人妻たちと誕生日2 | 天狗と河童の妖怪漫才

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妖怪芸人「天狗と河童」の会話を覗いてみて下さい。
笑える下ネタ満載……の筈です。

誕生日の翌日、仕事をしていると僕の携帯にワンコールの着信があった。




人妻の友達からである。




僕と友達は年に2回お互いの誕生日の翌日に連絡を取り合っている。




これが男の友達だったら誕生日に連絡は取らないと思う。




ずいぶん長いこと男の友達という存在がいないので基準がわからない。



普通や常識という等身大の物差しがあるとするならば、誕生日は家族と過ごすのかもしれない。




自分の誕生日にパーティーを主宰して友人たちを招待するようなサイコパスなタイプではない。




いや、本来はそうあるべき感覚を成長する過程で削られてしまったという方が正確かもしれない。




僕は男兄弟で育ったので女子の感性というものが薄い。




親の誕生日を祝うという習慣やイベントはなかったし、親の誕生日も正確に覚えていない。



そんなわけで、誕生日に連絡を取り合う習慣とは、それが友達という関係性というよりも単純に女子の友達感覚に僕も含まれているだけかもしれない。




それに、人妻の友達ってなんやねん!という疑問に対する説明は難しい。



最初は人妻とは知らずに友達になったら実は友達は人妻だったのだ。





もちろん僕も最初は理解に苦しんだけど、ちゃんと相手のことを理解するって自分も傷付く覚悟が必要なのよ。





これさ、逆の設定はよく聞いたことあるじゃん?




親しくなった相手の男が実は妻子持ちだったとかね。



女子が味わう感情のやつなのよ。




味わったことのない傷というか、筋肉痛なのかな?



今は痛いけど、そこは逞しくなるよ、きっとさ。




お互いの視点と主観を照らし合わせると整合性は取れてるのよ。




人妻の友達と知り合ったのはメンズエステだったわけ。




まぁ、この時点で人妻とは思わなくない?




自分の嫁さんをメンズエステで働かせる?




メンズエステで働いてるから結婚指輪も外してたわけよ。




で、この謎を解く鍵になるのが、友達の旦那がヤ○ザというね(笑)




そっちの世界線なら全然あるよね(笑)



これは俺の人生経験が脆弱だったからで、現実を知ったからと言って友達は友達だからね。




いや、酷い言葉も友達には吐いたけど(笑)




まだ筋肉が育ってなかったからね。




着信拒否みたいなこともあったわ。




最近はチャイニーズガールからブロックされてるけどね。




でね、タイトルの人妻たちという伏線回収をするとだね。




実はチャイニーズガールも人妻だったのよ(涙)




今は中国に帰っちゃたけど、ブロックされたウィチャット(中国版のLINEみたいなアプリ)のアイコンに新しいウィチャットのIDみたいのが書いてあってさ。



中国語で書いてあるけどなんとなく新しい方に案内してるってことかな?と。




で、メールしても承認されないわけ。




中国に帰ってるし連絡も取れないから仕方ないと諦めてたのよ。




で、俺の誕生日に兄貴からLINEが届いただけだから寂しいわけよ。




正直に、本当は自分の誕生日のパーティーしたいタイプなのよ(笑)

末っ子だしさ(笑)

お婆ちゃん子だしさ(笑)




人妻の友達は人妻だからこっちからは連絡が出来ないからね。




だからチャイニーズガールに「今日は俺の誕生日なんだけど」ってメールしたら「おめでとう」って返事が来て、そこからやり取りしたらやっと承認されたのよ。




誕生日というイベントは無条件に祝うという女子のそういう感性が好きです。




で、チャイニーズガールが人妻ってのもややこしいだろ?




まず、チャイニーズガールと知り合ったのはメンズエステなのよ。




お前はメンズエステしか行ってねぇのかよ!!というツッコミはあるよね。




俺からしたら、どんな引きしてんだよ!!って思うわけ。




仲良くなる女の子はみんな人妻あるある。




そんで、みんな俺を置いて遠くに行っちまうのさ。



人妻の友達は旦那と大阪に引っ越すし、人妻のチャイニーズガールは中国に帰っちゃうしさ。




遠いよ!!




このことを人妻の友達に話したら友達は笑いながら「○○くん、次はブラジルの女の子がいいんじゃない?(笑)」と。




地球の裏側じゃねえかよ。




でね、チャイニーズガールが人妻だと知ったのは、まだ日本に居た時なのよ。




いつものように仕事が終わって家に帰ったらチャイニーズガールから電話があってさ。




泣いてるわけ。




そりゃ泣きたい夜もあるよね。




いいともの最終回とかさ。




中国版のいいともが最終回だったのかな?(笑)



どこにいるの?と。




外なのは声の感じでわかったからさ。




いつものベンチにいると。




その時のお店の裏が大型の住宅展示場で中心がロータリーになってて、そこにベンチがある。




チャイニーズガールとはお店が暇な時は近所をお散歩して、そこのベンチで色んな話をした。




俺がダイエットしてる時は一緒にそこのロータリーを45分もぐるぐる走ったこともあった。




泣いてるチャイニーズガールの話を聞きながら俺は自宅のアパートを出て最寄り駅に向かった。



お店があるのは隣の駅なのだが電車を待つ時間と駅からベンチまで少し距離がある。




駅前でタクシーに乗り泣いてるチャイニーズガールの待つベンチへと向かった。




もちろんこの時の俺はチャイニーズガールが人妻だとは知らない。




そう言えば人妻の友達から人妻であることを告げられたのも夜の公園のベンチだった。




女子は夜のベンチが好きらしい。




チャイニーズガールは泣きながら「遅いアルヨ」と言った。




いや、そんなコメディータッチの雰囲気ではなかった(笑)




「オマエ…、遅いよ…」と。



悩み事があって中国の女の子の友達に相談しようとしたら今は忙しいからと断られたとのこと。




泣いているのである。




なぜなのか俺は面白いことが好きなのに女の子が泣く場面に遭遇する。




職場に居た派遣の女の子には昼飯を食べに行った、すき屋で泣かれたこともあった。




正直、わからないのだ。




お姉ちゃんや妹でもいれば女の子が泣く統計がわかるけど、自分の知ってる女子である母親が泣くというのは異常事態なので、頼むから笑っていて欲しいのだ。




「大丈夫か?」




「……お前が優しいから悩んでること話しちゃいそうだよ」と。




「まぁな、色々あるよなぁ……」



沈黙が夜風を感じる長さだった。




そして俺は全てを悟った。




だけどもう大丈夫だよ。



そこの傷は癒えて筋肉が発達しているからね。




「あのさ、悩んでること、当てようか?」




「…わかるの?」




「うん。…アレだろ?………け、結婚してるんだろ?」




「それもあるけど…」




えっ、結婚してる他にまだあるの?



いや、あっさり結婚してること認めてるけどさ…




僕にとっては初めてのことではなかったのでガチでショックだったけど現実を受け止めることは出来た。




現実を受け止めることの出来ない新しい形の傷は人妻の友達からだった。




「私さぁ、更年期が始まったかもしれない」と。




「生理の周期とかは変わってないんだけど、血の量が変わって来たの」と。




「性欲とかも無くなったし、まぁ一緒にいるのがあの人(旦那)っていうのもあるけど」




人妻の友達とは同い年で学年も同じになる。




自分のことしか考えてなかったけど、同級生の女の子に更年期が始まったかもしれないというのは男の子としてはショックでしかない。




田舎を離れてからの時間の方が長くなったけど、同い年の女子というのがキツイのだ。




同じクラスだった女子がみんな更年期になる年齢というのは考えたこともない。



同窓会にも出たことないので同い年の幼い頃から知ってる女子の成長というのは成人式で見たのが最後なのだ。




更年期というのを正確に理解してない昭和男子の主観で感じてることを言語化すると、女の子じゃなくなっちゃうような恐怖がある。



処女膜ではなく別の幕が閉まるイメージがある。




学校の体育館にある緞帳のような。




更年期に抗うのは難しいのかもしれない。




物理的に子供が産めなくなるのは仕方ないと思うけど、男からするとチンコが取れちゃうイメージになる。




更年期に悩むことに対して男が励ます方法を知らない。




「あっ、お昼の休憩がそろそろ終わるから、煙草も吸うでしょ?」と、友達は完璧な気遣いとタイミングで電話を切ることを伝えてきた。




「そうだね!……じゃあ、○○ちゃんも頑張ってね!」




新しい筋肉痛を抱えながらそれでも叫んだ。



「あっ、それとさ!もし、○○ちゃんが更年期に悩んでるなら、俺が抱くから大丈夫だよ!!」と。




何が大丈夫なのかのエビデンスはない。




「はぁぁぁ?意味がわかんないんだけど(笑)」



最後に友達は笑っていたのでよしとしよう。