【世界各地で頻発する人体発火現象。判明した被害者の身元にはある衝撃の共通点があった。ペンタゴンは事態を憂慮し、密かに動きはじめる。一方、一連の事件に過剰に反応したイギリス王室のシンシア妃の精神状態の安定をはかるため、臨床心理士の嵯峨敏也はバッキンガム宮殿に向かった。世界統治を目論むメフィストによる、人類の歴史を根底から覆す戦慄のプロジェクトに岬美由紀が立ち向かう、クラシックシリーズ第7弾。(「BOOK」データベースより)】
今シリーズは結構荒唐無稽な話が多いんですが、特に今回は振り切ってましたね。全世界が壊滅の危機に陥る壮大なスケールの話でした。
世界各地で頻発する謎の人体発火事件。イギリス王室のシンシア妃を乗せミニクーパーでロンドンの市街地を暴走する臨床心理士の嵯峨敏也。中型旅客機からパラシュートで降下して宮殿の庭に舞い降りてくる岬美由紀のド派手な登場などなど序盤から見どころが満載です。
五十八基の衛星に赤外線熱探知機とレーザー兵器を搭載し、アメリカに向けて発射された核ミサイルを捕捉して自動的に狙い撃つというディフェンダー・システム。このディフェンダー・システムを管理するのがワシントンにある国防総省関連の建物の地下に極秘に建造されてる超巨大コンピュータ。
それは脳や神経細胞など生物の情報処理機構を真似たバイオ素子によって、記憶、学習、パターン認識などの処置機能を飛躍的に高めた世界最大かつ最新鋭のコンピュータ。このコンピュータがシリーズを通しての敵であるメフィスト・コンサルティングによって乗っ取られ、謎の人体発火事件が頻発していたわけです。
やがてメフィストの攻撃は日本中の自衛隊の基地に向けられ、さらに世界中の軍事施設が犠牲になります。
世界はメフィストの支配下に置かれるのか・・・。
シリーズに何度も登場してる岬の宿敵でもあるダビデがメフィスト・コンサルティングをリストラされ岬と行動を共にします。このダビデが今回は結構コメディリリーフ的な存在になって、緊迫した話の中でいい息抜きになってます。
今作はかなりSF要素のはいったストーリーでその分荒唐無稽感も強かったですが、これはこれでおもしろかったです。