農業全書 027 蓄積 2 倹約 | noninomのブログ

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農業全書 27

 

蓄積 2(後半)

付 儉約 (倹約)

第九

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「サチユタカ」と言う品種の大豆です。3kg

「のうけんオンラインショップ」で頼むとネットに入って来ましたにっこり

 

 

こんにちは!

田舎暮らしを断念した過去があるものの、

また半自給自足生活を目指して

自然栽培的農業や

DIY(軽トラキャンピングカーや家作り)などの

學びを続け奮闘しているニモです!

よろしくお願いしますにっこり

 

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今回は蓄積(備蓄)の2  後半です
本文

 

 
又古はよく儉(倹)約を行はれて、妄り(ミダリ)に奢り費やす事なければ、天下の大都は云ふに及ばず、もろもろの國都に至るまで、其蓄へゆたかにして、各倉廩(クラト、倉庫)みち善政行はれて、下の災を救ひ、窮民をめぐむにたれり。
又郡々大小の里々までも、急救の料として倉を建て、米穀をたくはへをき、失火又疫疾等のはやり病、此外都て(スベテ)民の災を救ふそなへとなりしこと、 是皆本朝いにしへの政事にて、其事委しく(クワシク)古き文に見えたり。
夫(ソレ)天下の君としては、天に代りて萬民を惠み、民の父母たる職分を昔時の賢君は皆よくしらせ給へるゆへかくのごとくなるべし。
然るに末の代に至りては、いやしき庶人に至るまで、其身持行ひ甚だ古の風俗にかはりて華美を好み、奢をしらず、是れ時節のならはしにや。
かねてより凶年を恐れ、不慮の變(変)にそなふべき遠きおもんばかりは少しもなく、若し一年も豐(豊)年なれば、其心俄に滿(満)足して後の難儀を忘れ、妄りに(ミダリニ)侈をなし(シヲナシ、贅沢する事)米穀を費し用ゆることのみを快しとして、纔(ワズカ)に作り出せる所の物をさながら土砂のごとくつかひ捨て、残る物なくし果てて、さて凶年にあひぬれば、家財を盡し(尽くし)、 田畠を質物(シチモツ)に入れ、富商のために多くの利息を加へて合せとられ、忽(タチマチ)に貧窮の民となり、其咎を歳と土地とにおほせてうれへを懐くのみなり。
是徒に歳の咎にあらず。
たとへば三年の内一年は豐年、一年は凶年、今一年は其中分の年なり。
然れば豊年の餘計を蓄へをき凶年のたらざるをおぎなはば、常に甚しき不足なかるべし。
されば富は五福の一つなり。
又書の洪範の八政には、一日食、二日貨とみえたり。
實にも儉約を守り、財をよきほどにつかひ用ゆるは、上下を隔てず人間の世にては第一の勤にして、上なき肝要の法なり。是を財用を節にすと云ふ。
是則ち大には天下國家を治め、萬民を撫でやすんじ、一世悉く(コトゴトク)安樂ならしむる根源、小には又家々人々貧窮のくるしみをのがれ、人皆衣食たり家居を安くし、一夫一婦の貧賤甚しきものに至るまで、なべて飢寒のうれへなくして孝悌忠信(コウテイチュウシン、※1)も是より行はるべきめでたき道なれば、人々愼んで、よく儉約を守りて無益の奢り費へを禁じ、年々有餘をたくはへ、はからざる災難ありても困窮難儀もなく、長く富み、安樂なるべきはかりごとを致すべし。
是則ち和漢の聖王明君の世を治め民をめぐみ給へる政法なり。
又ここに一種の人あり。
吝嗇(ケチ)の心其痼疾となり、唯金銀米錢を妄りに貪り納むることをのみ好み、是を積貯へて更に用ゆることなく、君親の難儀といへども見つぎ助ることもなし。
まして親類朋友の困窮を勞りめぐむ心もなく、仁愛慈悲の心絶えはて、一向慾心ふかくして義理の心なき
類あり。
かかる人は凡下はいふまでもなし。
たとひ高位大祿の富貴を極めたる人といふとも、唯是金銀を守る畜類のごとく人とはいひがたし。
古人是を錢を守るやつこといへり。
倹約と吝嗇との差別を我身によくわきまへて用捨し、又人の上を辨(弁、ワキマエテ)へて懇に是非すべき事なり。
且奢(ショウ、贅沢や浪費)と吝(リン、ケチな事)とは是天の咎人なりと云ふ事をよく知るべし。
 

 

意訳

 

 
また昔は無駄に贅沢や豪勢な振る舞いはせず倹約していた。
国家や大都市はもちろん地方都市もそれぞれ備蓄をし、穀物倉庫は満ち善政が行われて、
国民を災いから救い施した。
また大小の里までもいざという時のために倉を建て米穀物を蓄えて、思わぬ火事や疫病その他全ての民の災いから救う備えになることはとても大切な政治だと古い文献にも詳しく書かれている。
古代の賢明な君主たちは民の父母としての職分をよく理解し、全ての民に恩恵を与え慈しみ、立派に治めていた。
しかし時代が下るにつれて、卑しい庶民に至るまで、その身の振る舞いや行いが大いに昔の風俗から変わり、華美を好み、贅沢をするようになった。
これは時代の風潮なのでしょうか。
普段から凶作の年を恐れて予期せぬ事態に備える遠い先の考えは全くなく、もし一年でも豊作の年があればその心はとたんに緩み、将来の困難を忘れて、無闇に贅沢をして米や穀物を浪費することばかりを快く思い、わずかに作り出した物をまるで土砂のように使い捨てて残る物を全て使い果たし、そして凶作の年に直面すれば、家財を失い、田畑を質物(担保)に入れて、富商に多くの利息をつけて取られ、瞬く間に貧困に陥り、その原因を年の不作や土地のせいにして嘆くばかりになる。
これは単に時の運のせいではない。
3年の内であれば1年は豊作、1年は凶作、1年は普通の年がある。
豊作の年の余剰分を貯めておき凶年の不足分を補えば大きな問題にはならない。
富は五福(※)の一つなり。

※五福とは

1寿: 長寿や健康を意味します。

2禄: 富や豊かさを表します。

3康寧: 平和や安寧を意味します。

4攸楽: 心地よい環境や楽しみを持つことを指します。

5崇徳: 高潔さや道徳的な価値を持つことを示します。

 

「又書の洪範の八政には、一日食、二日貨とみえたり。」
古代中国の政治、思想書の中の一節にはまず初めに食事を大切にし、その後で経済や財政を考える。
といった記述があり、政治や経済を考える上で基本的な生活の安定と食糧確保が最も重要との考えが重視された。
質素倹約を守り、適切に資産を使い、必要な時に使うことは、上下の隔てなくすべての人にとって最も重要であり第一に実践すべき法則である。
これを「財用を節にす」と言う。
すなわち
大きくは天下の国家を治め、万民を慰め安らげることは、全体の幸福や安定の根源で、
小さくも貧しい人々の苦しみを軽減し、全ての人々が食料や住居を手に入れることができ、孝行や親孝行、忠誠心や信義心が育まれる社会があり、それが素晴らしい道である。
人々は慎重に行動し、賢明に倹約し、無駄な贅沢をしないようにし、年々余裕を持ち、思わぬ災難や困難があっても苦しみや困窮を免れ、長期的に豊かで幸福な生活を実現するためによく考え努力すべきだ。
和漢の聖王や明君が統治する国家は民衆に幸福と繁栄をもたらす政治や法律がある。
欲張りでケチな心を持ち、財貨をただ貯め込んで使わないだけでなく、他人が困難に直面しても手助けをしない人物もいる。
親戚や友人が困っている時に助ける気持ちや思いやりがなく、
仁愛や慈悲の心が完全に失われて義理や道徳心がなく、責任感や人間関係に基づく思いやりが欠如している人も。
このような人物は「普通以下の人生」と言うまでもない。
たとえ高位で大きな富や名誉を得た人であっても、金銀を守る動物のようで人とは言い難い。
「銭を守るやっこ」と古代から嘲笑されてきた。
質素倹約とただのケチの違いをよく理解し、適切に使い分けること。
人の行動や性格を判断し、上手に見極めること。
過度な贅沢もケチもどちらも天の罪だと言うことを理解すべし。
 
 
(※1) 孝悌忠信(コウテイチュウシン) 儒教の四大美徳

孝(こう)

親を敬い、尊重し、両親に対する忠誠心を示す美徳。

悌(てい)

兄弟姉妹や友人との絆を大切にし、仲間を助け合う心を示す美徳。

忠(ちゅう)

主君や国家、上司に対する忠誠心や忠義を表す美徳。

信(しん)

言行一致、約束を守る、信頼できるという美徳。

 

 


感想

 

前回に続き

 

反省しか

ありません!!!

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