【file 6】 恋愛慎重派が望む婚活の形 | 軍師たるもの物申す (世界で唯一の正しい少子化対策指南)

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まじめに少子化問題の解決を提案するブログです。
「少子化問題=未婚問題」
未婚問題は恋愛慎重派(日本人の2/3)の問題です。
その特性に合った婚活環境がなければ、効果は上がりません。
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 広島県の子育て・少子化対策課では、平成26年から毎年、県内の25歳~39歳の未婚の男女各300人を対象に、「未婚の男女に関する意識調査」というアンケートが実施され、その結果がHPに掲載されている。詳細はHP参照
 調査項目は、「基本属性(性別、年齢)」「結婚の意思」「独身でいる理由」「異性との交際状況」「異性との交際における不安事項」「県の出会い・結婚支援の認知度」「有効な行政施策」など となっている。
 以下、資料のブラフを一部引用しながら、その内容を検証してみる。

 

1.結婚の意思(結婚願望)

 

 独身者の結婚願望は20代後半で男女共に80%以上ある。「若年層ほど結婚の願望が強い」とあるが、これは認識違いで、実際は加齢と共に結婚願望のある独身者の数が減るため、相対的に結婚願望が下がったように見えるだけである。結婚願望が無い層の一部には、「交際相手はいるが、一生結婚するつもりはない」という恋愛積極派も含まれているが、ほとんどは子供が出来たのをきっかけに一度は結婚する。
 20代後半では恋愛積極派の半分が既婚、恋愛慎重派は男性の2割程度、女性の3割程度が既婚だろう。30代以後の独身者は、ほぼ全てが恋愛慎重派と見ていいだろう。

 

2.1年以内の結婚の意思

 

 このデータは設問1で「いずれ結婚するつもり」と回答した人が対象である。女性の方が早く結婚したいと思う傾向が強い。どうせなら、交際相手がいる人といない人でデータを分けるべきだろう。特に男女別は面白いデータになると思う。

 

3.独身にとどまっている理由

 

 

 このデータは設問1で「一生結婚するつもりはない」と回答した人が対象である。
 「適当な相手にめぐり合わない」が男女共に1/3を占めるが、出会いが無いのか、今の交際相手とは結婚したくないのかで意味が全く違う。そこは明確に区別しなしと現状認識を誤る。交際相手がいる割合からすると、「出会いが無いので結婚は諦めた」というケースが多くを占めるだろう。
 「結婚資金が足りない」については、「結婚式の費用が足りない」のか、「結婚生活をするのに収入が足りない」のか、明確に区別すべきだろう。子供を作るかどうかを別にすれば、各々単身で生活しているなら、結婚した方が家賃が下がり、生活は楽になる。親と同居中で結婚して親と別居となる場合は別だが。

 

4.異性との交際
 

 

 女性の方が一様に交際相手がいる割合が高い。これは、交際相手が年齢別人口の多い年上という傾向があるのと、相手の男性が不倫や離婚者、二股以上(遊び目的)のケースが多いためだろう。項目としては「一度も交際した事がない」という統計も取って欲しかった。「友人として交際している異性」の意味がセックスフレンドという事なのか明確にすべきだろう。ネットでやり取りするだけの異性を友人とするなら、ほとんどが該当してしまう。「婚約者がいる」という数字は、男女ほぼ同数でなければおかしいのだが、女性の方が一方的に結婚出来るものだと思い込んでいる(男性に騙されている)ケースが多いのは興味深い。無駄に長期交際して別れるパターンだろう。

 

5.婚活の状況
 

 このデータは「交際している異性はいない」(友人はOK)が対象である。
 未婚者の8割が結婚願望があるが、婚活は男女共に2割弱しかしていないという何とも寂しい数字になっている。ただし、選択項目に「婚活サイトで活動している」という一番メジャーな項目が無いのは戴けない。これでは数字全体の信憑性がない。婚活サイトは男性の登録数が圧倒的に多いため、婚活している男女比に大きな差が生じるはずだ。交友目的の出会い系サイトやキャバクラ等の風俗店でも結婚に至る可能性はあるが、婚活とは明確に区別すべきで、この場合は「異性と出会える場所へ行くか」という設問にすべきだ。「特に活動していない」の数字の中には、たまたまフリーになっている婚活する「必要が無い」恋愛積極派も含まれるため、そこは若干差し引いて見る必要がある。
 フリーの恋愛慎重派のうち婚活している割合は20%強という事になるだろう。婚活の結果としての交際中も含めると、男性が30%、女性が20%という所ではないだろうか。
 結婚したいのに、なぜ婚活しないのか。まずここが根本的な問題である。

 

6.交際の不安

 

 異性に対するコンプレックスと同様に、「出会いの場所がわからない」という項目が大きな割合を示している。結婚相談所、婚活サイト、婚活イベントを知らない人間はいない。探そうと思えばいくらでもある。これらを自分の出会いの場所とは認めていない人がそれだけ多いという事だ。

 

7.県の出会い・結婚支援施策の認知度
=省略=

 

8.県の出会い・結婚支援施策を知ったきっかけ
=省略=

 

9.有効だと思う行政が行う出会い支援
 

 前置きが長くなったが、ここがこの記事の肝となる項目である。男女共に「婚活イベントの開催」が圧倒的なトップになっている。設問6で「出会いの場所がわからない」と回答した男女が2~3割あった事を思い出して欲しい。その方々の多くが「行政の支援は不要(行政には期待しない)」という項目に流れていると見るべきだろう。この中には、「間に合っているから不要」という全く違う意味合いのケースも半分くらい含まれているはずで、集計上は区別すべきだ。
 この設問には、恋愛慎重派に係わりの深い最も重要な項目が抜けている。

 

 下は、2014年に日野市内の市民イベントに「カフェ・ジャパン」という団体名で出展した時に独身者を対象に行ったアンケートの結果である。

 

 

 赤い丸シールが女性、青が男性である。対象外の学生が男女各2名ほど入ってしまったため、結果の検証には若干の補正が必要である。回答対象者のうち一般来場者は0で、全てイベント参加団体のメンバーである。団体のメンバーの男女比はほぼ同一であるが、男性は声をかけても逃げられる事が多く、男性のサンプル数が少ないのが残念であった。なお、対面アンケートなので、「年齢」「現在交際相手がいるか」「交際経験があるか」といった項目は差し控えた。女性の平均年齢は30歳くらいである。社会奉仕系の団体がほとんどのため、ほとんどが恋愛慎重派と見て良い。

 

Q1:5年以内に結婚したいですか?

 

 学生を除くと、8割程度が5年以内の結婚願望を持っている事がわかる。この辺は政府統計(期限は無い)とほぼ同じ傾向である。

 

Q2:5年以内に結婚できそうですか?

 

 恋愛積極派と見られる男性1名以外、Yesの回答は無かった。ここでNoにラベルを貼る人の心境はいかに。その多さが際立った。いつの時代も希望は持ちたいものだが。

 

Q3:公的な婚活支援サービスを希望しますか?

 

 この項目のNoは、広島県の設問9の「行政の支援は不要」という項目とリンクするが、ほぼ同じ傾向と言える。恋愛慎重派の7~8割が行政の支援を期待しているという結果である。

 

Q4:どのような婚活サービスを希望しますか?

 

 この質問も広島県の設問9とリンクするが、ここで「イベント型(街コン)」と答えた人は2割しかなかった。「日常型(会員制カフェ)」と答えた人が圧倒的に多かった。広島県の設問9の選択項目に抜けているのは、この日常型の婚活なのである。
 会員制カフェ「カフェ・ジャパン」の概要については、詳細な企画を立ててはいるものの、アンケートの回答者には細かい説明をしていない。直感的に「期待が持てる」と判断されての結果であろう。

 

 広島県の取り組みは、データとしては非常に興味深いものであるが、改善点を踏まえて、より良いものにして戴きたい所である。データの継続性という観点からは、途中から設問を変えるのは難しいのが実情であるが。これを参考に、他の自治体でも積極的に取り組んで戴きたい。特に、転入後の生涯独身者が多い東京都は、広島県とは違った結果になるはずである。

 

 次回は、恋愛慎重派に必要な日常型の婚活とは。