眠らない男 | 天狗と河童の妖怪漫才

天狗と河童の妖怪漫才

妖怪芸人「天狗と河童」の会話を覗いてみて下さい。
笑える下ネタ満載……の筈です。

よし、金を稼ごう!と。



画家さんから夜勤の仕事の依頼があったので同じ現場にいる面白い人と一緒に行くことになった。



ただ、心配なのこともある。



昼間の仕事もやっているので、日程としては、昼夜昼夜昼と2日半は寝る時間が取れないのだ。



ちなみに僕は若い頃から寝ないとダメな人なのと、年齢的にも体力が低下しているので、極度の寝不足に耐えられる自信がない。



夜勤の単価は交通費別途支給で2万7千円。



僕の2日間の睡眠時間を売った金額が5万4千円ということになる。



まぁこれが肉体労働者の働き方だろう。



で、世の中のお金持ちがやってることは割りと簡単だ。



自分が寝ている間に、代わりの人間に働かせて、その給料をピンハネするだけでいい。



自分は何もしないで寝ている時間にお金が発生する仕組みである。



これで自分の代わりに働いている人間が残業でもしようもんなら猛烈においしい。



その残業代からもピンハネをすることが可能なのだ。



代わりに働いてくれる人間にはご褒美として、たまに焼き肉でもご馳走して酒でも飲ませれば感謝される。



その奢ってる飯代や酒代も、お金の出所はその相手からピンハネした金なのだ。



こんな気楽な商売はない。



とはいえ外国人労働者に頼らなければ国が倒れる時代になってしまったわけだ。



日本人の労働者階級が減少しているらしい。



働き方改革なんて掲げているけど、全てのツケを40代と30代に背負わせて50代以上が逃げ切るつもりでしょ。



なかには従業員不足が原因で倒産する会社まであるらしい。



そんな人件費で潰れるような商売は初めから会社ではないと思う。



出玉が少ないパチンコ屋には客が来ないのと同じように、単純に給料が安いから人が集まらないだけで、そこに外国人労働者を低賃金で働かせる魂胆は経営者が儲けたいだけなのよ。



で、外国人労働者は仕事が雑だとかの悪い話ばかり大きい声だけが耳に入ってくるけど、実際の割合だと日本に働きに来てる外国人はみんな賢いからね。



日本人は日本語しか喋れないのがほとんどだから海外でのアドバンテージはないわけで、そうなると国内で外国人労働者に仕事を奪われた日本人は失業して生活保護になるでしょ。



日本人と結婚するれば永住権が手に入るのだから、日本人は仕事も女も奪われることになるだろう。



働く為に海を渡ってくるバイタリティとは、その時点ですでに一回戦を突破してるようなもんだ。



そんな時代だからこそ、2日半も寝ないで働くのである。



すこぶる賢くない選択をしてしまったことに少し後悔している。



まぶたに油性マジックで黒目を書いて腕組みして眠るしかない。