こんばんは。
栗原電鉄の続編です。
今回は車両基地での車両の様子や
駅の様子をご覧ください。
最初の3枚は
細倉マインパーク前駅に保存されていた
ED202とワフ71です。
車体幅の割に
台車の幅がずいぶん広く見えます。
その理由は・・・
元は軽便鉄道の機関車だったから。
1921年に蒸機鉄道で開業し、
1950年、2’6”(2フィート6インチ)
=762mmゲージのまま電化、
5年後に3’6”(3フィート6インチ)
=1067mmゲージに改軌しました。
元は18t機でED18を名乗りましたが
改軌の結果20tに車重が増え
ED20に改名しました。
ED201~3の3両在籍しましたが
ED202が1983年に廃車、
3号機も1987年貨物廃止を期に
廃車されました。
若柳駅
沿線で一番大きな駅で、
車両基地も併設されています。
許可をもらい構内の撮影に…
ほぼ全景
左端が若柳駅のホーム側。
日中の閑散時間帯で
多くの車両が戻ってきている。
この時点で仕業についているのは
M183はくちょうとM151の2両。
ED201
この時点で唯一現役の電機です。
もちろん三菱製。
あ、栗電の親会社は
細倉鉱山の事業主体
三菱マテリアルという会社でした。
1987年に貨物扱いが廃止されると
ほとんど活躍の場は無く
構内の入換くらいだったでしょうか。
M182くりこま、ED201
M182とM183は
福島交通から移籍してきました。
移籍にあたり塗装の変更はせず、
ヘッドマークを取付けたのみです。
(182・くりこま、183・はくちょう)
すでにM181が在籍していたため
追い番で182・183となっています。
ちなみに福島交通は1991年6月に
750Vから1500Vに昇圧、
東急7000系に置換えられました。
ED201の奥に見える電車は
C152です。
片運転台のクハですが・・・
C152
連結面は切妻非貫通です。
変な電車ですが連結する相手は
両運転台の非貫通ばかりなので
(M182、183はまだ無かった)
これで良かったのです。
もうあまり使われていないようでした。
M152
M15形(1~3)は15m級両運で
1955年の改軌の際、
ナニワ工機で新製されました。
当時流行の湘南顔とバス窓、
ノーシル・ノーヘッダーの近代的な
軽量車体が特徴です。
台車は揺れ枕のバネが1本
FS21の形式名と
住友のマークが見えます。
軽量のため枕バネ1本でも
十分支えられるのでしょうね。
M181
さてこちらは元祖というか
M18形の1号車です。
対向ホームに停まっていますが
レールはサビていて、若柳での
列車交換はされなくなったみたい。
イベント(カラオケ大会)のときには
かり出されるようですね。
その向こう側に見えているのは…
ED203、M171
両者とも1987年の貨物廃止時に
廃車になりました。
ED203の台車は
黒く塗りつぶしていないため
車体幅に比べ台車の幅が
広いのが判りやすい。
実際、最大幅は車体よりも
台車のほうが25mm広いとか。
こうして並べてみると
いかにED20がスリムだ、
ということがよく判りますね。
ニブロクの車両を
そのままサブロクに改軌した
という状況が納得できます。
M171+C171は
元をたどれば西武のクモハ371形。
更に遡れば国電のクモハ11形です。
17m級なのでM・C17を名乗りました。
M153、M183はくちょう
朝から仕業についていた
M183が戻り、車庫に納まりました。
点検作業に入るのでしょうか。
先に戻っていたM153には
ラッシュに備えてか
C151が連結されています。
まだ連結運転があったので
ちょっと安心しました。
車庫の裏には…
お定まりの廃車体による倉庫群。
地方鉄道探訪を続けていた当時、
どこへ行っても見かける光景でした。
若柳に着いたころから降りだした
冷たい雨に身体も冷えてきたので
東北本線との接続駅
石越へ移動します。
石越駅
駅前広場をはさんで
栗電とJRの駅舎が
向かい合っていました。
赤い車の右が
JRの石越駅です。
広場のずっと奥の先で
線路はつながっていましたが
直流750Vと交流2万Vなので
貨物は2軸のDL(貨車移動機)で
受け渡しをしていたそうです。
ラッチの正面に突っ込んでくる
行止り式の線路。
しかもカーブしています。
ちょっと独特な雰囲気ですね。
入場券を買って(お土産用です)
中に入ってみると…
0キロポストと車止。
右側のホームは
駐車場と化しています。
駅長事務室の看板
向こうの扉は、なんだか
電車のドアのように見えます。
もしかしたら廃車からの
再利用かもしれませんね。
あわただしく
たった1日で撮り歩いた
栗原電鉄もこれでおしまい。
訪問の半年後には
親会社の三菱から切捨てられ
第3セクターの経営に変わります。
2年後の1995年4月には
電気設備の維持費を節約するため
ディーゼル化に踏み切りました。
名鉄のローカル末端部と同じです。
ご紹介した電車、機関車は
すべて廃車されました。
補助金の交付を受け
わたらせ渓谷鉄道のコピーのような
軽快気動車を3両新製、
名鉄からはレールバス2両を譲受。
名鉄のレールバス
電化路線ではなくなったので
くりはら田園鉄道と
社名も変わりましたが
略称の「くりでん」は
残りました。
東北から日本海、西日本を廻った
撮影行でしたが、
最後に立ち寄ったのが
名鉄の非電化移行路線の
レールバスだったのは偶然でした。
本日もご乗車ありがとうございました。