カサンドラの原因って② | 野波ツナブログ

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どうぞよろしくお願いします。

※「雑感」なのでツナ独自の考えです。

 また、自覚のあるアスペルガーの人には当てはまらない事があります。

 ご留意ください。

 

 

 

「カサンドラの原因って」のつづきです。順番に読んでね照れ

 

 

カサンドラの人は

『結婚前に何も気付かなかったのか?』

『付き合ってる間に違和感はなかったのか?』

ということを聞かれたことがあるかもしれません。

 

そこには

『気付かなかったあなたがうかつなんじゃないの?真顔

『気付いていたならそれを含めて受け入れたんじゃないの?真顔

『それでカサンドラになったとか言うのはどうなの?真顔

と、妻の自己責任を問い、とがめるようなニュアンスがあります。

 

回復していればちゃんと説明することもできるでしょうが、

混乱しているカサンドラの最中にそういう事を言われてしまうと

よけいに状態が悪くなってしまいます。

 

そう言われるのがこわくてカサンドラであることを内緒にしている人もいらっしゃるんじゃないか、と思います。

 

 

社会生活を送れる無自覚なアスペルガー(サイレントアスペルガー)の人は

頭が良いですから

過去に失敗したことがある自分の言動やこだわりを

(その理由はわからなくても)

場面によってある程度封印したり、抑えたりすることができます。

それは特に、好かれたい相手、手に入れたい相手、逃したくない恋人ドキドキに対して強く働くようです。

 

これは部分的に別人を演じてるようなものだから、当人にとってすごく疲れることです。

(でも自分の疲れには無自覚なので、あまり気付いていません)

 

抑えられて薄まった特性は、ASDを知らない人にはユニークな個性と感じられます。

集中力のあるまっすぐな思いが伝わると

(そして相手が愛情深かったり、善意に満ちていたり、世話好きだったりすると)

「ちょっと変わってるけどいい人ラブラブ」「天然で可愛い人ラブラブ」と好意的に受け止められて、恋愛が発展していきます。

 

そして結婚ベル

 

すると、頭の中のTo Doリストの「結婚」にチェックが入ります。チェック

恋愛の成果が出たので、もう頑張って無理をする理由はなくなりました。

相手の気持ちがわかったようにふるまったり、こだわりを抑えたりしなくて良くなって、

新しい自分の住まいという安心できるテリトリーの中で、自分らしくのびのび過ごします。

(そこには妻も一緒に生活してるのですが…汗

 

『結婚したら夫は変わったむかっ』というのは世間一般でもよく言われる事ですが、

一般的なそれとは少し意味合いが違っています。

交際中の【社会モード】から、【自分モード】にスイッチが切り替わるのです。

このことは、ASDの知識がない人(妻も含め)には理解できません。

 

実は【家庭】も社会生活のひとつなんですが、

【家庭モード】はこれまで必要じゃなかったために備わっていないし、自然には身につかないので、

初期段階に妻がひとつひとつ教えて、夫に学んでもらうことが必要になります。

でも、それは、妻が夫のASD特性をわかっている事が前提です。

しかしある程度の知識がなければ当然わかりません。

 

家庭とははてなマーク夫とははてなマーク夫婦とははてなマーク

それがどんなものなのか、どういう意識を持てばいいのか、

生活の中で徐々に実感してわかっていく…ということはなく、

ちゃんと教えてもらってないとずっとわからないままで、【自分モード】のままなのです。

 

あるいは、既に自分の生家で『夫たるもの・妻たるもの』を体感しながら学んでいるかもしれません。

それが妻の望む形と一致していれば問題ないですが、望まない形の場合は修正がとても困難です汗

 

 

ちょっとくどくなってしまいましたが

結婚前に問題が見えにくい理由は、そういうところ(主にモードの切り替わり)にあります。

 

 

ひらめき電球じゃあ、結婚前に同棲したらどう?ひらめき電球という説。

 

生活を共にしたら、見えてくるものや感じることが色々あるでしょう。

A【日常】は少なからずあると思います。

いや、長く一緒に暮らせばB【非常時】C【爆弾】もあるかもしれません。

 

けれど……

そこには“夫婦としての問題の共有”がありません。

相手が持ち込んだ爆弾爆弾を処理する義理はないし、

情から手助けしたとしても、手に負えないなら投げ出してもいいのです。

 

 相手の責任を負わなくていい

 相手の失敗を一緒に(または、かわりに)詫びに行かなくていい

 相手の親や親戚と関わらなくていい

 共有の財産を築かなくていい

 お互いの扶養義務がない

などなど、同棲は意識の上でも制度の上でも結婚と大きく違います。

 

逆に、結婚していると “共有すべき問題”がたくさんあります。

それを共有できず、なぜか丸投げされて(時には夫が持ち込んだ爆弾も)一人で背負うことになり、

何度も繰り返され、詫びも感謝の言葉もなく、夫婦としての信頼感を失って、

カサンドラは悪化していくのです。

 

 

結婚していなければ家族ではない、ということを

一番わかっているのは実はアスペルガーの人です。

 

家族じゃない人と一緒に暮らすのは、

立場がはっきりしなくてややこしい。

他人と常に一緒にいるのは息が詰まる。

 

だからこそ

婚姻届を出し、公的に夫婦となった後でようやく【自分モード】に切り替わるのです。

 

 

 

こんなふうにシステムを読み解くようなことは

今カサンドラに苦しんでいる人のためになるのか、正直言ってわかりません。

そんなこと今さら言われても…と思われるかもしれません。

 

ただ、今アスペルガーやサイレントアスペルガーの人と付き合っていて、結婚を考えている人が

こういうことを知っていれば

結婚後カサンドラの深みに落ち込まないように準備できるかも…と思ったりします。

 

 

 

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