中学生の夏休みの自由研究「毛沢東」 | これでも元私立高校教員

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30年以上の教員指導を通じて、未来を担う子供たち、また大人の思考などをテーマに書き綴っています。
日本史と小論文の塾を主宰し、小学生から大学生、院生、保護者の指導をしています。

この夏休みの自由研究で「毛沢東」について調べた中学生がいる。

毛沢東は、いわずとしれた中華人民共和国の建国者であり、毀誉褒貶はあろうとも中国史にとって重要な人物である。

 



毛沢東の最大の功績は、中国からおおよその飢餓をなくしたことではないだろうか。

 

そんな私の一言から始まった夏休みの毛沢東研究

むろん単なる知識的な学びではなく、中国人からみた毛沢東観なども調べ、妙な固定概念や右翼とか左翼と言ったイデオロギーのフィルターを被せることなく、冷静な視点で批判・評価を行った。

 

過去の歴史や文化、さらに人物を評価することは難しい。

紋切型ではなく、疑問をもって精査し批判し評価するわけであり、通常の勉強の何倍もの思考力が求められるからだ。

そういう意味では、答えの明確な学びとは楽であり、しかし思考的ではない。

 

この中学生と一緒に取り組んだ夏休みの自由研究は、私にとってもとても良い機会である、生徒にとっても良い機会であった。

 

「学ぶ」「勉強する」とはなにか?

 

そんなことを考える機会であったような気がする。

それこそが生徒にとってこの夏の最大の成果かもしれない。