《サイドカー》から《ポップ・ステーション》までの12枚の中で、今回が一番全体的に「ポップ」な気がします。それぞれの楽曲のベクトルが究極に研ぎ澄まされているというか。
22年ずっと仲間で今さら言うのもなんですが「ノーナは今、最もバンドっぽい」んです(笑)。僕が今年初めてソロ・アルバムをリリースしたということで、「NONA REEVES」の価値が三人にとってまた新たに見えてきたのではないでしょうか。
ただ、それぞれ別の仕事やプロジェクトを同時進行で回転させながら、という状態も極限まで達して、これまでで一番スケジュールはきつかったですね。
奥田や小松が僕の歌やコーラス録音に立ち会わないことは今までも割とあったのですが、僕がレコーディングを抜けて「WOWOWぷらすと」生放送をしたりという状況も今回は多くて。ただ、プロデューサー冨田YT謙さんを中心に、個々の楽曲をそれぞれが進めることで、結果的に「ビートルズ後期アルバム的」なカラフルな魅力に繋がりました。
ドラム・レコーディングが四日間。この時、同時に一部の曲で奥田のギターや僕のギターやベースも録音。残りの16日で、リード・ヴォーカルとコーラス、ギター、鍵盤を録音したことになります。
アルバムのタイトルも、はじめてじゃないかな?スタジオでのリハーサル中に三人で決めました。
最後にもう一日、予備があるので、リハーサルと足して23日間。満身創痍の状態ですが、今回も充実した「旅」でした。早く聴かせたいな。
写真は、レコーディング中の俺たちに欠かせないソウル・フード、「せたがや」のギョロウ・ラーメン。