女教師とのマッサージ | 天狗と河童の妖怪漫才

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マッサージ行きたい?ブログネタ:マッサージ行きたい? 参加中




自宅から歩いて5分くらいの近所にあるマッサージ店に行ってきた。



駅前からは離れた場所にあるのだが、引っ越してきてから割りと通っている店なのだ。



店長は中国人のおばさんで、従業員は台湾人のお婆ちゃんと、20代の中国人の男の子がいる。



僕は根っからのお婆ちゃん子なので世間話をしたり、話を聞くことが好きなのでいつの間にか仲良くなった。


仕事帰りにふらりと店に顔を出すと、『1時間待ちになるから空いてるベッドで寝ていきなさい』と僕のことを息子や孫みたいな感じで接してくれる。



店長も台湾人のお婆ちゃんも旦那さんは日本人なので、その馴れ初めの話を聞くのも楽しい時間になる。



海を渡って日本に来ているので、生き方のスケールでは勝てやしない。



今日は台湾人のお婆ちゃんが担当だったので、いつものように世間話をしていたのだが、とは言っても隣で他のお客さんにマッサージをしている店長も一緒に話に参加してくるので、ほのぼのした雰囲気の店である。


台湾人のお婆ちゃんは若いときは六本木で遊んでいたという。


本人も不良老人だと笑っていたのだが、若いときはモテたというのだ。



最初の頃は僕の勝手な偏見で苦労した人生だったのだろうな、と思っていたのだが、話をしていると娘さんはニューヨークにある誰もが知ってる企業に勤めているのである。


世の中わからないもんだなぁと思っていたのだが、その謎が今日解けた。


台湾人のお婆ちゃんから後で若い時の写真を見せると言われ、マッサージ後に持ってきたのが卒業アルバムだった。


お婆ちゃんとはいえ女性の卒業アルバムを見るのは乙女な感じがして可愛かった。


そして、お婆ちゃんの指差す写真を見て驚いた。


思わず『女優じゃん!』と言ってしまうくらいの美人がそこには写っていたのだった。


そして顔をあげると、僕の言葉に照れ臭そうにしたその表情に若き日の面影が宿り単純にいい女に見えた。


更に驚いたのは、その写真の欄は生徒のページではなく教師の ところにあったのだ。


確かに写真の下に並んだ漢字の教師の文字の意味だけは理解できる。


話を聞くと台湾で1番レベルの高い高校で教師をしていたと言うではないか。


なるほど、旦那さんが公務員で娘さんが優秀なのも納得できた。


卒業アルバムを懐かしそうに眺めながら生徒のページをめくると、『この子は今、ドイツにいるの』と生徒を自慢する先生の微笑みになっていたのである。


さっきまで店が忙しい時に助っ人として女性客限定という条件でマッサージを手伝う話を快諾していた自分が恥ずかしい。


そのような過去の経歴を知る前に台湾に対して震災の時のお礼をちゃんとしておいて良かった。


偏見とは自分の世界観の狭さを意味するのだと改めて思った。


こうやって色んな人と会話をする楽しさがあるのなら助っ人でマッサージをする話もたまにはいいのかもしれない。


そういえば、若いときに同期のやつらと暇だったので携帯でイタズラ電話を掛けて誰が1番長く話が続くかという遊びをやったことがある。


僕が適当に電話を掛けた相手は、青森に住む20代の年上の女性だった。


好きな映画の話などで盛り上がり気が付けば1時間近く喋っていた。


会話の間を埋めて喋ることで話の時間を伸ばす言わば逆探知トークである。


僕はお婆ちゃん子であり、弟なので聞き上手なのだろう。


なので同じ話を何度も聞くのも苦痛ではない。


相手の話を想像しながら聞くのはワクワクして面白いのだ。


騙されることもしばしばあるのだけれど、それもまた楽しいのである。


話を聞くということの本質は、相手のことを理解することだと思うのでありのままでいいのだ。


人生とは冒険であり、その旅の途中での苦労話や旅の目的などを聞くのが好きなのだ。


その聞いた話を喋るのはもっと好き。


それは1つの物語になっているからだと思う。


悲劇も喜劇も物語には主人公がいる。


そんな話もこのブログに書き綴っていこうと思う。