こんばんは。
本日は常磐線の旧荒川橋梁に
ご案内します。
常磐線の下り列車で
北千住を出ると間もなく
長い鉄橋で荒川を渡ります。
高水位敷の部分はスパンが短い
デッキガーダーだったので
撮りやすかったです。
当時住んでいたアパートからは
自転車で30分ほどだったので
ときどき出かけました。
初めて沿線で走行中の列車を撮影した
(撮り鉄初体験)思い出の場所です。
小学校5年だったと思います。
北千住~綾瀬間
下り電車(103系)の車中から
東武線のガードをくぐり、
荒川の土手に駆け上がる左カーブで
ゆるい勾配になっていました。
実際の写真は垂直がでていなかったり
列車の後部が切れていたりですが
スキャナで取込む際、垂直は調整しました。
列車の正面に支索が重なったり
すっきり撮れてないのは初心者で仕方ない。
今はもう見られないシーンということで
あたたかい気持ちで大目にみてください。
ゆうづる2態
夜は寝台、日中は座席特急で
上野~青森を往復する働き者。
コンクリの土留めがあって
すき間からカメラだけ覗かせて
超ローアングルで撮影できた。
位置関係を空撮で見ると
右の黄色い丸印がインカーブの
撮影ポイントです。
左の黄色の丸はアウトカーブで
少し高い位置から見晴らしが良かった。
左の緑色のラインは千代田線です。
千代田線の法面(のりめん=土手の斜面)
から鉄橋を見る。
綾瀬方向のカーブ外側。
左の一段高い位置に地下鉄千代田線。
その後、千代田線と常磐線のあいだに
新しい鉄橋を架け、常磐線を平行移動した。
東武線側から見た常磐線
この当時はまだ、高水位敷も水があり
葦(アシ)だか葦(ヨシ)だかが生えていて
日照りが続くと地面が現れました。
埋め立てが始まったころ
パイプラインは埋め立ての設備です。
埋立予定地を囲ってパイプラインから
泥水をじゃんじゃか流し込み、
泥だけが沈殿して残ります。
うわずみが流れ出ると地面になる、
という仕組みでした。
ダンプカーで土を運んでくるんじゃないんだ。
じつはこの写真、やらせです。
少年に(自分も少年でしたが)バランスを
取ってもらい電車の位置もバッチリでしたが
イヌがあっち向いてしまいました! 残念。。
中学生まで何年か親しんだ場所でしたが
千葉県に引っ越してから疎遠になりました。
通勤電車から眺める日々を経て
ある日、新線の工事が始まり
新しい鉄橋が架かりました。
こりゃ、うかうかしていられません。
土曜日、カメラを持って出勤し
午後から撮りにいきました。
あーっ、まだ土曜日は半ドンだったんだ。
土曜日に学校や仕事が半日あったことなど
若い人は知らないだろうなぁ。
半ドン(半日ドンターク)も死語ですね。
赤電は白く模様替えし
EF80はEF81に替わりました。
あっ! 300番台だ!
カメラは一眼レフに、
フィルムもカラーになりました!
高水位敷も完全な陸地になりましたが
草ぼうぼうです。
奥の千代田線に比べて新線のトラスは
背丈がかなり高いですが、電車専用の
千代田線に対して重い機関車が通る、
構造計算の基準値の変化などなど
いろいろ理由があるのでしょうね。
レール面の高さは同じなんですよ。
鉄橋へのアプローチのカーブは
撮れなくなっていました。
外側は新線が間を埋めてしまい、
内側は工事でぐちゃぐちゃでした。
頭上は首都高速川口線です。
しかたがないので右岸(北千住側)に
移動して撮ってみました。
荷物気動車は新系列に替わりました。
ひたちも電車(485系)に替わりました。
あっ、九州から移籍してきた車両だ。
(スカートが九州色)
103系だけは変わらないや。
と思ったら、冷房が付きました。
北千住から土手に登る貨物列車
右側の新線に切り替わると
勾配も急になりますね。
蒸気機関車の時代と違い
楽々クリアしちゃうのでしょうけれど・・・
そして… 新線への移行も終わり
その日はやってきました。
自らが乗るガーダーを延長しながら
周囲の鉄骨を解体していきます。
作業は北千住側から始まりました。
クレーン用の桁(緑色)と下(灰色)は
線路が乗っていたデッキガーダー。
こうして私が鉄道写真を撮りはじめた
思い出の鉄橋は消えていきました。
昭和が終わるころ、
国鉄がJRに生まれかわる直前のこと。
本日もご乗車ありがとうございました。
《おまけ》
ところで・・・
常磐線の鉄橋が撤去されたあとには
常磐新線、じゃなかった、
つくばエクスプレスの鉄橋が架けられました。
左から千代田線、常磐線、TXの3複線
右の複々線は東武線。
TXの北千住駅は鉄橋よりも高い位置、
鉄橋へ下りこみ、鉄橋の途中から
下り勾配が始まり33‰の急勾配と
S字カーブで常磐線、千代田線の下に
一気に潜り込みます。(西綾瀬トンネル)
鉄道公団の人の話では
トラス橋の径間の途中に片勾配の
縦曲線が入るのは構造計算が難しく
現代の土木技術の成果だそうです。