徐々に明るい展開へ。
それでもって本誌ネタバレの嵐。
(少し古いとこですが…。)
お嫌な方はここで終了です。
ネタバレ多いのでは？というご意見
多数の場合は限定にいたします。
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
「蓮、お帰り。」
駐車場には社とボディガードらしき
男性が２名控えていた。
「お久しぶりです。社さん。」
蓮は微笑みながら挨拶した。
怨キョが発動し、キョーコは身震い
した。
(…社さんのことも怒ってる？)
「急な帰国で驚いたよ。理由はだい
たい分かるけどな。」
社はちらっとキョーコを見た。
「思いがけず、最上さんが迎えに来て
くれたので連れてきました。」
「勿論だよ。最初からそのつもりだ
し。」
「「？？」」
社の言葉が蓮とキョーコには引っ
掛かった。
「二人にはこれから京都に行って
もらう。時間短縮になっていいだろ
う？蓮。飛ばすから二人もシート
ベルトつけてくれよ。」
社が話を終えると、ボディガードが
車に乗り込んだ。
社は車に乗らず、にこやかに笑って
いた。
「社さん、どういうことですか？」
蓮が訊ねると社はにやりと笑った。
「神様が『社倖一、お前は乗るな』
と言っているんだ。
「泥中の蓮」を辞退したことを恨ん
でいる奴がいるとな。」
「社さん///////」
「いい部屋を取ってあるからせいぜい
楽しんでくれ。５日後に会見するから
な。二人のCMスポンサーには根回し
た。感触は概ね良好だ。」
「はい。」
「あの、私は明日から京都で…家に
荷物が…。」
困惑するキョーコに社はさらりと
言った。
「車に積んであるよ。それで足りな
かったら蓮に買ってもらってね。」
「えっ？！あの…でも着替えも///
こんな格好いやですううっ！！」
無情に車は走り出し、高速に
のって京都へと向かった。
「着きました。私達はここで失礼い
たします。」
ボディガードは挨拶して立ち去っ
た。
「さあ、行こうか。」
蓮にエスコートされてキョーコは
ホテルに入った。
最近、開業した5つ星ホテルだ。
蓮がキーを取りに行った。
「あの、私の部屋のキーは？」
「俺達、一緒の部屋だけど？」
「ほえ？」
(カインとセツカみたいに？今度は
どんな役柄ですか？聞いてないで
すけどっ。)
「あんまり、嬉しくない話だけど、
森住監督と古賀くんが夜に到着する
そうだ。夕食を一緒したいとフロント
に連絡があった。」
「そうですか。」
嬉しそうにしているキョーコに
蓮はムッとして彼女の腰を抱いて
エレベータに乗り込んだ。
「古賀くんが来てくれて嬉しい？」
蓮は耳元で囁く。
「別にそういう訳では。」
怨キョが二人の間をグルグルと
回った。
「敦賀さん、スイートルームです////
すごく広いです！見晴らしもいいです。
フルーツも置いてありますよ。」
浮かれるキョーコを蓮は後から抱き
締めた。
「敦賀さん/////」
「やっと二人きりになれたね。」
蓮はキョーコの首筋にキスした。
「ひゃあ、敦賀さん！何を/////」
「男と女がする事って決まっている
だろ？」
蓮の言葉にキョーコは目を丸く
した。
「からかうの止めてください////」
「からかっていない。最上さん、胸
大きくなったね。古賀くんに触らせ
た？」
蓮の大きな手がキョーコの胸を
包んだ。
「敦賀さん///破廉恥ですっ！やっ、
あんんっ。」
頂に触れられてキョーコは思わず
声をあげた。
「可愛い声…キョーコ。逢いたくて
たまらなかった。」
蓮は長く深いキスをキョーコと
交わした。
キョーコはある疑問が頭をもたげた。
(…まさか////でも…そんなこと)
「敦賀さん、なぜアメリカから
一時帰国されたんですか？帰国は
半年以上先の予定なのに？」
「判ってるはずだよ。俺はキョーコに
逢いたかった。何ヵ月も俺のメールに
も電話にも出てくれない冷たい君に。
誰か好きな奴が出来たんじゃないか
と。」
「それは敦賀さんの方です！モー子さ
んと付き合ってるじゃないですか！」
「あれは番宣だよ！俺はともかく
琴南さんを疑うの？琴南さんは君の
言葉を信じて遊びに来てくれるのを
待ってたのに？」
「誰のことも疑います！敦賀さんは
美人で大人の女性は相手するんです。
私みたいにお子様でキスで舞い上がっ
ちゃう娘には…」
キョーコは言葉を続けることが
できなかった。
キスで塞がれたから。
「愛してるよ、キョーコ。」
蓮はキョーコを抱き抱えて寝室に
向かった。
レストランで合流した森住と
古賀は思わずキョーコから視線を
外し、顔を赤らめた。
((…さっきまでシてましたという
顔してるよ…京子ちゃん。目は潤んで
色っぽいし、唇は艶やかで吸い込まれ
そうだ。))
そんな二人の様子を蓮は満足そうに
見つめた。
しかし、その後の二人の言葉は予想
しないもので…。
「よかったね、京子ちゃん。敦賀くん
帰ってきてくれて。」
森住の言葉に古賀も続ける。
「やっぱり、ゴシップだっただろ？
敦賀くんが琴南さんとだなんて俺は
信じられなかった。」
(…まるでキョーコが俺のことを好きな
ことを知ってたようなセリフだ。)
「お二人はキョーコの気持ちをいつ
知ったんですか？」
蓮はさりげなく訊いた。
「きゃあ////言わないでください。」
キョーコは真っ赤な顔で二人に
頼んだ。
「「泥中の蓮」のオーディションの
時からだよ。君の名前を言っただけで
真っ赤になるんだ。面白いからいじめて
あげたよ。」
古賀が面白そうに話した。
「へえ…そうなの？初耳だ。」
蓮は微笑みながら、ちらりとキョーコ
の顔を見た。
キョーコは茹で蛸のように真っ赤に
なっていた。
「オーディションの時も仁子が敦賀くん
からピンキーリングを貰ったと訊いたら
動揺して会場で棒立ちになったんだっ
け？そうそう、京子ちゃんが敦賀くんは
仁子を好きと勘違いして二階から突き落
とされそうになっても言わなかったん
だ。俺、お陰で助かったよ。ははは。」
カラカラと笑う森住にキョーコは
肩を落とした。
怨キョが大量に発動した。
「へえ、その話、彼女からも社さんから
も事務所からも聞いてないなあ。」
「え？！」
森住は驚く。そして似非紳士スマイル
を無駄なくらい浮かべる蓮に凍りつく
一同。
(…社さんと森住仁子にはお返ししないと
ね。キョーコはお仕置きとして朝まで
離さないよ。)
「京子ちゃん。折角、敦賀くん来ている
から明日はオフにしてあげよう。明後日
から顔だしてね。」
森住は慌てて、フォローするように
提案した。
古賀は森住の余計な気遣いのせいで、
大変な夜を迎えることになるとキョー
コに同情したのだった。
(…明後日、出てこれるのかな。ま、出て
きたらまた苛めちゃうけど。)
End
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