気動車王国(だった)千葉 | きゅうの鉄道写真館

きゅうの鉄道写真館

きゅうの休憩室から鉄道関係を移設しました。
ドールに興味のない方はこちらで。



こんばんは。


突然ですが、本日は古いアルバムから

(当館は古いアルバムばかりですが)

気動車王国千葉と言われた時代の

末期の雰囲気をお届けします。


同じ首都圏でも近代化の波は

常に一歩遅れて到達した千葉県ですが

電化も同様で

電車は千葉まで、という時期が続きます。


千葉以遠の房総西線・東線、総武線、

成田線(成田~我孫子も)、東金線

その他盲腸線も非電化でした。



電化は遅れましたが、

旅客の無煙化(気動車の導入)は積極的で

たぶん輸送量が多すぎず

気動車に適当だったんだと思いますが

試験的な要素も含めて

多くの気動車が投入されました。




《総武線を撮りに行く》


写真は中学生のとき

父親のハーフ版カメラを借りて

撮影に出かけたときのものです。


当時、東京の東端の下町に住んでいて

電車賃を節約するため京成で佐倉まで出て

国鉄の佐倉まで歩きました。



佐倉から八街まで移動しますが

各駅停車の編成は

雑多な気動車の寄せ集めで

今見ると興味深いものがあります。


キハ17系、35系、45系、58系・・・

私は急行型に乗れるのがうれしくて

迷わずキハ28に乗りましたが、

今ならキハ17を選ぶところですね。






いずれも八街(やちまた)駅近くです。

1枚目には腕木信号機が見えます。


2枚目、3枚目は同じ列車の前後ですが

真ん中の2両はキハ26です。

2枚目の写真、手前から2両目はキロ28

キロとキハ26以外はすべてキハ28です。

平坦な(勾配が少ない)千葉県らしい編成

ということができるでしょう。

(1両あたり1軸駆動でこと足りる)


勾配が少ないということは

黎明期の非力な気動車を投入して

実用化の確認をする環境としては

好条件だったのでしょうね。

この辺もまた

気動車王国となった理由の一つかな。



キハ17+35+45+35… と続きます。



乗ってきた列車が折り返してきました。

キハ35×4+28+26+17…と続きます。

(キハ17は見えていませんが)



八街駅に戻りました。

こちらの先頭に立つのは超変り種で

電気式気動車の中間車の動力を換装して

液体式のキハ19になり、さらに改造を受け

郵便荷物車となったキユニ19です。



八街駅で見かけた貨物列車。

車扱い(くるまあつかい)の貨物です。



新宿または両国から来た急行は

佐倉で分割し、総武線まわりは犬吠

成田線まわりは水郷という名称になります。

八街は総武線なので犬吠が通ります。


佐倉に戻ってもう少し撮影しました。


キハ17+キハ35+キハ45+キハ35・・・

あれれ?

先ほど八街で撮った編成のようです。


キハ35ばかりで統一された編成も。




分割した犬吠が発車した後

水郷が出発するため、

長いと10分も停まっている急行。

特急なんかないし、

急行が10分も停まるなんて

のんびりした時代でした。


ホームの端はスロープで

そのまま外へ抜けられるし

対向ホームへも地元の人は

職員通路をひょいひょいと渡っていきます。

私もちょっと失礼して撮ったのが

この写真ですが、今じゃ考えられませんね。

へたすりゃ逮捕されちゃいます!




《両国駅にて》


佐倉遠征とは別の日

両国駅へ行ってみました。

総武線の高架ホームよりも一段低く

頭端式の行止りホームが房総方面の始発駅。

 


まさに房総の玄関口でしたが

新宿直通が増え、衰退が始まり

総武線が東京地下駅に直結すると

両国駅は房総の玄関口としての使命を

終えました。


気動車王国時代の時刻表をご覧下さい。

 


1967年11月号です。

注目すべきは欄外のコメント。

安房鴨川を堺に列車名は変わりますが

直通運転のため事実上同一列車です。

両国(新宿)発、両国(新宿)行き、

房総半島をぐるっとまわって元に戻ります。

そして各駅停車も多くが「千葉発千葉行き」

だったりします。


これは気動車ならでは、の運用です。

一般的な電車では向きが決まっていて

電気側・空気側の向きを反対にすると

連結できなくなるし、

信号(ATS)の認識もできなくなります。


余談ですが、ジョイトレの「なのはな」は

どっち向きにも対応していて

房総半島一周列車も可能でした。


1969年11月号です。

千倉まで電化されたのが判ります。

列車の運用も完全に2分されました。

 

当然ですが・・・


もうひとつ気づく点。

1・2等表示からグリーン車マークに

変わっていますね。




キユニ19+キユニ11


房総半島は当時道路事情が悪く

駅売店(キオスク)に置く新聞は

列車で配送されていました。

その積み込みも両国駅です。

 

お昼過ぎ、国電ホームから見かけた

夕刊配送列車です。



キハ35系ばかりの通勤輸送編成。

両国到着後、

たぶん錦糸町駅の側線で待機してるところ。



気動車王国千葉の片鱗を見てきました。

次回はキハ17系の細部を

ちょっとだけ覗いてみたいと思います。



本日もご乗車ありがとうございました。






そのデザインには

上野駅にも通じるところのある両国駅。

こちら側の駅舎の奥に頭端式のホームがある。

 

左奥の緑の屋根は両国国技館。