるわけ。




スマホのゲームで満足してるってのもあるからね。




独身ってもあるよね(笑)




で話を戻すと、職場の若手が資格の勉強よりもゲームをやってることは今の兄貴ならそれも肯定するだろうなと、だから資格の勉強をしないで地下アイドルの追っかけをやってることを伝えたのよ。




アイドルを応援してる場合じゃないだろ?と。




アイドルに課金をする前に自分に時間を投資しろと。




そしたら兄貴が言うわけ。




「推しは大事だからな」と。




兄貴は現在Kポップアイドルのハニちゃんが推しらしのよ(笑)



そんで無職の兄貴が推しについて熱く語るわけさ。




いや、だから無職なんだよとは言えないよね(笑)




兄貴は軽い統合失調症だとは思うけど、病名に当てはめることがトリセツになるのかわからないけど。




辞めた会社の会長から盗聴されてるとか、実家の空の上をセスナ機が飛ぶと監視されてるとか、冗談なのか本気なのか怪しいわけ(笑)




少なくとも兄貴はハニちゃんじゃねえから盗撮や盗聴の心配はないと思うからね。




兄からの推しは大事だと学んだ(笑)