進撃の情弱2 | 天狗と河童の妖怪漫才

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妖怪芸人「天狗と河童」の会話を覗いてみて下さい。
笑える下ネタ満載……の筈です。

完全に孤独になる前に予防接種をしておこうと。



漫画喫茶で進撃の巨人の単行本を途中まで読んできたわけですね。



進撃のぼっちですよ。



イカれた彼女からの超絶な束縛よって僕は友人を全て切ることになり、連絡先も削除されて、そこからは音沙汰無しのぼっち野郎として過ごしてきたわけです。



でもやっぱり人間てのは悩みを打ち明けられるような存在って必要なんですよね。



でまぁ、友達を作ろうと、そしたら友達が出来たけど実は人妻だったりして、そんで最終的に友達は大阪に引っ越しましてね。



そうこうしてたら今度はイカれた彼女が仕事で名古屋に転勤になったわけです。



いや、これ、危機感、半端ないって。



何かあった時に誰も助けてくれへんやん、と。



むっちゃ、ぼっちやん、と。



実家でもない、地元でもない、友達もいない、彼女もいない、独身の37才のおっさん。



怖くて仕方がないわけですよ。



甲子園の高校野球をテレビで観てたら、松坂が優勝した夏から今年で20年だと。



ちなみに僕は松坂世代なんですけどね。



20年後の未来がこれかと。



あの頃の未来にぼくらは立っているのなかなと。



20年かけて孤独になってるわけですよ。



いざって時に頼れる存在が近くにいないって不安だなと。



ここの筋肉は鍛えてなかったみたいでね。



束縛からの耐久性は、ストレスで入院はしましたけど、何とか生き残る術は培ってきたわけですが、1人で生きていく強さは鍛えてこなかったわけです。



自分には力がないなと。



まだまだ弱いなと。



そんなわけで休日の過ごし方を考えたわけです。



よし、漫画でも読もうと。



NHKで進撃の巨人のアニメを観まして、めっちゃ面白いなと。



金曜日の深夜にやってて、それが隔週になったのか、気が付いたら日曜日の深夜に移動してて続きを見逃したんですよ。



NHKさんそりゃないってばさ、1話見逃したらアウトじゃん。



ここからはネタバレになりますけど、最初は巨人と戦ってるわけ、ここからの物語の展開も早いわけ、主人公が急に巨人化したりするわけ、マジか!?と、そしたら今度は街を囲ってる高い壁の中から、巨人が出てきたりするわけよ。



壁の外側とか内側じゃなくて、壁の中身の具として衝撃で崩れ落ちたコンクリートの壁の中に巨人が立ったまま埋まってたわけですよ。



そこまでは金曜日の深夜に放送してたんです。



次の週の金曜日は進撃の巨人の声優特集みたいなのやってるわけ。



焦らすなよNHKさんと。



声優の情報は僕にはまだ早いと。



ドラゴンボールで悟空がフリーザと戦ってる最中に野沢雅子の特集を途中に挟むなんて当時の少年たちは誰も求めてなかったよね。



フリーザの声がバイキンマンと同じとか知りたくはなかったよね。



それだけを楽しみに1週間を過ごしてきたのに、声優についての情報はいらんと。



ネタバレの向こう側だと。



そしたら番組が金曜日の深夜から日曜日の深夜に進撃してるわけだよ!



1話見逃したらアウトだろと。



壁の外から巨人
主人公も巨人
女の巨人
壁の中からも巨人
こんなんさ、1話見逃したら巨人だらけになってるからね。



そんなわけでアニメは観ないで単行本を読むことにしたわけです。



まだ途中までしか読んでないけど、僕の中での謎が色々と解けましたね。



内容が重い。



まず、実写化された映画を僕は観てないわけ。



原作やアニメの面白さを知らなかったから。



漫画を読んでると、これが実写化されるなら絶対に見たいと思ったのよ。



どうやって立体機動を表現するのか、とか確認作業としての楽しみ方とかあるなと。



で、更に読み進めると話の内容が重いなと。



これじゃあ口コミでは僕の耳にまで伝わってこないわけですよ。



進撃の巨人には人間の抱える大抵の悩みが全て網羅されてるような作品なわけですね。



ただのアクション娯楽大作ではないのよ。



これを語り合える関係性ってなかなか難しいじゃないですか。



生き方とか考え方とか世界の在り方であるとかね。



心のリトマス紙みたいな役割になるわけです。



実写化映画に関しては、最初は内容を詳しく知らないから興味ないわけ、次にこれが原作の漫画を読んだら映画を観たくなるわけ、で、そこから更に読み進めると実写化する必要性が漫画の抱えるテーマと反発するのよ。



漫画でも人間の描き方が深い部分を削いでくるわけですよ。



これを実際に人間が演じるのは難しいだろうと。



ここまで来てからの声優特集なんだろね、NHKさんね。



この作品は内容が重いのよ。



日本人としては特に島国だし本当に壁の中の出来事だから感想の本音を表現することすら難しいわけですよ。



葛藤を抱えながらも、私の生き方はこうですと表明することに近いからね。



だから映画の口コミ効果は見込めないし、たぶんそこまでヒットしなかったと思う。



日本人には早過ぎたってのもあるかもしれない。



今でこそ上の世代の権力や正義が時代と合わなくなってきてて、それがあらゆる分野で明るみになってきてるわけでね。



自分の外側にも世界があって、組織や共同体の中にも世界があって、この現実を自分の内側でいかに消化するか、世界は残酷なんだと。



これをよくNHKが放送したもんだよ。



NHKは民放よりもコンプラに対して進撃してるからね。



まだ途中までしか読んでないからこれからどうなるのか気になります。



楽しみなんですが、不安な気持ちになる作品ですね。