
PAUL McCARTNEY
McCartney 2 (1980)
今さら何の説明も要らない人物による、ウィングス解散後のソロ作。ウィングス以前に参加していたバンドがあまりにも有名なため、ろくすっぽ聴いてなかったりするのだけど、このアルバムだけは持っているのは、これは思いっきり当時の時流に流されたアルバムであり、ポールなりにニュー・ウェーヴ~テクノポップをなぞってみせたアルバムだからである。思えばかつて同じバンドに居たジョージ・ハリソンも1969年に電子音楽に傾倒してアルバムを作っているが、それはあくまで電子音楽、音色への興味が先に立ちすぎていていまひとつな内容、しかしこれはそれと違ってポールならではのポップセンスが光る内容で聴きやすい。
ニュー・ウェーヴ~テクノポップに傾倒したことで、このアルバムの一般的な評価は悪いのだけど、ニュー・ウェーヴ好きを公言する方は持っておいていいはず。アルバム制作に当たって、ポールはよりによってフライング・リザーズにえらく感銘を受けてしまい、自宅にてチープな音質にこだわったシステムでわざわざ録音、曲によっては声にエフェクトまでかける徹底ぶりで、つまりニュー・ウェーヴってのはこういうことだろ!?と言わんばかりの、ともすれば勘違いとも取られかねない感じの迷走っぷりを楽しむことができる。迷走といってもさすがはポール、そのポップさには妥協は感じられず、ひとつひとつの完成度は高い。いかにもニュー・ウェーヴな変な曲も余裕綽々で披露している。ただ、所々で詰めが甘く、ギター1本で弾き語ってしまうような、普通に良い曲を織り交ぜている点はまったく感心できない。どうせやるなら徹底的に染まってもらいたいものだが、そこはポップ・マエストロとしての性が出てしまったのか、残念ながら普通に良い曲も混在する中途半端なアルバムになってしまった。CD化に際しボーナストラック3曲が加えられているが、これが適度に実験している好ナンバーで、むしろアルバム本編でそれをやれよと言いたくなる。
Coming Up
アルバムのリード・トラック。これを聴いたジョン・レノンは「俺もこんな曲を作りたい」と絶賛したとか。
Temporary Secretary
Frozen Jap
Bogey Music
One Of These Days
でも最後にはこんな曲やっちゃうという。