天才の夏休みは終わらない | 天狗と河童の妖怪漫才

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妖怪芸人「天狗と河童」の会話を覗いてみて下さい。
笑える下ネタ満載……の筈です。

読者の皆様ごんばんわ。



天才ブロガーです。



私が、天才であることが、とうとうバレてしまいましたね。



みんな誰しも何かしらの天才ですからね。



これは本当です。



そして何より誉められると嬉しい。



これはもうね、

【誉められて伸びるタイプ】

という“タトゥー”をオデコに入れたいと思います。



オデコの面積と文字数の関係で二行にはなるでしょうけどね。



誉められると
伸びるタイプ



このようなタトゥーをオデコに入れてたら、初対面でも誉めてくれるでしょう。



ただね、前髪や帽子を深めに被ってしまうと、

【伸びるタイプ】

しか相手には見えないので、そうなるとなかなか初対面では誉めては貰えない可能性があるので、


伸びるタイプ
誉められると



倒置法ってやつですよね?



ちょっと知的なワードでのツッコミには勇気が必要なんですけど(笑)



会話だとニュアンスだけで勢いだけで行けちゃうけど、文章だと難しい部分もありますよね。



天才ですから、文法よりもノリが大事だと知ってますからね。



誉められると嬉しいですし、優しい気持ちになりますよね。



素直から手足が生えたような生き物ですからね。



急に激しくなった雨の中で傘をささずに濡れている女の子に、自分の傘をさしてあげましたからね。



天才ですからね。



やっぱり天才って優しいんですよね。



こういうことに迷いがないんですね。



そのときの状況を説明しますよ。



駅前の喫煙所での話なんですね。



天才が駅からロータリーの向こう側にある喫煙所まで歩いて行ったわけです。



小雨は降っていました。



でも天才って小雨では傘をささないんですよね。



天才の背負ってるリュックサックも防水性のやつなので、小雨では傘をさす必要がないんですね。



喫煙所の中は真ん中に灰皿があって、四方をついたてに囲われたスペースになってます。



天才以外の喫煙者は全員が傘をさしていましたね。



しかし、人間の手の数には限界があるわけですよ。



右手と左手だけなんですね。



まず、傘をさすことで片手が塞がります。



そこでタバコを吸うことにより、両手が塞がるわけです。



この空間では快適にスマホの操作はできません。



優先順位としては小雨でも濡れたくないと。



濡れたくない>タバコ>スマホの順番ですよね。



そこに天才がやってきたわけですよ。



まず、タバコに火をつける時点で両手を使いますよね。



片手でもやれなくはない動作ですけど、ちょっと面倒ですよね。



ですが、両手を離して傘を肩にかけて不安定のまま何かをやるって周りにも気を使いますよね。



傘がグルンって他人を襲う危険もありますからね。



ですから天才は小雨を気にしないわけです。



すると、天才の横に、20代くらいの女の子が傘をささずに喫煙所にやってきたわけです。



もしや、こいつも天才か?と。



そしたら急に雨が激しくなってきたんですね。



こいつは雨女だなと。



すかさず天才は背負っているリュックサックのサイドポケットに常に入れている【折り畳み傘】を取り出したわけです。



小雨ではないからね。



しかし、隣にいる雨女は傘を持ってないわけですよ。



これには天才も驚くわけです。



タバコと降水量の計算が出来ないタイプだなと。



他の喫煙者たちからの視線は(小雨でも傘をささないからそうなるんだよ)と。



そこは天才ですから、ちゃんと折り畳みを持ってるわけです。



しかし、天才も手にしていたタバコを口にくわえて慌てて折り畳み傘を広げようと焦ってましたからね。



ボタンを押すとワンタッチで巨大化する折り畳み傘なんですが、巻いてあるマジックテープを外さずに天才はボタンを押していたんですね。



喫煙所の真ん中にある灰皿に向かって、折り畳み傘の先端部がシャキンと伸びたまま、そこから傘が広がる魔法が発動しないわけです。



天才は慌ててマジックテープの場所を指でカリカリして、傘は無事に広がったわけです。



その天才の横には傘を持っていない女の子がいるわけですよ。



そりゃ傘をシェアしますよね。



「傘さしますか?」と。



「いえ、大丈夫です」と。



雨が激しく降ってきましたから大丈夫のわけがないんですよ。



天才は女の子に傘をさすわけですね。



そっと無言で傘をさすわけですよ。



天才ですからね。



気持ちが優しくなってますからね。



女の子も自分が1度断ってしまった手前なのか天才の方を見ません。



女の子はずっとスマホを操作していましたが、スマホの画面が雨の雫で濡れてませんから隣で天才が傘をさしてくれていることに気が付いているとは思うんですけどね。



吐き出すタバコの煙だけは天才の横を向いて吐き出していたので、それが「ありがとう」の煙なんでしょうね。



ただね、問題があるわけですよ。



天才の折り畳み傘って小さいじゃないですか。



そりゃ折り畳み傘ですからコンパクトで小さいわけですよ。



天才も濡れてるわけよ。



小さい傘ですから、5:5は厳しいわけですね。



7:3くらいになりますよね。



もちろん天才が3ですよ。



ジェントルメンですから、考えるよりも先に行動しますからね。



それにね、天才のこのジェントルメンな行動には喫煙所にいる全員が釘付けになっているわけですよ。



【傘ちっちゃ】



そうかもしれない、そうだったのかもしれないよ。



それならそれで、「私の大きい傘と交換しましょうか?」と。



傘もささずに濡れている女の子が目の前にいるならば、なぜ傘を全員でシェアしないのかと。



そこにある傘で、この空間だけでも明るくするアイデアはないのかと。



天才はそう思ったわけですよ。



君たちは帰ってトトロを観なさいと。



君たちはトトロが見えない大人になってると。



あれはバケモノと人間が傘をシェアする物語だと。



とはいえ、天才ですから、自分の傘があまりに小さいので少し震えてきましてね(笑)



雨の中で濡れている女の子に無言で傘をさし続けてクールを気取ってはいましたが、天才はシカトされる空気にはあまり堪えられないみたいなんですよ。



「すいません、ありがとうございます、今日は傘を持ってくるの忘れちゃって♪」



みたいな、雑談がないと間が持たないわけですよ。



なんか緊張しちゃいましてね(笑)



なんでもいいんですよ。



天才ですから。



どんな球でも拾えますからね。



お互いに距離感は近いわけですね。



同じ傘の下ですからね。



女の子はスマホを弄ってるわけですよ。



こっちは会話の糸口を探すわけですよ。



ジェントルメンな会話をしようと。



天才ですからね。



スマホの待ち受けなのか、iTunesの画面なのか分からないんですけどね。



天才ってガラケーなんですね。



ラインって緑色の吹き出しが自分のやつだよね?という知識しか持ち合わせていないんですね。




そのスマホの画面には細身の男子が写っていたんですね。



それが彼氏なのか、細身の男性アーティストなのか、女の子はイヤホンをしてるから男性アーティストのような気もするわけですね。



天才の頭脳からすると、年下の女の子が聴く細身の男子アーティストだとした場合に、天才が割り出したその相手は、米津とかいうやつに違いないと。



天才ですから、自分より背の低い女の子は基本的に年下だという認識がありますから、若い女の子は米津くんに夢中だという天才の嗅覚ですよね。



最新のアーティストの引き出しの一番手前にあるのが米津くんですからね。



これで女の子が大ファンだった場合には、アルバムの中にあるファンだけが知ってる神曲みたいな話になるなと。



話についていけなくて、下手すると米津“にわか”ファン扱いをされてしまうかもしれないなと。



少なくとも米津は(傘をさしてくれて、ありがとう)みたいな歌詞は書けない男だなと。



というか、スマホの画面にいる細身の男が米津くんとは何も確定していません。



タバコを吸い終わった天才は女の子が電子タバコを吸い終わるのを待っていました。



激しい雨はにわか雨のようで、再び小雨になってきました。



「傘、大丈夫ですか?」



天才はジェントルメンなボイスで女の子にそう語りかけました。



「ありがとうございましたぁ♪もうすぐ迎えが来るんで、もう大丈夫です♪」



女の子は太陽のように明るく、とびっきりの笑顔で天才を見上げて言いました。



「だいぶ小雨になってきたからね」



そう言い残すと、天才は傘をさして去っていきました。



パッとひらいて咲いた折り畳み傘は、まるで打ち上げ花火のように、それは夏の終わりを告げるような雨でした。



雨が降っても、槍が降っても、優しさの傘があれば大丈夫ということですね。



人という字は支え合っているわけですね。



人人(こういう時に)



槍が降ってきますよ。



サクッ
サクッ



大大(安心してください、基本、槍は刺さるシステムです)



そこに雨が降ってきますよ。



ズシャ



さすがに雨が降ってきたら倒れてしまいますよ。



大才(すまねぇ)



そこに傘をさしてあげましょう。



天(シャキーン!)



どうも、天才です。



こ、これは…




天才の傘は小さいではないかーっ!!
Σ(゚□゚;)




傘は小さいですが、優しさは大きいのが天才です。



笑顔が咲いてる季節とは終わらない夏休みなんでしょうね。