天狗と河童~地球を食べる~ | 天狗と河童の妖怪漫才

天狗と河童の妖怪漫才

妖怪芸人「天狗と河童」の会話を覗いてみて下さい。
笑える下ネタ満載……の筈です。

地球最後の日に食べたいものブログネタ:地球最後の日に食べたいもの 参加中




天狗「地球最後の日に食べたいものか…」



河童「やっぱ最後は好きなものを食べたいよね」



天狗「そうか?地球最後の日くらいは、『いつかは食べてみたい』と思っていたものを食べたいよ」



河童「いつかは食べてみたいと思っていたもの?じゃあ地球最後の日に何を食べるの?」



天狗「【流しそうめん】」



河童「はあ?なんで地球最後の日に流しそうめん食うの?」



天狗「流しそうめんって1度は食べてみたいと思うよな?でも実際に流しそうめんを食べにいくタイミングってなかなかない訳だよ。いつか、いつかとを先伸ばしにした結果、地球最後の日に慌てて食べにいく感じだよ」



河童「どんなタイミングだよ!夏休みの宿題じゃないんだからさ。別に地球最後の日に慌てて食べに行かなくてもいいでしょ。その移動だけで最後の1日が終わっちゃうよ。大体さあ、流しそうめんが食べれる施設があるのって田舎の方でしょ?」



天狗「これぞ風流の極みだよな。都会の連中がパニックに陥っている最中に、俺は大自然に抱かれながら地球最後の日に流しそうめんを食べる」



河童「なるほどね。流しそうめんを食べたい気持ちはよくわかったよ。ただ、1つだけ確認したいことがあるんだけど、地球最後の日に誰が“そうめん”を流してくれるの?」



天狗「は?…そりゃ、お店の人だろ」



河童「状況を考えてごらんよ。地球最後の日なんだよ?営業なんかしてるわけがないでしょ」



天狗「老舗の流しそうめん屋なら理由を説明すれば特別に流してくれるだろ!地球最後の日だろうと仕事に誇りを持ってるのなら、そうめんを流すだろ。そうじゃないなら今すぐ店の看板を流しちまいなって話だよ。いいか?こっちは“客”だぞ!」



河童「老舗とか誇りの問題じゃない。迷惑なんだよ!!残り僅かな貴重な時間を家族や愛する人と一緒に過ごしたいと思うのが普通だろ?まさか地球最後の日に流しそうめんを食べにくるバカがいるとは思わないだろ!」



天狗「おいおい、こっちは“客”だぞ!!」



河童「初めて食べに来たくせに偉そうにすんなよ!自分でやればいいだろ?自分でそうめん流して自分で取って食べなよ」



天狗「いやいやいや、おかしいだろ?なんで俺は地球最後の日に全速力で“そうめん”追いかけてんだよ」



河童「流しそうめんが食べたいんでしょ?それが風流なんでしょ?」



天狗「どこが風流だよ!自分でそうめん流しといて、それを箸とお椀を両手に持って必死に追いかけて、それのどこが風流なんだよ!」



河童「でも流しそうめんって簡単にキャッチできないから楽しいんでしょ?それが醍醐味だよね?」



天狗「俺のルールが違うだろ!筋肉番付のボタン押したらバレーボールが落ちてくるやつみたいになってんじゃねーかよ」



河童「でもキャッチできたら嬉しいでしょ?」



天狗「流しそうめんのスピードなめんなよ。心技体が揃わなきゃ自分で流したそうめんはキャッチできねーよ」



河童「限界ってのは自分が決めてるんだよ。成功した姿をイメージすることが大事なんだよ。成功した自分にご褒美を設定することで集中力を上げる効果もある。研ぎ澄まされた集中力はゾーンに入る。成し遂げることが容易ではないことは古来より神事として昇華され、願を掛ける風習は世界的に数多く伝承されている」



天狗「あのぅ…俺はただ、普通に“流しそうめん”が食べたかっただけなんですけど…」



河童「もし成功したら“いいこと”あるかもしれないよ」



天狗「いいことあんの?『よーし、この“そうめん”をキャッチできたら…夢が叶う!!』って地球最後の日だろうが!!ちゃんと普通の流しそうめんを食べさせろよ!」



河童「1人で流しそうめんをやるからそうなるんだろ。どうしても流しそうめんが食べたいというなら、左手で流してすぐに右手でキャッチして食べたら?」



天狗「それ何が楽しいんだ?そうめんを水に浸してから食べてるのと一緒だよな?流しそうめんをやるのは初めてだけど、そうめんの味は知ってるんだよ。左手で流してすぐに右手でキャッチして…そこまでして誰がそうめんを食べたいと言った?」



河童「お前が地球最後の日に流しそうめん食べたいって言ったんだろ!!」


天狗「別に流しそうめん食べたっていいじゃねえかよ!お前がリアルに考えるから悪いんだろ!!」



河童「最初から2人で食べに行けば何も問題なかっただろ!!」



天狗「常識的に考えてみろよ!地球最後の日に
『今から流しそうめん食べに行かない?』
……返信すらこねーよ!!」



河童「当たり前だろ!つーかさ、どうしても食べたいなら彼女を誘えばいいじゃん」


天狗「そうだろ?彼女と交互に流せば地球最後の日だろうとリアルに流しそうめんを食べることは可能なんだよ」



河童「彼女にそうめんを流す時にサプライズで婚約指輪を流してみたら?」



天狗「ダサいわ!!流しそうめんにサプライズってどんなプロポーズだよ。それで彼女が指輪をキャッチできなかったらどうすんだよ!!



河童「空気読んで手掴みするでしょ」



天狗「指輪に気付かなかったらどうすんだよ!『あれ?』みたいにスルーしたら、どの面さげて回収すればいいんだよ」



河童「何回でも気が付くまで流し続けたらいいじゃん。地球最後の日に恥も外聞もないでしょ」



天狗「その考えはよくないよ。いくら最後の日でもモラルはあるべきだよ。そもそも、そうめん以外のものを流したら怒られるだろ?」



河童「誰が怒るの?」



天狗「誰って、彼女がスルーした指輪を他の客がキャッチしたらどうすんだよ」



河童「他に客がいるわけないでしょ。誰も見てないんだからなにやっても許されるよ」



天狗「お天道様が見てるよ」



河童「バカか?地球が滅びるのに神も仏も関係ないっての!」



天狗「地球が滅びるくらいで私情に流されてるなら、お前は“そうめん”以下だな」



河童「滅びたら何もかも終わりだよ」



天狗「最後の最後まで流しそうめんは楽しめる」


河童「はあ?薬味を入れたところでさ、いずれ味には飽きてくるんだよ。不安や絶望を流しそうめんでごまかそうとしても無理なんだよ」



天狗「いや、地球には最後にシメのそうめんがある」



河童「裏メニューみたいな寝言いってんじゃねーよ。流しそうめんの最後に何があるっていうんだよ」



天狗「地球が滅びる瞬間、そうめんは“焼きそうめん”になる。地球最後の日、世界は香ばしい匂いに包まれる。断末魔は悲鳴などではなく『うわっなんか、すげぇ旨そうな匂いがする!』絶望なんてのは想像力が足りないだけさ。地球の全てを召し上がれ!!」



河童「食材にはなりたくねーよ!いい加減にしろ!!」」