【file 3】 少子化の原因は未婚問題 | 軍師たるもの物申す (世界で唯一の正しい少子化対策指南)

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まじめに少子化問題の解決を提案するブログです。
「少子化問題=未婚問題」
未婚問題は恋愛慎重派(日本人の2/3)の問題です。
その特性に合った婚活環境がなければ、効果は上がりません。
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 少子化の傾向を示す指標として用いられている数字に、「合計特殊出生率」というものがある。これは、一人の女性が生涯に何人の子供を産むかというもので、2.0以上が人口を維持するのに必要な数字となる。
 戦後のベビーブームが終了し、核家族化が顕著となった60年前、合計特殊出生率は既に2.2程度に落ち付いている。その当時は、「誰でも結婚出来る」という時代であり、その当時30歳の女性の生涯未婚率(満50歳時点で一度も結婚の経験が無い)は5%未満であり、数字上はほぼ既婚世帯の子供数と同じと見て良いレベルである。現在も、日本では子供は既婚世帯が作るものという習慣が99%根付いている。未婚出産の増加で少子化問題を解決したと言われるフランスとは根本的に状況が異なる。
 現在(平成26年)の合計特殊出生率は、1.45程度になっており、戦後最悪(平成15年)よりは若干持ち直してはいるものの、依然として低い数字となっている。特に、東京都だけで見ると、その数字は1.15程度と、全国平均より20%も低く、地方からの転入者が多いにも係らず、人口はほとんど増えず、あと数年で東京都も人口減少に転じると予測されている。
 総務省の人口統計データから、夫婦1世帯当りの子供の数を、子供が生まれた年代で比較してみると、少子化が始まる前の昭和40年時点で2.2、平成26年時点で2.0となっており、最悪の平成15年で1.6という数字になる。数字を単純に比較すると、「改善傾向にある」と思われるかも知れないが、この数字に密接に関係する指標として、「晩産化が進行している間は、実際の出生率よりも低い数字になる」という要因が大きく絡んでいる。極端な話、「1年の間に1年晩産化が進むと、その年の出生率は0になる」という事なのだ。何らかの要因で1年の間に3ヶ月晩産化が進むと、出生率は25%減るのである。逆に1年の間に1年晩産化が改善すると、出生率は一気に倍に跳ね上がる。実際そんな事はないと思うが、可能性としてはあり得るのである。出生率が改善しているように見えるのは、単に晩産化の進行が鈍っているだけとも言える。晩産化の進行と出生率の関係を正しく認識している社会学者や行政関係者は、残念ながら聞いたことがない。
 既婚世帯単位で見た出生率は、昭和40年と比べて10%しか減っていない。むしろ、まだ晩産化の進行が年1ヶ月あるとすると、実質的に昭和40年と同じ数字であるとも言えるのである。
 結論としては、

 

『既婚世帯ベースでは、少子化になっていない』

(既婚女性は結構頑張って産んでいる)

 

 1世帯当りの欲しい子供の数は、昭和40年も現在も2.5人と変わっていない。政府の政策では、あらゆる子育て支援策を尽くして、この欲しい子供の数を実現しようという計画であり、成果目標として子供の数が25%増えると、合計特殊出生率が1.7を越えるだろうという数字を掲げている。現実問題、目標管理の手法として、全員が目標を達成しないと出来ない数字であり、理論上は有り得ない。子供が欲しくないのに出来ちゃった数と、欲しいけど出来なかった数が拮抗しないといけない。特に欲しくないのに出来ちゃった子供は、高い確率で貧困世帯となる事を考えれば、そんな事を当てにすること自体が間違っている。それ以前に、目標が1.7では、いずれ日本人は少子化で滅びる運命にあるのである。
 

 

 上のグラフは、10月18日の読売新聞の記事の抜粋である。
 これは、50歳時点での生涯未婚率であり、2015年に50歳の男性の生涯未婚率は25%近くまで上がっている事が読み取れる(私と同世代)。2035年のデータがあるのは、2015年に30歳の未婚率のデータから推測している。同じ30歳でも、20年前と比べてどれだけ悪化しているかを比較すれば、ある程度正確な数字が出せるはずである。
 直近の2015年で見た場合、出生率に関与する世代は30歳が中心になる。その女性の生涯未婚率は、2035年で示される19.2%という数字である。これが単純に15%改善された場合、1.45が1.72となる。残念ながら、これでは今の政府目標レベルにしかならない。この19.2%という数字自体が、かなり控え目な数字ではなかろうかと考える。実際の数字は30%近い可能性がある。仮に改善幅が25%だと、1.97まで上がる。あとはこれに晩産化の進行を止めた分の上乗せが10%程度出来れば、理想の出生率となる。晩産化=晩婚化と考えて良いが、未婚問題を解決した時点で晩婚化にも歯止め・改善が可能なので、そこはセットで考えるべきものである。
 結論としては、

 

『少子化問題は未婚・晩婚問題を解決する以外に解決方法は無い』

 

という事になる。
 上のグラフを見て、なぜ男女の生涯未婚率に開きがあるのか、疑問に思うだろう。1985年のは男女の差は無かった。年齢別の男女の人口差は、せいぜい2%程度である。要因としては2つある。1つは、結婚は傾向として男性が年上であるという事と、少子化により年下の女性の数が少ないという事。もう一つは、男性の方が離婚後に再婚する回数が多く、それもかなり年下の初婚の女性が相手となるケースが多い事である。未婚で悩む男性にはうらめしい現実があるという事だ。
 次回は、日本の結婚の実態と未婚問題について。