知っているか、知らないか | 野波ツナブログ

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「あの人の行動が変わる言い方・接し方事典」(講談社)
2024年6月27日発売!
どうぞよろしくお願いします。

前回の記事を読んだ方から、メッセージの中で質問をいただきました。

 

私にとって重要なテーマであり、

今回の新刊のタイトルで

「アスペルガーと知らないで結婚したらとんでもないことになりました」

と言ってるにもかかわらず、

これまでちゃんと言葉にしてなかったかも…!?

ということで、こちらで書かせていただくことにしました。

 

 

【質問の部分】

本人や家族がアスペルガーを自覚している場合と
知らなかった場合と…
どんな違いがありますか?

(中略)

知っているのと、知らないのと
違いがあるのか?
知っている必要があるのか??

 

ツナさんは、どんな風に感じているのか知りたいなと思ってメッセージしてみました。
 

 

 

ありがとうございます。

 

私(とアキラさん)のケースとして書きますねビックリマークニコ

 

過去について「もし…」の話をするのは苦手なのですが、

 

もし、アキラさんが「自分はどうやらアスペルガーだ」

または、「自分にはアスペルガーの特性がある」と自覚していたら、

アキラさんの生活や人生はどのように違っていたか…

それはアキラさんの問題なので、正直言って私には想像がつきません。

(ごめんなさいあせる

 

では、私ツナにそのことを告げていたら…?

 

私は自分が知らない事を調べるのが好きです。

当時(20年以上前)はネットがなかった時代なので、書店に行き、

タイトルに「アスペルガー」「発達障害」と付いている本を何冊も買ってきて、読みまくるでしょう。

 

当時どこまで研究が進んでいたかは知りませんが、

基本的な知識を得たら、アキラさんの謎な部分が多少は解明していたと思います。

 

そして、自分が知らなかった特性を持つ人たちがいて、

絶対に苦手なものや、わからない事があるんだという事を知ります。

 

たとえば、

決まった手順にいったん慣れたらそれを変えるのが困難だとか

“臨機応変”がわからないとか

見えないものをイメージすることができないとか

人の言葉を言葉通り受け取ってしまうとか。

 

それは努力で克服できる種類のものではない、

つまりアキラさんが努力不足なのではない、と知るわけです。

 

なら、しょうがないので

苦手なことはしなくてすむように、工夫すればいい。

 

工夫というのは、私たちの場合なら

決めるべきことは最初の段階で決めてしまう。

ルールを明確にして臨機応変を求めない。

ルール変更の際にはきっちり話して、できれば書面にして、

 新しいルールに慣れるまでは失敗しても仕方ないと考える。

重要な事を話す際は、正面には座らずに横に座って、緊張させない話し方をする。

重要な事は言葉だけでなく文章や図で示す。

NG指令ではなく、OK指令にする。

などなど。

注意人によって違うので、あくまでもアキラさんの場合です)

 

手間がかかると言えばそうなんですが、

トラブルが起きる前なら、私もアキラさんもさほど苦なくできたと思うのです。

 

当時の私は

「時と場合によって決めればいい」とか

「いつもやってることだからあえて言わなくてもわかるだろう」とか

ざっくりと考えてたんですが、

それが大間違いでした。アセアセあせる

 

いざトラブルが起きてから「こういう時はこうするのよ!」と言っても、

私は感情的になってるし、アキラさんは萎縮して話が聞ける状態じゃないし、

何よりも“いったん組み込まれたやり方は変更が難しい”ので、改善まで時間がかかってしまうのです。

(そして、そのことを知らない私はますます感情的に…)

 

 

 

アスペルガーなんて言葉さえ知らなくて

その特性のことも全然知らなかった私は、

「最初は失敗しても経験を重ねるうちに改善するもの」

「人は年月と共に成長し、変化するもの」

「お互いが納得するために話し合いが必要」

と、信じていました。

 

だって、自分がそうだったから。

周りの人たちもそうだったし、そう言ってたから。

 

それをアキラさんにも求めていたのです。

一番の苦手分野だなんて知らなくて…。

 

 

その結果、家庭の中でも外でもトラブルをいくつも重ねて、

正しい軌道修正の方法を見つけられず、

最終的に取り返しがつかない大きなトラブルを起こしてしまいました。

 

もしその前に、私がアキラさんのアスペルガーを知っていたら

ショックあんなことは要求しなかったのに…

ショックあんなことは言わなかったのに…

ぼけーあんな言い方はしなかったのに…

 

と思うことがたくさんあるんですが、

 

私が一番の失敗だと感じてるのは何だったのか?

…というのは、じつは新刊の中に答えを書いています。

ぜひお読みいただきたいと思いますビックリマーク

(急に宣伝してすみませんあせる

 

 

ブーケ2閑話休題。ブーケ2

 

 

アスペルガーを知っていれば、アキラさんの行動原理が納得できたと思います。

 

アキラさんの個性的なところも、良い言動も、困った言動も、

今思えば

そのほとんどがアスペルガーの特性から来ているものだったからです。

 

アキラさんの良いところをいっぱい見ている時にアスペルガーだと知るのと、

失敗やトラブルを重ねた後にアスペルガーだと知るのとでは

私の感情も、対応も、まるで違ってきます。

 

『アキラさんがこうもトラブルを起こすのは私のせいなのかもしれない』

と、的外れな悩みを抱えなくてもすんだでしょうし、

自分の狭量なモノサシの中で 『理解しきれない…えーん』 と悩むこともなかったのではないかと思います。

 

 

いただいたご質問の答えになっていれば良いのですが

いかがでしょうか。

 

 

 

 

クローバー

 

もし、結婚前にアキラさんがアスペルガーだと知っていたら

結婚しただろうか?

 

この答えはわかりません。

 

当時の私は今よりもっと未熟で自己中心的な人間だったから、

「それはちょっと…」と思ったかもしれないし、

逆に、あんまり深く考えないで

「面白いからいいじゃない!」と思ったかもしれないし。

 

うーん

でも

アキラさん自身も知っていて、私も知っていたのなら…

 

……どうだったでしょうね!?てへぺろ

 

 

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