叡山電鉄・デナがいた頃 | きゅうの鉄道写真館

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きゅうの休憩室から鉄道関係を移設しました。
ドールに興味のない方はこちらで。


こんばんは。

私は一時期、中小私鉄の古い電車にはまって
全国を乗り(撮り)歩いたことがありました。


京都の叡山電鉄もそのひとつ。

まだ京福電鉄だったころのことです。

デナ21という形のいい電車が走っていました。


起点は出町柳ですが他の路線と接続しないで

孤立していた時期が長かったですが、

京阪本線が鴨川沿いに北上して(鴨東線)

接続(乗換)するようになりました。

訪問したのは1992年の夏です。

鴨東線(おうとうせん)も初乗りでした。




まず、叡山本線の八瀬遊園まで行きました。
こちらは新型電車の単行で、車体の中央は

展望窓になっていました。(デオ710形)


現在は遊園地もつぶれてしまい八瀬比叡山口

と名前が変わっています。

駅そのものが特徴的で、線路とホーム全体に

架かる屋根がおもしろいですね。




山奥に入っていく雰囲気はありましたが

勾配はあまり急でなく、風景も思ったより

絵にならなかったのですぐに戻りました。


改めて出町柳から仕切りなおし。

今度は鞍馬行きのデナ21形に乗ります。

デナ21形のデナとはなんでしょう?

ナハとか、ナロネのナではありません。

電動車・並型でデナなのだそうです。

デオは電動車・大型。

デコ(小型?)は聞いたことがないや。


車体幅が狭いので、ロングシートでも

前の人の膝がけっこう近かったです。

吊革はありますが、

真ん中には立ちにくそうですね。



木造のしっとりとした内装です。

照明がめずらしいのですが判りますか?

一見、蛍光灯のように見えますが、

白熱灯の直管なのです。

もう作っているメーカーも無く、

在庫がなくなったらおしまい(修理不能)

という記事を当時の雑誌で読みました。


今度は市原で下車します。

乗ってきた電車を後追いでショット。

車掌がたすきがけにしている車掌かばんが

泣かせます。


車番は125号です。

デナ21形なのになぜ125番なのか?

もともとはデナ21とデナ121は別物でした。

勾配の少ない叡山本線用はデナ21形で

2個モーターでした。

勾配の急な鞍馬線用には4個モーターで

電気ブレーキ付きのデナ121形を製造しました。

しかし、後年デナ21も4個モーター電制付きに

改造されて区別は無くなった、ということです。



上り電車が来ました。

こちらは車体が大きいデオ600型です。


毎度のことながらメモを無くしてしまったので

ネガとグーグルマップを頼りに

足どりを追ってみます。




市原を出ると俄かに勾配が急になります。

勾配票は50‰(パーミリ)を示します。

1パーミリ(=千分率)は1kmで1mの登り。

50‰は1kmで50m、100mなら5mです。

20m級の電車5両分で5m登る勾配は、

鉄道的にはけっこうな急勾配になりますね。




デオ800形が下ってきました。

この時点では登場したばかりの最新鋭です。


市原の次の二ノ瀬は交換駅です。

デナ122だけは両側に貫通路があるので

正面にも扉がついています。





電車はぐんぐんと勾配を登りつめ

一瞬視界が広まって鉄橋を渡り

貴船口に着きます。




ネガの順番を追っていくと

ここで電車に乗っています。

貴船口の次は終点の鞍馬ですが、

あと一駅を残して帰ってしまったんですね。

まあ、全線完乗を目指しているわけではないし

いつか、乗りつぶしたい、と思ったときには

もう一度訪ねる楽しみが残りました。


ご覧の電車の最前部、

フルオープンの窓の直後に乗りましたが

これなら冷房などいりません。

雨が降ったら困ると思いますが。




もろ風を受けながら前面展望を楽しみます。

二ノ瀬でデオと交換し、

二軒茶屋を過ぎると複線になりデナとすれ違い

前方にじゃまものが無いので撮り放題でした。


宝ヶ池で八瀬からの本線と合流。

今度は車両基地のある修学院で下車しました。




車両基地に沿って道路があり、

フェンスも低いので外からでも撮りやすかった。

ただし、前列に停まってる電車だけですが。

こうして見ると、やはりデナ21はかっこいいな。

こういう味のある電車が走っているから
地方私鉄はおもしろかったのです。


そして一番手前の右端に停まっていたのがこれ。

デト1001ですが、車体幅より運転台が狭いです。

想像ですが、緊急時に車体長よりも長いレールを

前後に突き出して搭載し出動、

なんてこともあったのかな?


パワートラックを使えば模型化も可能だ、などと

考えたこともありましたが実現しませんでした。
それどころか買ってあったデナ21のバラキットも

売ってしまい、ドールの資金源になりました。

どうも趣味にムラ(無駄)が多すぎますね。



本日もご乗車ありがとうございました。