2024.6.8(土) 18:00~21:00
愛知県芸術劇場・小ホール
気になった人の三人目は
天界を統べる神の玉帝と王妃ラグバの二役をした福満薫さん
ラグバは敵役なのにどういう訳か怖さが無い
それは、おそらくあえて主役のセレネに対して圧を掛けないようにした
自分が目立ち過ぎてはいけないから
セレネを引き立たせる為にやや存在感を減じた演技をした
途中で夫である王の策略によって命を落とす
その場面でも断末魔の声はなかった
あっけなく姿を消されてしまうから
よけいに王の非情さが引き立つことになる
逆に玉帝が歌うところで福満さんの存在感が強く出ている
動的に進んできた物語を鎮めるように、またその動乱で疲れた人間達を癒すように
歌が荒れた大地を均していく
ダイナミックな活劇を歌によって優しく締めくくる
玉帝は暗示する
今日皆さんが観た物語はファンタジーの世界です
とはいえ、神と人間のかかわり方にいくつかの問いかけがあった事を
見出して下さい
ただ優しいだけの歌ではないと思う
そう考えた方がこの物語にかける作者の真意に近づける気がするから