服装の乱れと学力 | これでも元私立高校教員

これでも元私立高校教員

30年以上の教員指導を通じて、未来を担う子供たち、また大人の思考などをテーマに書き綴っています。
日本史と小論文の塾を主宰し、小学生から大学生、院生、保護者の指導をしています。

誤解されそうなテーマである。

単に、「服装が乱れれば、学力は低下する」というような内容かと思われるであろう。


そうではない。


けっしておしゃれでもなく、なおかつ反抗的でもないのに、服装が乱れている生徒がいる。

この場合の乱れとは、「汚れ」である。

さらには、服の「ほつれ」である。


ご家庭に経済的な問題があるというわけでもない。

にもかかわらず、袖が汚れていたり、カッターの首元がほつれていたりする。


これはどううことであろうか。



ひとえに、親と子供の関わりの問題のような気がする。

つまりその生徒は、親から「構われて」いないのである。


高校生にもなってそのくらいのことは、自分でちゃんと親に言えばいいと思われる方もあろう。

しかし、そこで親に言えるような関わりが元からないとしたら・・・・


こういった子供は、残念ながら、その能力に応じた学力に達していないケースが多い。

構われてないという状態は、心の寂しさを生み、それは意欲の減退、さらには未来を夢見る機会を奪う。

つまり心の成長が妨げられ、結果として学習への取り組む力が低下していき、成績も振るわない。



これはなにも服装に限ったことではない。

子供の弁当や持ち物、さらには髪形まで、親とのかかわりは、仮に反抗期であっても非常に大切である。


いい悪いも含め、関わること、もっといえばいい意味で「干渉」することの大切さは、年齢が下がれば下がるほど重要度は増す。

おそらく、このブログの読者の方は心配ないと思うが、世の中にはそんな家庭で寂しい思いをしている子供がたくさんいる。


現場にいると、そんな子供に出会うことがある。

切なくなる。