マイノリティ(ジジ・グライス) | 今日の一曲

今日の一曲

これまでに出会った心に残る曲を一日一曲選びます。貴方の思い出などありましたら教えてください。

Minority - Gigi Gryce

Alto Saxophone – Gigi Gryce
Trumpet – Richard Williams
Piano – Richard Wyands
Bass – Julian Euell
Drums – Granville "Mickey" Roker

Recorded : Van Gelder Studio, Englewood Cliffs, New Jersey, May 3, 1960
Album : The Hap'nin's

ジジ・グライスの名前は’53年のライオネル・ハンプトン楽団のヨーロッパ・ツアーの際に、クリフォード・ブラウンやクインシー・ジョーンズ、アート・ファーマーやフランスのミュージッシャン達と吹き込んだアルバムで知りましたが、その後の活動については殆ど知らず、ドナルド・バードとのJazz Lab Quintetのアルバムはこのブログを始めてから知りました。
グライスは作・編曲の面ではかなり革新的な取り組みをしたようですが、演奏についてはチャーリー・パーカーの影響を普通に受けたハード・バッパーで端正なソロを取るという印象でした。
この曲が入ったアルバムは彼の演奏活動の最晩年のものです。’63年に彼の出版事業の経営悪化や音楽業界とのトラブル、家庭の問題など何が直接的な原因かは分かりませんが、’37才と言う若さで突然音楽活動を辞めてしまいます。
その後はブロンクスの小学校で教育上恵まれない子供たちのために献身的に働き、それを称えるため彼の死後、その小学校は彼の名前を冠したそうです。
ジジ・グライスはこの曲の他"Nica's Tempo"などジャズのスタンダードになった名曲を作曲しています。
この曲、ミッキー・ローカーの他は僕が知らない人たちですが、特にトランペットのリチャ-ド・ウィリアムスが良いです。

全体に切れの良い溌溂としたハード・バップを聞かせる、名演だと思います。

 

 

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