書籍 『高校事変 X(角川文庫)』松岡圭祐 | 福玉本舗〜ノンジロウのブログ〜

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 【『探偵の探偵』の市村凜は、結衣の異母妹である凜香の実母だった。意識不明の重体に陥っているはずの凜だったが、驚愕の真相が明らかになる。時を同じくして慧修学院高校三年の生徒たちが、国際文化交流のためホンジュラスを訪問。その最中、メキシコの武装勢力ゼッディウムに襲撃される。背後には、優莉架祷斗――父・匡太の後継たる最強最悪の長男の姿があった! いよいよ佳境、クライマックスの第10巻記念作!(BOOKデータベースより)】

 「高校事変シリーズ」第10弾です。

 富裕層の多いシンガポール、インド、ベトナム、イスラエル、中国から資金を募り、世界中のテロ組織を支援する国際裏金組織・シビック。その創始者が優莉匡太の長男、架禱斗(かいと)。世界中のテロ組織を操る優莉ファミリー最強、最悪の男がついにベールを脱ぎます。

 ホンジュラスへ国際交流の一環として訪問していた東京の名門校・慧修学院高校の生徒、教職員がシビック配下の武装集団に捉えられます。
 日本政府は人質救出のために陸上自衛隊・特殊作戦群を秘密裏に派遣するんですが、そこに架禱斗を良く知る結衣を関わったすべての事件の罪を不問にする条件と引き換えに同行させます。

 架禱斗は前首相・矢幡との間で交わした「国家の安全保証に関する裏取引」の存在を仄めかし、日本政府に対し、未払いとなっている代金・3000億円を催促します。支払いは不可能とする元総理に対し、代替え案として架禱斗は「緊急事態庁」の設置を要求します。
 「緊急事態庁」とは非常時に内閣総理大臣の権限や、国民の基本的人権にも優先する超法規的機関。しかも主要ポストはシビックが任命するという条件。

 ホンジュラス入りした結衣たちなんですが、早々に特殊作戦群が壊滅させられ、結衣も殺される寸前までいくんですが傭兵の磨嶋と弥藤に助けられます。そして3人で慧修学院高校の生徒を救出しようとします。
 これまで半グレや暴力団相手に壮絶な死闘を繰り広げてきた結衣ですが、本物の戦場で本物の兵士を相手には全然通用せず大苦戦するのがシビアでしたね。
 いよいよ今作から架禱斗との戦いが始まるんですが、今作では全く歯が立たないまま終わります。残り2作でどういう展開になるのかすごく楽しみです。