書籍 『イン・ザ・ダスト (ハヤカワ文庫) 』長沢樹 | 福玉本舗〜ノンジロウのブログ〜

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 【警視庁分析捜査係の渡瀬敦子は男性の轢死事件を追っていた。男は生きたまま線路に横たえられて轢かれたという。一方、東都放送報道局で働く土方玲衣は過去の地下鉄駅爆破テロ映像を入手するが、不自然な改竄の跡を発見。さらに番組編集中に見つけた動画が敦子の扱う列車殺人と奇妙な繋がりをみせ……塵のように積もるいくつもの事件から二人が辿り着いた恐るべき真相とは? 迫真の報道×警察小説『ダークナンバー』続篇。(「BOOK」データベースより)】

 同級生であった警視庁分析捜査係の渡瀬敦子と東都放送の報道番組の企画統括デスクの土方玲衣の視点で交互に描かれていくパターンは前作同様です。
 前作を読んだときは東都放送の土方玲衣のグイグイいく感じがちょっと好きになれなかったんですが、今回は純粋にキャラとして受け入れられて、特に嫌な感じはなかったです。

 男が生きたまま線路に縛りつけられて轢殺された事件を皮切りに殺人事件が続発するんですが、過去の地下鉄駅爆破テロ事件が絡んできたり、犯人サイドの犯行理由もちょっと捻っていて話そのものはおもしろいと思うんです。

 ただ、あまりにもプロットが複雑すぎて、それを作者がうまく交通整理できてない感じで、何度もページを遡って確認しながら読んでたんですが、最後の3分の1くらいであきらめ、「この人物は何やったかな?」と思いながら読み進めました。

 前作の時もそうなんですが、この作者は発想はおもしろいんですが、書き方が上手くないのか、わかりにくいんですね。盛り込みすぎなのか。かなり分厚い作品で過去と現在を行き来する作品とか結構読んでるんですが、ここまでややこしく感じることはまずないですね。
 ちょっと残念でしたね。