責任感はお金じゃない | 天狗と河童の妖怪漫才

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妖怪芸人「天狗と河童」の会話を覗いてみて下さい。
笑える下ネタ満載……の筈です。

社長に隠し子がいたってのも驚いたけど、こんなの浮気とか不倫の向こう側だと思うからね。



僕はこれを笑い飛ばす奥さんにも驚いたのよね。



前々から社長の奥さんは僕に対して「まだ結婚しないの?」とか「結婚なんて勢いだよ」と上から言ってくるんだけど、それでも最終的には旦那に対する愚痴を僕が聞くパターンになるわけですよ。



結婚を僕に勧めといて結婚生活の愚痴をこぼす奥さんは言ってることが矛盾してるようだけど、人間ってそんなもんだよなって部分では安定感は抜群な訳でね。



給料日に給料の振り込みを忘れて僕から30分くらい電話で説教されてからは会社の忘年会とかに社長が奥さんを連れて来なくなったので暫く喋ってなかったんですよ。



社長の奥さんは学生結婚なので、しかも、社長と知り合って1週間で結婚してるから、そんで、社長は外国人でイスラム教徒だからデキ婚でもないわけです。



あなたの言う「結婚なんて勢いだよ」は違うと。


それはアスリートの勢いだと。



要するにOLとかパートとか社会人としての経験がないから給料日に従業員の給料の振り込みを忘れるっていう事の重大性を理解してないわけですね。



学生結婚したまんまずっと専業主婦ですからね。



実際にはそんなロマンチックな世の中じゃないわけですよ。



その説明に僕は30分も説教したわけです。



30分も粘る僕もちょっとおかしいですけど、もう振り込みは忘れてるから月曜日にしか給料は入らないわけだからさ、でも、ここで言わなきゃダメだってのがあるじゃないですか。



これが男だったら喧嘩すりゃいいわけよ。



だけど女ってのは頭のどこかにお姫様が住んでいらっしゃいますから「姫様、それは違いますぜ」ってことを伝えないといかんのですよ。



奥さんの言い分としては、いつも振り込みカードが入ってる引き出しに今回は振り込みカードが入ってなかったと。



旦那である社長は海外で私も何回も電話してるけど連絡が取れなかったと。



僕も給料が振り込まれてないので社長に電話しましたけど、社長とは連絡が取れないので、こうして自宅に掛けています、と。



3時を過ぎて振り込んだら明日になっちゃうんだっけ?と。



いえ、明日の土曜日ではなく来週の月曜日になります。



この時点でも奥さんは僕には謝らないのよ。



もちろん外国人はビジネスでも私生活でもすぐに謝らないのは知ってるけどね。



この件に関しても連絡が取れた社長からは「今回のこれは私のミスだったね」と。



「でも、ミスは誰にでもあることだからね」と。



いや、それは俺が言う台詞だと(笑)



これはちょっと言葉としては違うじゃん。



社長の言い方が苦しそうだから、その表現から本音をこっちがくんでるわけでね。



自動車の事故でもさ、明らかに自分が悪くても絶対に“謝るな”っていう保険の世界があるじゃないですか。



過失を認めることになるからと。



これで実際に“謝らない”を選択できる人が僕は苦手なのよ。



保険屋は利益が減るからそう言うのも理解できるけど、本来の保険の誕生とは共同体としての愛だと思うからね。



そこまでして金に縛られたくはないわけでさ。



僕と社長との出会いはどん底での優しさだったから、ミスって言葉の選択も日本語が下手だなって思うのよ。



奥さんも専業主婦だから仕方ないって部分もあるけど、働く世界を知らないなら教えてあげれば僕の感情が理解できるでしょ。



だから僕が30分も説教したってのは、30分も僕の話を聞いて最後はちゃんと理解してから謝ったってことなのよ。



まず、振り込みカードがない、社長とも連絡がつかない、給料の振り込みが出来ないと。



その時点で、僕の連絡先は知ってる訳だから、僕に連絡することはできますよね?と。



給料の振り込みが出来ない理由を先に報告しますよね。



で、僕は僕の口座番号を知ってますから、振り込みカードがなくても給料の振り込みが可能になりますよね?と。



主人からは会社のことには口を出すなと言われてますと言うわけ。



じゃあ、会社が倒産寸前でもそれでも何も行動しないのですか?と。



というか、給料日に給料が振り込まれない時点で会社としての信用は失いますよと。



これが、僕だけならまだいいけど、他にも従業員がいるわけで、そこにはその人の家族もいるわけですよ。



男なんて仕事ばっかりで休みも少なくて給料も少なくて、家族サービスもろくに出来ない父親だとしても、給料日くらいは外食なんかしたりして日頃の父親としての面子をやっと保つわけですよ。



1ヶ月に1回の楽しみにしていた給料日の外食に、給料が振り込まれてなかったら嫁から何て言われるか想像できますか?



給料日の後の日曜日にデートの予定はどうするんですか?



公共料金や家賃とかの支払いはどうするんですか?と。



基本的に貯金なんてありませんと。



僕らが普段仕事をしている時にもトラブルはありますと。



じゃあ、どうしようか?と考えますと。



最悪の状況を想定してそれを回避する為に、毎日毎日汗水垂らして働いていますと。



仕事には納期があります、残業したり徹夜したりプライベートを犠牲にして、クタクタになっても何とかして仕事を納めているんですと。



その僕らの仕事をした結晶が給料なんです。



会社が仕事をする上で最大の納期は、給料日に従業員に給料を振り込むことなんです。



口座に給料が振り込まれてないと気が付いた僕から会社に電話を掛ける時点でおかしいんです。



給料の振り込みが3時までに出来ないことに気が付いた時点で、それを相手に連絡をすることが仕事なんです。



それならどうしようかと一緒に考えることも出来ますし、最悪の状況にはならない筈です。



社長が外国人なのもわかってますし、そこには奥さんが日本人という信用もあるんです。



日本人の奥さんとしての役割をちゃんとしてもらわないと困ります、と。


ここまで話をして奥さんは「あっ、今、満月満月さん(僕)の言ってることの意味がやっとわかりました!そうですよね、すみませんでした」と謝罪をされたんですね。



自分のミスや判断でそれがどれだけ波及するかってことへの想像力と責任感が仕事には大切な訳ですよ。



だから、まともな神経の持ち主なら起業なんて絶対にしない訳ですね。



損切りの対象が人間になるわけですから。



社長の奥さんに対してもこういうことをちゃんと言うことも仕事としての責任感だと思うんですよ。



そりゃ無責任の詐欺師みたいなやつの方が稼ぎは良かったりするのもお金の面白さですけどね。



ただ、最終的に面白くないやつにはなりたくないわけでさ。



どんな職業でも一流はいるわけで、そこには収入や肩書きじゃない共通性があると思うんですよ。



目的がお金のようで、お金じゃない部分があるわけでね。



お金に走るのは楽なんだけどさ。



僕らみたいな肉体労働の底辺の仕事でも、お金で圧力を掛けられることもあるわけ。



責任感を持って一流の仕事をしようとしても時間的な余裕がない時とかあるわけよ。



仕事には人工という人件費が掛かるわけだけど、「じゃあその人工を誰が出すの?その残業代を誰が払うの?」みたいな言い方で適当な仕事ぶりの真っ当性を伝えてくる手段なんだけどね。



そう言われたら「うちの会社から請求書を出さなければ問題ないっすよね?」と返す訳よ。



こんなの社畜の向こう側なんだけど、一流の人ってこの景色を見てる筈なのよ。



そりゃもちろん、二流の嫁さんからすりゃ即離婚だろうけど(笑)



ちなみに社長の奥さん曰く、社長のセックスは三流らしい(笑)



宗教上、婚前交渉が禁止されてるから下手クソで女の扱い方が乱暴だと。



サイズも大きいから痛いだけだと。



大きいのがいいって言うけど、あんなの嘘だと。



これには僕もサイズが大きい部類なので社長には内心で同情しつつも「そうみたいですね」と奥さんにはまるで他人事のように相槌をしながらも、しっかりと凹んだ。



サイズの合うシンデレラがいないのである。



これも立派な身体障害者だと思う。



ピンク色の障害者手帳を交付して貰いたい。



ペニスは三流だけどクンニだけは一流です。



どんなオチやねん(笑)