【本格ミステリ大賞受賞の鬼才が仕掛ける、空前絶後の推理迷宮。精神科医の象山は家族を愛している。だが彼は知っていた。どんなに幸せな家族も、たった一つの小さな亀裂から崩壊してしまうことを――。やがて謎の薬を手に入れたことで、彼は人知を超えた殺人事件に巻き込まれていく。謎もトリックも展開もすべてネタバレ禁止!前代未聞のストーリー、尋常ならざる伏線の数々。多重解決ミステリの極限!(アマゾン商品紹介より)】
2023年の作品です。
2024年「本格ミステリ・ベスト10」第1位で、それ以外の様々なミステリー関係のベスト10でも上位に入ってます。
序盤で歩いてる女の子が突然爆発するというシーンがあって一気に引き込まれます。
白井作品といえば特殊な設定の世界観の中で繰り広げられるミステリーが特徴なんですが、今作もかなり凝った設定なってます。
作中にシスマという薬が出きて、この薬を打つと2分の1の確率で時間が逆行することができます。これによって複数の世界線が発生して4人の主人公が登場するという状況になります。
殺人のトリックもかなり独特で白井さんにしか書けない唯一無二の作品だと思います。
ただ、これは僕の理解力、記憶力のなさによるものなんですが、話が複雑でこの作品世界特有のルールがあったり、伏線もかなり多くて最後の謎解き部分で「あれはああでこれはこうで」といわれてもイマイチピンとこなくてカタルシスはちょっと感じなかったです。
結構エグいシーンが多くのと話が複雑というのもあって万人向けではないんですが、アマゾンのレビューではかなりの高評価なので、一風変わったミステリーに挑戦したい方は読んでみてください。