3年前の3月、塾やってきた葉の少ない痩せたオリーブは「有希」という。
私の好きな言葉「希望が有る」から名付けた。
「有希」が塾にやってきたときとても嬉しかったが、植物を育てたこともなく、最初は水をあげていても、葉も増えず花も咲かなかった。
でも自分なりに愛情を込めて大切にしていたら、花は咲かないけど葉がたくさんになった。
この3年間、悲しいこともあれば辛いこともあった。
そんな時はこの「有希」に話しかける。
すると「有希」は答える。
「まだまだ足りない」
仕事に疲れ怠けたくなると、「有希」は厳しく叱ってくれる。
「情けない、嘘つき」
よく物を無くす私は、「有希」が隠したんじゃないかと、あちこちを探すと、オリーブの「有希」はいたずらっぽく嬉しそうに笑っている。
もっと愛情を込めて育てたら、今年は花が咲くだろうか?
今年も生徒たちがオリーブの「有希」の横を通って塾に入ってくる。
もし夏にオリーブの「有希」に花が咲いたら、私の願い事が叶うんじゃないかと勝手に思ってる。
無論願い事は秘密だ。
だから今日も愛情を込めて、オリーブと生徒を育てている。
2つとも花が咲くように。