回転寿司の女 | 天狗と河童の妖怪漫才

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妖怪芸人「天狗と河童」の会話を覗いてみて下さい。
笑える下ネタ満載……の筈です。

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1人で回転寿司へ。


案内されたカウンターに座る。


学生のアルバイトらしき女の子の店員がやってきた。


そしてハスキーボイスでこう言った。


『本日の、お椀は松茸のお吸い物とあら汁になります』


松茸のお吸い物とは、ようするにフェラチオのことなのだろうか?


お椀とはおっぱいの隠語ではなかろうか?


さしずめ、パイズリ状態で僕の松茸をお吸いしてくれるのだろうか?


だとすると、あら汁とは一体どこの汁なのか?


もしかしたら君の、あら汁なのかい?


ところで、君のあわびは新鮮なのかな?


僕としては、おいなりさんから握ってもらいたいのだよ。


絶対音感の持ち主とは私生活に支障が出るという。


それは街の騒音や雑音の全てが、脳内で譜面となって現れるそうだ。


私の場合は絶対性感の持ち主である故に、私生活に支障が出ている。


見たもの聞いたものの全てが下ネタに変換されてしまうという。


話を元に戻そう。


僕はあら汁を選択した。


すると、ハスキーボイスの店員は更にこう言った。


『あら汁は、お椀のサイズが大と小がございますけど、どちらにしますか?』


僕は思った。


普通のサイズはないのかい?


じゃあ…と言いかけたところにハスキーボイスが食いぎみで入ってきた。


『大でよろしいですか?』


いや、大ではなく、じゃあ…と言ったのだ。


でも、大を頼む客が多いから、僕のじゃあ…を迷うことなく大と受け止めたのだろうと解釈して、大を注文することにした。


そして、大の器であら汁がやってきた。


でかい。


でかすぎる。


戦国時代の侍が豪快に酒を飲むやつ。


現代ならば、お洒落な洗面器。

ちょっとした腰掛けにも使える。

巨乳と聞いてたら、デブだった感じ。


メガあら汁。


カフェでカプチーノを注文したときに店員から『小さいカップで、苦いですけどよろしいですか?』と言われて、実際に想像していたよりも小さいカップで恥ずかしくて、味も想像していたよりも苦くて、それでもこれがあのカプチーノなのかと、名前は聞いたことあるみたいな。


まぁ、なんというか…。


ラーメン二郎です。


えんがわを注文しました。


旨かった。


5点盛りを注文した。


その5点とは日替わりなので、ホワイトボードにその日のネタが書いてあるのですが、僕の座った席からはホワイトボードが見えませんでした。


なかなか注文した5点盛りが出てきません。


隣にカップルが座っていたのですが、そのカップルは注文を紙に書いて職人さんに渡していたので、自分の食欲と他のお客さんの注文量に合わせた職人さんの握るペースが掴めないのです。


それと、僕はすでに5点盛りを注文していたので、その5点のネタとかぶる注文はしたくなかった。


なぜなら、隣のカップルの女が思ったことを口にするタイプだったからです。


そのカップルの女は他のお客さんの食べるリアクションを見てこうつぶやきました。


『どんだけまずかったんだよ』

このシチュエーションに合わせた言葉選びが瞬時にできない女ってのが危険なんですよ。


目の前には職人さんがいる訳ですよ。


聞こえてますよ。


配慮がないのよね。


誤解されるからね。


金を払ってる客は偉いだとか、味覚には個人差もありますし、苦手な食材もありますよ。


わさびのリアクションかもしれません。


ウケ狙いのツッコミは確かに誰かしらを傷付けてしまうこともあるでしょう。


瞬時に最短の手数で最大公約数の笑いを求めることは難しいことです。


彼氏のフォローなり、自分で笑いを取ろうとした意図的な発言であるというフォローができるならば構わないですけどね。


そんな女が隣にいたので、なかなか注文できない訳ですよ。


例えば、僕がサーモンを注文して同じタイミングで5点盛りが出てきて、その中にもサーモンがあった場合には…


『どんだけサーモン好きなんだよ』


とか言うタイプの女ですからね。


そういう女は嫌いじゃないんですけど、彼氏の頭の回転が早くないと成立しないんですよ。


それで仕方なく、メガあら汁と格闘することになり、見事に平らげました。


それでも5点盛りは来ません。

なので、流れてる寿司を食べることにしました。


これなら皿を取ってすぐに食べれば、ネタの5点盛りかぶりは避けられると思いました。


流れてきたサーモンを取って口に運びました。


ネタの鮮度は最悪でした。


完全に干からびていました。


お前は何周回ってたんだよ!!と叫びたいくらいに水気もなく固くなっていました。


隣のカップルの女が目撃したリアクションはこれだと確信しました。


どんだけまずいんだよ!!


2貫目に行く勇気が出て来ませんでした。


でも、早く食べないと5点盛りのサーモンかぶりになった時には隣の女に笑われてしまいます。


お茶で無理やり流し込みました。


すると、隣のカップルに紙に書いて注文したオーロラサーモンなるものが職人さんから手渡されました。


さすがオーロラという名を冠しただけあって、そのサーモンはキラキラと新鮮な輝きを放っています。


僕が食べたサーモンは赤道直下サーモンだったのでしょうか?


それか熊殺しサーモンかもしれません。


子熊が食べようとすると、親熊が頭を引っ叩くやつです。


それでも5点盛り来ません!


目の前をカッパ巻きが流れてきました。


どんなに乾燥したところで、きゅうりはきゅうりだろうと。


5点盛りのメンバーに選ばれる訳もないですからね。


僕はカッパ巻きの皿を取りました。


そして6つに切られたカッパ巻きの1つを口に運びました。


なるほど。


確かに乾燥しても、きゅうりはきゅうりでしたけど…


『乾燥したシャリの切断面は、まるで刃物だね』



残り5個食うの無理だわ!!


カッパ巻きじゃない、やっぱり河童殺しだった。


回転寿司で食べられる皿の枚数なんて決まってますから、そのうちの2皿でハズレを引いたことにイライラしてきました。


メガあら汁のせいで満腹に近いのもあるからね。


5点盛りやっときました。


豪華な長方形の皿に乗ってます。


端っこには、わさびが盛りつけてありました。


これは、さび抜きということなのだろうか?


でもネタを捲ってわさびの有無を確認するのは隣のバカップルに笑いを提供することになるのでやめました。


わさびをネタに乗せて食べました。


ツーン。


最初にわさびの味が口全体に広がって、やがてそれが鼻に抜けてきて、その鼻の痛みが治まった頃には食べ終わっていました。


ネタの味はわかりません。


それを5回繰り返しました。


だって、隣のクソ女が見てるから、僕は5点盛りはわさびを乗せて食べる派ですけど何か?で行くしかないでしょ!


会計をすることにしました。


ハスキーボイス姉ちゃんがやってきて皿を数えます。


枚数を書いた伝票を渡してきてレジに持って行くように言われました。


でも、僕の席はレジの目の前です。


僕とハスキーボイス姉ちゃんは、お互いにその場からレジに向かって4歩程横に移動すると、僕は受け取った伝票を再びハスキーボイス姉ちゃんに渡しました。


なんだこのやり取りは?


回転寿司にはろくな女がいない。


いや、回転するタイプの店の女は乾燥している。