Tik Tokの話をすると大体の感覚は同じなのは分かる。
これは日本人だけじゃなく動画としての面白さは世界共通のことだからね。
陰キャくんが職長の現場に週1で行くことになって、彼も職長は初めてだからプレッシャーはあるだろうけど、そういうのって急に来るじゃないですか。
僕らの世代は基本は順番待ちで、そうそう若い時にはチャンスは回って来ないからさ。
まぁチャンスはピンチの時に来るからやるしかないわけでね。
で、週1で行くと1週間の経過しても言ったことが解決されてなかったりするわけ。
そこにゲーマーも行ってて、ゲーマーからはLINEで写真付きで質問来るわけですよ。
僕は別の現場にいるけどLINEで教えることは出来るからね。
そんで、そのことを現場に行ったときにゲーマーに「どうなったの?」って聞いたら「まだ答えは出てません」って言うわけ。
そうなんだ!とはならないから「なんで?」って言うと、そのことをゲーマーが陰キャに説明してるわけ。
どうやらゲーマーは派遣の担当者に質問したら図面はまだないと言われて、その代わりに分厚いメーカーの施工資料を渡されたと。
派遣の担当者も仕事をわかってないから仕方ないけど、そこで終わらせるゲーマーにも問題がある。
最初に質問された僕からすればもう問題は解決してると思う。
ゲーマーから続けて質問が来るなら解決してないと分かるけど、質問が終わればそこからの日数で進捗状況も考える。
このような無言の意味まで仕事の会話には含まれている。
で、ゲーマーから説明された陰キャくんが支給されたiPadで写真を撮ってその画像にコメントを書いていた。
ゲーマーは「凄いですよね」と驚いていた。
陰キャくんは「僕は説明するのが下手なんでこのまま見せます」と。
僕の反応は否定も肯定もなかった。
職人がiPadを使いこなす未来を描けないのもある。
もしかしたら陰キャくんが画期的な使い方を発見するかもしれないので好きなようにやらせている。
陰キャくんが説明するのが下手な理由があるとすれば、彼は漫画を読まないからだと僕は思う。
彼は高校生になるまで漫画の読み方がわからなかったという新世代のアニメ勢らしく、そのせいで脳内で立体的に組み立てて表現するのが苦手なのかもしれない。
漫画のコマ割や台詞というのは記憶力に印象として残る。
もちろん漫画には声優もいないので脳内再生も自分でやるしかない。
つまり漫画というのは天才的なメモ帳だと思う。
余計なものを極限まで削った言葉と絵で物語を伝えているのだ。
というか、漫画は読者の目線の動きまで考えているので陰キャくんが写真の画像に説明したいことをわざわざ漫画みたいなフキダシを付けて書き込みを入れているがいまいち要点がまとまっていないのである。
(それを毎回やるのかい?)と。
下手に注意すると泣いてしまうので難しい。
それを羨望の眼差しで見ているゲーマーもどうかと思う。
iPadというテクノロジーがある利点はこれまでやれなかったことである。
それが労力や時間のコストが短縮になる。
この使い方だと説明するのが下手な人の為のツールになってしまう。
それよりも説明が上手くなる方法をググった方が正しいテクノロジーの使い方だと思う。
とはいえ彼は面白いTik Tokの説明や物真似は得意なので、好きなことの説明は上手なのだ。
このようなことは成長過程なら起こることなので老害にならないように気を付けたい。
ゲーマーが僕が教えたやり方と違う施工方法をしていたので「あれ?俺が教えたやり方と違うけど大丈夫?」と注意した。
理由を聞くと、僕から教わったやり方でやっていたら陰キャくんから注意されたと。
僕のやり方を説明したら陰キャくんが教わったやり方と違うからと。
うちの会社はうちのやり方でやらないとダメだとヘソを曲げられたと。
ゲーマーが言うには陰キャくんが責任を取りたくないからだと思いますと。
職人の世界は会社が違えばやり方も違う。
そこに自分の考えがあるのかどうかは大きく違いがある。
メリットとデメリットを天秤にかけた時に親方の教えに逆らうと怒られるから言われた通りにやるのが正解というのは、本人がそれだけ親方から信頼されてないということなので、「信頼されてないのでごめんなさい」が正解なのだ。
確かに親方や先輩のやり方に合わせることもある。
それは違うやり方をした時にヘソを曲げて作業スピードが落ちるからである。
これは職人としてのスケール感なので仕方ない。
陰キャくんとしては会社からゲーマーが怒られないように守ったのだろう。
陰キャくんからすればゲーマーは年上でも後輩なので違うやり方をされたら面白くないのもわかる。
ただ、自分の中の理屈が親方から怒られるのが嫌というのが一番ヤバい。
他の会社に移ったら今までのルールでは通用しないので顔色を伺うことになる。
「前の会社ではこう教わったので」には限界がある。
自分の理屈が大事なのだ。
もちろんゲーマーも僕から教わったことの意味を理屈で理解して陰キャくんにも説明したが、その結果ヘソを曲げられちゃったからと僕に説明したのでそれなら構わない。
そうそう時期ってあるからね。
そうそう立場や人間関係の状況ってある。
ゲーマーや陰キャくんの立場になって考えることは出来るわけ。
ただ、理解に苦しむのは陰キャくんが僕を……
ディズニーランドに誘ってきたのである。
いや、そんな気軽には行けないのだよ。
世代の違いかもしれないけど、僕が24歳の時に40歳のおっさんを誘って2人だけでディズニーランドに行く発想はなかったよ。
美女と野獣の抽選とか意味がわからないのだ。
僕からすれば陰キャくんはディズニー師匠なのである。
高校の遠足で行ったきり20年以上ディズニーランドには行っていない。
ディズニーシーは足を踏み入れたことさえない。
つまり、僕に対して完全にマウントを取れる世界がディズニーランドなのだ。
これは僕の持論なのだが、結婚している女の子はディズニーランドが大好きだと思う。
つまり、ディズニーランドを制する男が結婚を制するのである。
急に誘われたので断ったけど、これはディズニーランドを教わりに行くしかないのだ。
たぶんだけど、同世代からは笑われるか引かれるだろう(笑)
このジェンダーな時代に男同士でディズニーランドに行くのをなぜ笑うんだい?(クリロナ風)
ただね、お城を見に行くなら歴史背景を情報として入れて行くとより楽しめるじゃん。
ディズニーアニメを一気見するのかい?(笑)
こっちはチップとデールの見分け方から教わってるのよ。
ゲーマーもディズニー大好きだから前に教わって、それをまた聞かれてさ。
「チップとデールの違いはなんでしょう?」
「え?……鼻血デール」
「正解!」(ゲーマーと陰キャくん拍手)
仕事じゃないから先輩とか関係ないから厳しいのよ。
だけどディズニーチャンネルを契約する気にはまだなれないのよ。
時代の変化というかね。
たぶん20年前のミッキーって当時の出川哲朗みたいな扱いだったと思うわけ(笑)
渋谷でチーマーからボコボコにされてたと思うわけ(笑)
こんな時代になるとはさ(笑)
たぶんディズニーランドの魅力が20年前とはアトラクションも増えて違うのもあるのかな。
20年前の遠足も寝坊して慌ててコンタクト無くして裸眼で行ったから記憶もボヤけてるのよ。
男同士で行くとか、40歳のおっさんが24歳と一緒に行くという情報よりも、ディズニーランドに行ってきたという情報の方が「いいなー」って純粋に羨ましくなるのがディズニー好きだと思うのよ。
ピュアなんですよ。
この感覚の違いが大きいと見たね。
結婚してる男は全員隠れて彼女とディズニーランド行ってたんだな(笑)
そうじゃなきゃ結婚出来ないよ。
兄貴の嫁さんもディズニー好きだしさ。
そんなわけでディズニーランドを勉強したいと思います。