アーリー・オータム (ウディ・ハーマン楽団 セカンド・ハード) | 今日の一曲

今日の一曲

これまでに出会った心に残る曲を一日一曲選びます。貴方の思い出などありましたら教えてください。

 

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Early Autumn
作曲者のラルフ・バーンンズが47年にセカンド・ハードが吹込んだ「サマー・シークエンス第4部」のスタン・ゲッツのソロに心を動かされ、ゲッツをフィーチャーした編曲に書き換えて「アーリー・オータム」が出来たと聞きました。
この曲によって、40年代初頭から沸騰したビーバップ旋風にそろそろ食傷気味になった白人ジャズメンを中心にクール・ジャズの幕が開いたというのが一般的な解釈のようです。
しかし、スイング・ジャズからいきなりギンギラのハード・バップの波に飲み込まれた当時のジャズ好き少年達は、ビーバップ→クール・ジャズ(ウエスト・コースト・ジャズ)→ハード・バップ(イースト・コースト・ジャズ)というような時系列的な聴き方はしていないと思います。
そんな訳で僕もこの曲を初めて聴いたのが中学だったのか、高校だったのか、大学だったのか定かではありません。長年録り溜めた手持ちのエアー・チェック・テープにもウディ・ハーマン以外のエラ・フィッツ・ジェラルド、ジョー・スタッフォード、アニタ・オディ他沢山のミュージッシャンの「アーリー・オータム」が何曲も入っています。
普通どんな曲でも歌手やバンドによってテンポやリズム、アレンジに違いがあるものですが、アーリー・オータムに関しては、殆どこのテンポ、アレンジ、を採用しています。このことは、この「アーリー・オータム」が、唯一、最善のバージョンということを皆が暗黙の内に認めているということなんでしょうね。
僕もこの曲をこれ以外のアレンジやテンポで聴きたいとは絶対思いません。
今はEarly Summerですが、夏の喧騒が一段落する9月終わりごろ、少し空気の透明度が増す日暮れ時にこの曲を聴いてください。背筋がゾクッとするほどしびれますよ。