キレる資格 | 天狗と河童の妖怪漫才

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妖怪芸人「天狗と河童」の会話を覗いてみて下さい。
笑える下ネタ満載……の筈です。

久しぶりに仕事の最中にキレてしまい、フロア全体に響き渡るほどの大声で叫んでしまったわけであります。



相手は僕よりも20才くらい年上の先輩で、前の現場では職長を務めていた人なので、そのキャリアからしても僕のような後輩から大声でキレられることも暑いので仕方がない。



いや、先輩は年上なので、そういう年下の情熱を受け止めることも仕事のうちなのだ。



給料を自分よりも多く貰っている相手こそ、職場でのストレスを受け止める義務がある。



いや、そもそもストレスの原因はその先輩なのである。



僕が多国籍軍を率いて仕事をしているチームに、その先輩は後から合流したのだった。



全てを把握しているのが僕しかいない状況だったので、そうなると僕は仕事を休めないし、体調が悪くて休んでも電話で作業指示をしなければならないわけで、このままだと安心して倒れることもできないので、チームに合流して貰ったのである。



しかし、合流したのはいいのだが、先輩がチームに合流をする前よりも全体的な仕事の流れが悪くなったのである。



これは、おそらく、前の現場では先輩が職長というリーダーの立場だったこともあり、多国籍軍がその影響で僕に確認することなく、先輩の指示で雑な仕事をするようになったのだ。



当然ながら僕が指摘することになり、手直しをすることになる。



組織の雇用形態や肩書きやキャリアであるとか、年齢差、文化の違い、様々な要因は考えられるが、完全に先輩が足を引っ張っているのだ。



僕は作業指示をしてから次の段取りがあるので、その場を離れてしまうことになるのだが、先輩が指揮する多国籍軍の奮闘ぶりを冷静に観察することにした。



なんと、驚くことに、先輩はどういうわけか、多国籍軍の下に付いているではないか!?



どうするの?これでいいの?と、多国籍軍に聞いて仕事をしているのだ。



こいつ…



ちょっとイライラしてきますよね。



そんな無責任なポジションでの仕事はありえないですし、多国籍軍も手直しをすることでモチベーションが下がるわけです。



先輩は年下の僕から指示をされて動くのが面白くないのかもしれませんけどね。



多国籍軍は日本語の理解力にこそ、個人差はありますが、片言の日本語だったとしても、ここが日本ってだけの話で、彼らは母国でも片言のキャラクターなのではなく、語学力が劣っているだけで頭が悪いってことではないんですね。



学校の勉強の成績はわかりませんけど、仕事はさっさと早く終わらせて家に帰りたいのは世界共通なんですよ。



彼らが自動翻訳機を搭載しても負けないだけの実力がなければ日本人は職を失いますからね。



経営者が自動翻訳機に投資する金額は外国人労働者を雇うことで儲かる利益からしたら2日も働いてもらえばチャラです。



そうならないように複雑な日本語を駆使して外国人を翻弄し、日本人としての日本語のアドバンテージだけで仕事を有利な方向に持っていけるほど世界は甘くありません。



現実的に彼らは日本の国家資格を取得しています。



僕らが海外に行って現地の国家資格を取得できるでしょうか?



これは“やる気”の問題ですよね。



日本人として日本語が理解できるのに国家資格に合格しないのでは外国人から完全にナメられます。



じゃあ国家資格に合格するにはどうするか、これは高卒の僕でも試験に受かる為だけの勉強をしたんですよ。



合格点に届くだけの試験時間を考慮した合理的な勉強法で合格するんですね。



マークシートなので1/4の確率であるとか、記憶力でどれだけ点数を稼げるか、僕は計算問題を捨てたわけですよ。



一番最初の問題が計算問題で、それが10問あるわけです。



1問2点なので、20点を捨てるわけです。



時間内に2点をいかに増やすか、資格試験とは理解力よりもライセンスを取ることが目的なんでね。



1問2点に対する記憶力の割合が脳ミソの容量として軽くなければ出力が重くなるわけです。



つまり、計算問題とは、公式で記憶力を使い、なおかつ計算も間違えてはいけないという、実は2重課題なんですよ。



さらに、計算をすることで、試験の時間を消費するので2点の価値がコスパとして悪いと。



計算問題は最後に解くとして、10問あるわけですから、マークシートは1/4の確率なので、全て同じマークを塗り潰ししてもパチンコより当たるわけです。



参考書や過去問を丸暗記するよりも、ライセンスを取得する為だけの方法論を導きだせるか、決められた条件や状況下でいかに結果を出すか、仕事で必要とされる能力は勉強法よりも結果を出す為の方法論の構築だと思います。



もちろん実技試験もあるわけですが、大半の人達は講習会に参加するんですね。



公表されている15問くらいの課題があって、その作成方法や最短の手順を教えてくれると。



筆記試験に合格してから実技試験なんですけど、講習会に参加すると合格率は100%らしいと。



15問ある課題の中から3つくらい実技講習をやるらしく、その講習会の最後には、その3つの課題の中からまた同じ課題を最後にもう1度やるそうです。



実技講習会で2回も実技練習した課題が実際の試験でも出題されたと。



僕は実技講習会には参加してないんですよ。



そういう情報や権利もなかったのでね。



ようするに、実技試験の出題がどこからか漏洩してるわけですね。



僕が推測するには、実技試験の課題として試験に使用される材料をメーカーは大量に納入しているわけです。



その材料の種類で公表されている課題からどれが出題されるかを容易く判別できるわけですね。



その情報をメーカーが特定の外部に漏らすメリットは、その特定の外部である相手とは普段メーカーの材料を購入しているお得意様であり、購入した材料を価値ある商品に変化させるには法律上は国家資格が必要であり、つまり、国家資格の取得者を確保することでビジネスになるわけで、メーカーとしては消費者を増やすことに繋がるからだと思います。



まぁ僕は講習会に参加しなくても実技試験には合格しましたけどね。



これには職場の人達も驚くわけですが、僕は講習会に参加しませんでしたが、カンニングはしました。



どうしても納得できない箇所があったんですね。



配布された材料では足りないわけです。



実技試験も時間との勝負なので、他の作業を全て終わらせてから、問題の箇所に取り掛かったわけです。



公表された15問の課題の完成形を参考書で暗記していたわけですが、それだと材料が足りないわけですね。



で、カンニングしたわけです。



カンニングは悪いというのは試験会場でのモラルですよね。



ですが、国家資格に合格しても実際に仕事をするのは試験会場ではなく現場なんですね。



現場作業の場合、目の前の作業を終わらせる必要があります。



作業の速さはもちろんですが、見た目の品質や法規的に問題があってはいけません。



現実的な現場作業でも自分の判断だけでは分からないことも多々あります。



現場作業で判断に迷ったときの基本中の基本は、他の人のやり方を真似ることなんですよ。



試験に合格することではなく、仕事は納めることが重要なんですね。



カンニングする相手の目星は試験開始前に周囲を見てましたから、その雰囲気だけで実力者は見抜けるわけです。



そのカンニングした相手は足りない材料を細かく切断していたんですね。



これって、何かしらの理由がなければやれない判断なんですね。



時間がないので、僕はカンニングというか、その人の真似をしたわけですよ。



試験会場から出ると、受験者はみんなそのことについて喋ってるわけ。



材料が足りなかったけど、無理矢理くっ付けたとかね。



で、僕も冷静に問題をよく読んでみたら細かく切断した理由が分かったんですよ。



そこの箇所には点線で小さく施工省略と書かれてたわけです。



参考書を丸暗記してたら材料が足りないわけです。



小さく書かれた施工省略に気が付く冷静な判断力が必要だったわけです。



そして冷静な判断力や何かしらの理由がなければ迷いなく切断するという行為は絶対に不可能だという現場での経験則から僕は真似をしたわけです。



それで僕は合格したわけです。



真似る相手を見極める能力は試験よりも現場では必要なことなんですね。



現場では分からないことは質問や確認をすることが可能なので、試験会場でのカンニングとはモラルとしてはよろしくないですが、そのモラルやプライドのせいで無謀な判断を実行したり、ムチャな賭けというリスクを減らす意味ではカンニングは正攻法だと思います。



現場で働く為のライセンスであり、現場では切迫した状況下でも最後まで諦めないこと、最善を尽くす姿勢こそが重要になります。




それなのに先輩は多国籍軍に責任を丸投げしてるわけです。



先輩がリーダーの現場では僕らがサブとして支えるわけですが、僕がリーダーのときには先輩がサブとして機能してくれてないわけですよ。



先輩ですし年上なので普段は僕ら下の世代が御輿を担いで神格化させて職場を統治しているわけですが、どういうわけか、自分が担がれない祭りのときには、反乱軍としての狼煙すら漂わせているわけですね。



サブとして多国籍軍を指揮する(やる気)がないわけです。



そうなると誰も責任を取らなくなるわけです。



誰しも自分の仕事には責任を持ちたいわけですが、手直しが続くと責任を放棄するようになりますからね。



どうも先輩には、その増幅した無責任の塊を僕に押し付けようという魂胆もあるわけですよ。



そうやって巧みに僕を潰してから、あたかも自分のリーダーとしての値打ちがあるかのように、まるで遅れてやってきたヒーローみたいに颯爽と先輩面して偉そうに登場してきて、自分が主導権を握るみたいな、そんな態度に、多国籍軍もちょっとずつ、イライラしはじめてきたんですね。



みんなイライラしてるけど、なんとか感情をコントロールして仕事をしていたら、最初に感情を爆発させたのが先輩だったわけです。



「もぉおおおおおーっ!!」と奇声を発したわけ。



これには僕もカチンと来たので、「そういう感情を表に出すの止めてもらっていいですか?」と、大人の対応をしたわけです。



すると先輩は僕の発言に対して、シカトをしたのか何か反論をしたような、そこの記憶はないんですが僕は大声で叫んでいました。



僕「だったら、てめえがやれよぉぉおおおーーーっ!!」



先輩「やってるよォォォーーッ!!」



年上にこんな生意気な口をきくのは失礼ですが、ストレスを抱えたままでは僕の作業指揮の判断力が低下するので吐き出すわけです。



その翌日に僕は作業服のズボンを家に忘れてしまい(よく忘れる)、仕方なくその先輩から借りることになりました。



前日にあんな生意気なことを叫んだ後輩に対して、その翌日には自分の予備のズボンを貸すわけですから先輩の男としての器は大きいわけです。



そういうところは同じ男として真似をしたいと思います。