【ある夜、1台のトラックが警察に止められる。運転席には負傷した女装男性がおり、荷台には十数匹の犬が乗せられていた。「ドッグマン」と呼ばれるその男は、自らの半生について語り始める。犬小屋に入れられ、暴力を浴びて育った少年時代。犬たちの存在に救われながら成長していく中で恋を経験し、世間になじもうとするも、人に裏切られて深く傷ついていく。犬たちの愛に何度も助けられてきた彼は、生きていくために犬たちとともに犯罪に手を染めるが、「死刑執行人」と呼ばれるギャングに目をつけられてしまう。 「レオン」のリュック・ベッソンが実際の事件に着想を得て監督・脚本を手がけたバイオレンスアクション。(映画.comより)】
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2023年公開。
久しぶりにリュック・ベッソンの作品を観ました。傑作の「レオン」以降は個人的にイマイチな作品が続いてたんですが、今作は結構よかったですね。
上記のあらすじや予告編を見た印象ではアクション映画なのかと思ったんですが、割と地味な作品でした。
警察の取り調べで女性の精神科医に語る形で主人公ダグラスの半生が描かれていきます。
DVの父親とその父親の腰巾着の兄から虐待を受けてるダグラスはある出来事をきっかけに多くの犬がいる檻に監禁されます。
同じく虐待を受けていた母親は嫌気がさしてダグラスを置いて出ていきます。かなり長い期間檻の中で過ごすことになるんですが、犬だけが彼に寄り添ってくれます。
やがて檻から出られるんですが、その際に父親の散弾銃を浴びて下半身不随になってしまいます。
絶望的な状況にありながら希望を失わず大人になったダグラスなんですが、経済的な事情で犯罪に手を染めていくようになります。
犯罪者ではあるんですが行き場のない犬たちを自分の家族として面倒をみたり、シェイクスピアを全て暗記しているというインテリな部分があったり、ドラッグクィーンとして週一回舞台に立ち観客を魅了したりと非常に魅力あるキャラになってます。
体が不自由なために犬たちがダグラスの生活を色々とアシストするんですが、結構ほっこりするシーンが随所にあります。クライマックスのギャングとの戦いも犬たちとの連携プレーを十二分に生かした小気味よいアクションで見応えありました。
ちょっと切ないラストシーンはとても洒落た映像ですごく印象的でした。
ダグラスを演じるケイレブ・ランドリー・ジョーンズの演技も素晴らしかったし、犬たちの演技もよかったですね。
おすすめの一本です。