2020.12.31(木) 13:50~14:40
ナンジャーレ
* BAC←SPACE A PRIORI 「ゆるやかな窒息 第一幕」
太いロープが出て来た
舞台の端から端まである長いロープ
真っすぐではなく湾曲した状態で置かれている
此処にいる二人の女はよく似ている
初めは双子なのかと思ったが、よく似た他人
そこに居るのは自分ともう一人の自分 だから、よく似ている役者さんを用意した
ある時はロープで相手を縛る 決して強くではなく、解けない程度
その行為に何の意味があるのか
ほったらかしにすると暴走するかもしれないと行動に制限を加えたもの
もう一人の自分は冷静な心の状態で自分を見つめている
しかし、冷静であったもう一人の自分が軌道を外れそうになると、今度は自分が戒める
不安定な二人の行動を見ていても我々は割と淡白でいられる
少しも動揺しないんですね
という事は落ち着かない人間を観察している第三者は冷淡に近い感情を持つようです
あなた達の行動にかなり大きな変化がないと我々は面白くないんです
この不思議な空間を貴方たちと共有しているのも悪くないなと思っている
* 叶和泉企画公演 「舞踏 斬 降板」
黒い和服のようなものを着た人が登場する
初めは女の人かと思ったが男だった
薄暗い舞台で舞う その服に書かれていたのは
「降板する奴に役者を名乗る資格はない」
この言葉の事だったのか
この演目が始まる前に「次の演目の中に不適切な表現があるかもしれません」
というアナウンスがあった
お客さんの中に演劇をする人やその友人がいたら、
「面白くない」とか、「失礼だ」とか機嫌を悪くする言葉なのか
芝居が好きで見に来る人間にとってはそんな考え方もありだなと思う
どんな事情があって降板するはめになったか分からないので、降板した役者さんに対して
何の感情も無い
これまでいくつかの芝居を観て来た訳だが、公演日近くになって
役者の○○は降板しましたので、その代役を△△が務めます
そんなお知らせが届いた事が何度かある
暫く舞ってから正座してお辞儀をした処で暗転となった
まだ、続きがあると思っていた我々はお疲れ様の拍手をしなかった
何らかの「どんでん返し」があるのではと少し期待もしたが、
そこで照明が点いた この演目の終わりを知った我々はいささか呆気にとられた
舞踊ではなくて、舞踏 男は怒って舞っていたんだろうな