「別れが訪れるのは、
物語が破綻しているからだ」
「ルージュ」柳美里 角川文庫
私が紡ぎ出した物語の意味が判るのは、いつだろう。
今だに、最初の十七の時の恋からの意味が、判らない。不可解だ。
あの時に一緒にいた男の顔が、最近、ふいに浮かぶ。その時のあの人は笑っている。そんな風に思いだすのは、郷愁かな。いまがいまだから、輝いていた過去の断片がパズルのピースのように感じられる。
幾つかの物語があって、
相手が居て、今の私が在る。
酸い(すい)も甘いも全部ひっくるめての私だ。
少し小休止して、歩もう。大好きな山登りに行ったり、友人とお出かけしたり、飲んだり、充電しようと。