ドン・ジュアン | とりあえずタカラヅカを絡める

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今回の公演ほど『友会ありがとう!!』と西の空へ向かって拝みたくなった公演もないかも。
軽く2年位は当たってなかった(と思う)ところに久々当たったドン・ジュアン!

いや~凄かった。基本的に「ヅカのオリジナル>海外ミュージカル」なののらりすも「でもやっぱり座付演出家のオリジナルの方が~」とは言えないわ。

太陽王の印象がイマイチだったので「フレンチミュージカルは別に観なくてもいいかな、雪組や宙組でもないし」と思って1789を観に行かなかったことを、ドン・ジュアン観てちょっぴり後悔してるとこ。
誤解なきよう言っときますが演者、特に風ちゃん、わんこちゃん、あーちゃんなどの娘役はよかったと思ってます。
あれはそもそもの作品チョイスと演出が好みじゃなかったんだな…今にして思えば。

という余談はさておき、ドン・ジュアン凄かった。
出演者のエネルギーを受けて客席のエネルギー消費も凄まじく、1幕終了後の幕間は会場が力使い果たしてみんなぐったりしてた感じ…歌ったり踊ったりしてるのは舞台上のジェンヌさんたちで、観客は座ってるだけなのに。

タカニュで原作者?の方が演出を絶賛してて、ののらりすは専門家じゃないからよくはわからないけど、実際に舞台観ると、この作品が良いのは演出や装置や照明が良いからだろうな~と思える(ジェンヌさんがスンバラシイのは言わずもがな)。
真ん中の盆みたいなのも、その周りの移動壁も効果的。

さて出演者。
だいもん。分かっちゃいたけど。予想はしてたけど。凄すぎます。圧倒的です。
最初の下衆っぷりがね…控え目に言って「さいっこうですね」(←ちゃぴブレイクのちゃぴちゃん風に)
確かタカニュで映ってた騎士団長殺害、薄ら笑いしてるのが(宝塚的に)新しくないですか?
人を殺してしまった衝撃に慄くでもなく、だからと言って「俺が正しい」という正当化もなく。
ヅカの主人公がここまで止むに止まれぬ感無く殺人に手を染めてるのって…
エル・アルコンのティリアンもダークヒーローだけど「俺は俺の道を行く!」という信念があって邪魔する奴は消すとか、自分の計略のために嵌めるとか、何かしら「理由」があったと思われるわけだけど、こいつ(←もうこいつ呼ばわり)(褒めてます)には何の信念も無い。あのシーン自体の物理的意味は、殺らなければこっちが殺られてた(捕らえられてた)ってのもあっただろうけど、でもきっと殺した時の感情としてはそんなの関係なかったと思う。
だからと言って殺人が楽しい、快楽殺人ってのとも違う。目の前の奴が死ぬのを見るのが楽しいとすら思ってない、とにかくこいつの中に何の意味もない、とにかく無なの無。
うわぁこいつ、人間じゃねえケダモノだ…というかケダモノにすら失礼じゃないかとすら思えてくる(全力で褒めてます)

でもののらりす的には意外にも2幕目の愛に目覚めたドン・ジュアンに胸を鷲掴みにされて客席で悶えておりました。
実際にあんな風に付き纏われたらウザいし怖いけどな(←心配しなくてもあんな色男がののらりすに付きまとうことはないし)(むしろこっちから謝礼払ってお願いしても付き纏ってくれない)
これもタカニュの初日映像で映ってたベッドで眠ってるシーンね、あの寝顔と手!マリア(彩ちゃん)が添えている手!
いや~疼くわ(何が?)

続く。きっと。こんなんじゃ終われない。