平均点の無意味さ・・・・
教員はよく60点程度の平均点を理想的だと言う。
自分は、この平均点60点理想論ほど、生徒の学力を伸ばすことを、意図的に阻んでいるものはないと思っている。
平均点60点というのは、学力が真ん中程度の生徒は、40%はできないという前提である。
授業を受け、試験に臨んでいるのに、最初から40%はできない前提とはどういうことか。
その理由はもちろん、成績をつけるためであある。
近年は絶対評価が主流となってきたが、それでも平均点60点に固執して試験を実施している教員はたくさんいる。(絶対評価に平均点はますます意味をなさないはずのだが・・・・)
当然のごとく、試験のなかに、無意味な難問や、授業中には説明してない問題、さらには口頭で説明しただけの問題などを出題し、平均点を一生懸命に下げる。
理想の平均点とは、レベルを下げずに100点であろう。
つまり授業を受けて生徒全員が内容をしっかり理解し、試験で正答したということである。
評定も当然ながら全員が「5」である。
もっとも100点は取れれてはだめだと思っている教員すらいる。これに至っては、もう理由は説明できないが、おそらく生徒に負けた気分にでもなるのであろう。
自分の授業では、レベルを下げない前提で、平均点が80点以上まできている。目標まであと20点である。
こういう思考で学習指導をすると学力は必ず伸びるが、学校社会では受け入れられなくなる。
ある読者の方から、生徒の学力を伸ばすとことがどうしてそんなに困難が伴うのかと質問をうけたが、伸ばすこととは、指導の根本の発想を変えることであり、過去の常識との衝突であり、なにより結果を出すことを重視することである。
そこを乗り越える勇気がないと、生徒の学力を、他校に比べ飛躍的に伸ばすことなどできない。
だから、平均点60点理想論とは、百害あって一利なしの考え方である。