弘南鉄道・旧型車のころ | きゅうの鉄道写真館

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きゅうの休憩室から鉄道関係を移設しました。
ドールに興味のない方はこちらで。



こんばんは。

最近の電車は首都圏も地方も銀色ばかりで

趣味的には面白みが少なくなりました。


これは趣味人の勝手な言い分で、

鉄道事業は趣味でやってるわけじゃなく

事業者も利用者もより安全、快適、合理性を

求めているわけで、当然そうあるべきです。


地方の私鉄は経済的な理由で大手他社から

中古車を導入することが多いですが、近年は

そちらも軽合金車両への淘汰が進みました。


私はそうなる以前、少し足を伸ばせば

鉄製の塗装電車が走っていたころに

せっせと地方へ足を運びました。

本日はそんな中から弘南鉄道に

ご乗車いただきましょう。

1990.6.12の訪問です。





津軽鉄道を撮った翌朝、

宿の駐車場から津軽富士がくっきり見えました。

こりゃたいへん、と大急ぎで朝飯を済ませ

ビューポイントへ急ぎました。


黒石線はJRから見捨てられた後、

弘南鉄道が施設や車両ごと引き受けました。

わずかに黒石駅の配線を自社の方へ引き

込んだだけでほとんどそのまま移行しましたが、

車両の塗装を弘南カラーに変えただけで

すっかり弘南鉄道らしくなりましたね。




黒石線と分かれた最初の駅が境松です。

そのすぐ南側から見た岩木山です。

日が高くなるにつれ、どんどん霞んでいきます。




通勤・通学輸送の朝の名物、6連が来ました。

田舎館駅の北側です。

長編成がいい具合に納まりました。





田舎館では上下列車が交換しました。

降りる人はほとんどなく、

上りに乗る人がほとんどです。






上りをもう1本待って撮りました。

ちょっと見えづらいのですが、

正面窓に快速の表示があります。



さて次は柏農高校前に移動しますが

途中、岩木山が良く見えるなーと思ったら

ちょうど7000系がやって来ました。

ここは短い2両編成がベストマッチでした。


この7000系は弘南線最初のステンレス車で

前年から運用に入りました。

そんな情報を雑誌で見て、今のうちにと

撮影に出かけたのだったと思います。


この時点で大鰐線はステンレス車の導入が

終了していました。

この編成は大鰐線から流れてきた訳じゃなく

新たに東急から買った車両で、同じ7000系でも

大鰐線と弘南線では電気機器が別物でした。






柏農高校前で降りる高校生です。

上りは弘前への通勤、

下りは高校生の通学で満員になるので

鉄道の営業的にはもんくなしですね。

この6連を撮るためにもう一度移動します。






田舎館~津軽尾上間に戻りました。

津軽尾上が台地の上に位置する地形で

下段を走ってきた弘南線は台地のへりに

直角に高架橋で登っていきます。

台地の上に出るとまた平らで、

何事もなかったように線路は続くので

なぜここに段差があるのか不思議です。

大きな川もないので河岸段丘ではないし。


理由はともかくこの高架橋もアクセントに

なるので6連をここで迎えることにします。



前の3連に比べて、

やはり6連はボリュームがありますね。

このあと弘前から平賀に戻ると編成を分割され、

通勤・通学輸送の仕業を終えます。




6連の後、数本をここで撮り

平賀の車庫へ向かいました。

ここで見ると7000系のブレーキディスクが

とても目立って印象的でした。

東急7000系は日比谷線乗入用に作られた

日本初のオールステンレス車です。





平賀車庫の事務所で見学の届出をし、

まず目の前にいたのはED301でした。

一目でわかる日鉄自動車タイプです。

上田の凸電よりも一回り大きいのですが

板台枠の台車がさらにゴツく見せます。




この時期の弘南線は旧東急3600系、

3700系が最大勢力となっていました。

タイプは種々雑多ですが、浅い屋根と
狭い幕板から明快な印象は共通。

旧型国電よりも軽快な感じがします。




車庫ではいろいろおもしろい車両やジャンクを
見つけることがよくあります。

トムの側板はあおり戸じゃないな、と思って

原板を拡大してみると…

台枠にワム28と書かれていました。

隣のワムと同じ形式で、上半身を切取られ

事業用に転用された姿でした。




6連の片割れモハ3601の編成です。

この編成が全車ノーシルノーヘッダーでそろい

塗装も新しくて一番きれいでした。


もう少しゆっくりしたいところでしたが、

この後、隣の同和鉱業小坂線のDD13三重連を

撮りに行くため平賀をあとにします。



ところで、車庫で間近に見て気に入った

モハ3601の編成ですが、

模型で再現したくなり、キットをかき集めました。




関東私鉄標準型の17m級ですから

似たような車両キットが発売されています。

堀切のフェニックスで京王の17m級を購入、

シル・ヘッダーを廃し、雨どいを付け、

ヘッドライトをシールドビーム化すると

似た雰囲気になりました。

それより、塗装での印象の変化の方が大きく

細かいところにこだわるより、

塗装で決まった感じがします。


この模型もしばらく走らせていないので

次の運転会(11月上旬に予定)で

走らせてあげましょう。



本日もご乗車ありがとうございました。