友達が予約したクリスマスのケーキを食べることはなかった。
友達の過去は変えられなくても、未来とまでは言わないけど、明日くらいなら変えられるんじゃないかと思っていた俺の考えが甘かった。
俺の言葉なんてその程度の力しかないんだってことがわかった。
傷付けられた側が勝者だとする女の理屈には敵わない。
だからこそ女は自ら傷付く道を選択して歩んで行くのだ。
守られたいという発想というのは、敵が存在する世界が前提にあることを意味する。
それというのは、敵が存在しなければ守られることが成立しないことになる。
だが、その仕組みについて触れることはタブーなのだ。
これで女という生き物がいかに愚かで下品だということがよくわかった。
というか、恐ろしい。
全ての人間を欺いて生きている。
しかし、実はそれが裸の女王様だということを本人に言ってはならない。
なぜなら女は傷付くからだ。
実にバカバカしい。
女は10の優しさを求めてはいないのだ。
10回のうち、9回も傷付けられようがその中のたった1回の優しさの方がトータルでは優しいと感じるバカなんだ。
逆に9回の優しさで、1回だけ傷付けられただけなのに全てが信じられなくなるのだ。
その結果に傷付くのはむしろこっち側なのだが。
普通に考えれば、9回優しいやつがたった1回だけ傷付けたとしたら、その1回は特大の優しさなのだ。
落ちるところまで落ちていく者を見送るのは気持ちのいいもんじゃない。
だけど言うべきことは言ったのだから悔いはない。
やっぱクリスマスなんてクソ食らえだ。