「ほめる」力 | 野波ツナブログ

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「あの人の行動が変わる言い方・接し方事典」(講談社)
2024年6月27日発売!
どうぞよろしくお願いします。

※今回はASDに直接関係ない話です。

 

 

「良いところを見つけてほめる」というのは

じつは

脳の使い方として高度な分野らしい。

 

逆に、悪いところを見つけてけなすのは

本能的、反射的なものなんだって。

(快適に安全に生きるためには

 自分にとって不快なものを排除することが必要だから)

 

まあ、イヤな部分って確かに目に付くし気になるし

言いたくもなるよね。

 

…そこで終わるか?

…良いところを見つけてほめられるか?

で、脳の使い方に大きな違いがあると。

 

 

ああ、だからかぁ……なるほどね……

と、いろいろ納得してしまった。

 

 

**********

 

アキラさんは「ダメ出し」はするけど、「具体的にほめる」ことができない。

 

良い評価のときは

「いい」

「とにかくいい」

「面白かった」

「すごい」

と、これだけ…語彙が赤ちゃん…

【快/不快】だけで、具体性がない。

 

具体性がある時もある。

でも、その場合は

「海外の雑誌でも取り上げられたんだからすごい」

「〇〇もほめていたから間違いない」

「賞をとったくらいだからすごい」

というように、「権威ある他者の評価」を引き合いに出して押し切ろうとする。

 ↑

(私コレすごく嫌い。【快/不快】のほうがずっとマシ)

 

 

子供に対してもそう。

 

アキラさんは子煩悩(甘やかしすぎの問題はあったが)。

娘と息子は、親バカながら優しくて感受性豊かで素敵な子供たちだ。

ほめるところ、ほめる機会はたくさんあった。

 

でも、思い返すとアキラさんは、やっぱり

「いいじゃん」

「すごいじゃん」

くらいしか言ってなかった。

「旦那さんはアスペルガー ウチのパパってなんかヘン!?」コスミック出版

 

 

ただ、語彙が赤ちゃんでも、ほめてるうちはよかった。

 

前にもブログでちょっと書いたけど

現在の息子の夢活動に対しては酷いもので、

ダメ出ししかしない。一個もほめない。

(そのダメ出しも語彙が小学生)(←赤ちゃんよりは上)

 

といっても

息子の活動を否定してるわけではなく、

むしろ喜んで自慢のネタに使っているくらいなのに。

 

 

以前、息子がアキラさんの言動にストレスを抱えてた時

私はアキラさんに

「1つダメ出しするなら、2つほめること」

と言ったことがある。

(NG指令は通らないので、OK指令を考えた)

 

でもアキラさんにはそれができず、

耐えかねた息子からきつい言葉を言い渡されて

距離をおくことになった。

 

私から見たらほめる所はたくさんあるから、

え?なんで??

いいところをほめるなんて簡単でしょ??

なぜダメなところばかり言いたがるの???

と、すっごく不思議だったのだが、

 

冒頭に書いたことを知って

「そういうことだったか」と納得してしまった。

 

なるほど。

それなら仕方のないことだから、もう言うまい。

 

 

**********

 

私がアキラさんのアスペルガーを知った時は

カサンドラから来る抑うつ状態で

たぶんそのせいで脳の働きはものすごく低下していた。

 

宮尾益知先生から、アキラさんへの接し方として

「できたことはいちいちほめてあげる」 「ほめて“入れる”」

ということを教わって、努力したものの

全然できなくてうまくいかなかった。

 

アキラさんの悪いところや嫌なところばかり目について

イライラしていた。

 

あの頃の私の脳は、それ以外できない状態だったんだろう。

 

 

ASDの人や子供に

「いちいちほめて“入れる”」のは正攻法なんだけど、

それには高度な脳の使い方ができる状態でないと無理なのだ。

 

カサンドラのどん底に陥って疲弊する

その前に気付いて行動できることが

本当に重要なんだなあと思う。

 

 

***************

 

息子が3歳の頃。

 

保育園の保護者面談で、担任の保育士さんが

「〇〇くんはですねー…

 ほめることしかありませんビックリマーク爆笑

と言ってくださった笑顔が、今でも忘れられない。

 

(きっと全部の保護者にそう言っているのだろうけど)

 

当時はアキラさんが多忙なこともあり

(そして後から思うとモード変化が始まっていたこともあり)

育児の悩みを一人で抱えてる状態だったので、

 

その後に続いた息子への具体的なほめ言葉を聞いて

私までほめられてるような気持ちになって

うれしくて安心してボロボロ泣いてしまった。

 

この時のうれしかった気持ちが

私の子育てを長きに渡って支えてくれてたと思う。

 

 

アドバイスが正しいものであっても、

ダメなところを指摘されるだけだと悲しくなってへこんでしまう。

 

ささいなことでも、

良いところをほめられたらうれしくて前向きになれるんだよなあ。

 

(アキラさんへの対応の反省もこめつつ…)

 

 

「言葉で具体的にほめる」と、

相手はうれしい気持ちになるし

それが良いリターンを産みそうだし

自分の脳の働きも高度になって

一石三鳥よね。

 

ほめる力を伸ばす

「ほめ活」 やっていくよビックリマーク照れ