こんな小論文指導を信じてはならない | これでも元私立高校教員

これでも元私立高校教員

30年以上の教員指導を通じて、未来を担う子供たち、また大人の思考などをテーマに書き綴っています。
日本史と小論文の塾を主宰し、小学生から大学生、院生、保護者の指導をしています。

高校生が学校の先生に小論文指導を頼んだそうだ。

提出した小論文を赤で添削し、返すときに先生は言ったそうだ。


「模範解答がないから答えはわからないけど、こんなの小学生の文章みたいだ」


そもそも小論文に正解はない。


「どうしたらいいですか?」


「小論文の本を買って勉強しとけ」


そもそもこの先生は小論文指導ができない。

英語の先生に英語の質問しに行けば、目の前で問題を解き教えてくれる。

数学の先生とも同じだ。


でも小論文を指導は、ほとんどは目の前で先生はやってくれない。

なぜか預かって添削をする。


指導するとは


模範解答なんてなくたって、初見の小論文を目の前ですらすらすらと書き、さらにそれを生徒から見て納得できる、そのような指導ができる先生なら、添削ではなくて「対話」で指導ができる。

だからこそ小論文に絶対に必要な、生徒のクリティカルシンキングやロジカルシンキングを伸ばすことができる。


申し訳ないがこの先生に小論文を指導する資格は無い。

もっと言えば、添削指導しかしない人に小論文指導ができない。

そもそも指導者として恥ずかしい行為をしていると思わないのか?


小論文指導をするとは人の人生を預かると言うことだ。

できもしないことを添削と言う作業で、「できるふり」をしてはならない。


総合型や学校推薦型が増えている。

すると儲かると思うのか、市販されている本を少し読んだだけの塾と増える。

 

「ついでに志望理由書も添削しましょうか」


平気でこんなことを言う。


「できるふり」をして、ビジネスをしてはならない。

保護者の方や高校生がそんな出会いではなく、


添削ではなく対話で向き合い、

批判的な思考を育て、

偏差値で総合型を図る目先的なことではなく、

マニュアルやテンプレートに頼らず、

「総合型を知らないと損します」なんて言わない、


そんな出会いができることを願っている。