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【おまえが死ぬのを見たい―男はそう言ってアレックスを監禁した。檻に幽閉され、衰弱した彼女は、死を目前に脱出を図るが…しかし、ここまでは序章にすぎない。孤独な女アレックスの壮絶なる秘密が明かされるや、物語は大逆転を繰り返し、最後に待ち受ける慟哭と驚愕へと突進するのだ。イギリス推理作家協会賞受賞作。(「BOOK」データベースより)】
海外で高く評価されてる今作ですが日本でも「週刊文春2014年ミステリーベスト10」 「ミステリが読みたい! 」「IN POCKET文庫翻訳ミステリー」「本屋大賞」など全部で7冠に輝いてます。
結構話題になってたんで気になってたんですがようやく読めました。
三部構成になってるんですが第一部の終盤でそれまでの印象がガラッと変わる展開になります。さらに第二部、第三部でも読者の想像を上回る展開を見せいい意味で振り回されっぱなしでした。
序盤木製の檻に監禁されたアレックスが脱出できるのかどうかのシーンから緊張感が半端なくてグイグイ引き込まれました。それ以降の部分に関してはネタバレになるといけないんでふれませんがかなり面白かったです。
あと登場人物も魅力的なんですが特にパリ警視庁の面々の個性が際立ってます。主人公的存在の警部カミーユは身長が145センチの小男ながら誰にも臆しない凄みがあります。ただ奥さんが死んだ悲しみから完全に立ち直れてなく今回に事件に再起をかけます。
その部下のルイはハンサムなうえに大金持ちで全身をブランドのファッションで固めてて誰もが(特に女性)捜査に協力的になるという人当たりのよさを持ってます。そのルイと対照的なのがアルマンでとにかく超ドケチでいつもみすぼらしい格好をしてます。ただ類いまれなる分析能力を有し事件の核心に迫っていきます。
文庫本ではめずらしく1ページ19行もあって文字がつまってる印象なんですが文章が洒落てて読みやすかったです。
ちなみにこの作品はシリーズものの第2作めでこれから読んでもいいんですができれば1作目の『悲しみのイレーヌ』から読んだ方がより楽しめるようです。