でぶるまんしゅーじですねん(間もなく閉鎖) -235ページ目

ヘリコプターは空を飛ぶものなのです

「これに乗るんですか?」

「そのために来たんでしょう?」


「そのために来ました」


「では乗りましょう…」



若い二枚目のオーナーパイロットさんは、

嬉しそ~にヘリコプターのドアを開いた。


「二人乗りなんです(^▽^)」


「でしょーね。椅子が2つしかないですもん」



正しくは椅子が2つあるだけのコクピット。

本体も可愛いぐらいに小さいヘリコプターは

『俺すごいよびゅんびゅん回っちゃうよ』


そんなふうに粋がってるみたいに

ひゅんひゅん頼りなくローターを回してた。



その日、僕はあるテレビ番組のロケ撮影で、

ヘリコプターを個人所有してる男性を

取材してましてん。


「なんでまた自分でヘリを買ったんです?」


「いやね、将来は遊覧ヘリやりたくてね」


「はいはい」


「それには規定の飛行時間を飛ばないと…」


「あ」



ぎゅぎゅぎゅーん!

ローターの回転が突然勢いづいて突風になって、

僕の帽子が飛ばされてっちゃった。


「あ…帽子…」


「飛んでっちゃいましたね(^_^;)」


「海に落ちちゃいましたね」


「沈んでってますね(^o^;)」


「…いやその、そんなことよりもですね」

「はいはい(^-^)」


「急にローターの動きが速くなったのは?」


「さあ、なんででしょう(^_^)」


「-_-; もういいです。 …で?」


「はい。飛行時間を稼ぐためにヘリを買ったんです」


「ほおほお。 …え(- -;)? そのためですか?」


「ヘリを借りて飛ぶのはお金がかかるんですよー」


「ほ~( ̄  ̄ )」
←いまいち価値観が分からない


まあ、とにかく飛ばんことには仕事にならんので、

僕も腹をくくって助手席へ。


ヘリは、2人の合計体重まで厳しく制限されてる

ほんとーに小さな小さな機体で、

パイロットと僕がきっちりハマった感じで乗る。


「じゃ、行きますよ」


「…よろしくお願いしまふ」




ひゅん…ひゅんひゅん…ひゅ、ひゅん…



「あれー?」


「…? なにか?」


「えー、いえいえ」




ひゅんひゅんひゅんひゅんひゅんひゅん!



「おし(^o^)!」


「おし(-_-)?」


「えー、いえいえ」



ヘリはどっこいしょ…とゆー感じで離陸成功。


「ね、飛んだでしょ?」


「そーですね。まあ、ヘリなわけですし」


「そーなのです。ヘリだから飛ぶはずなのです」




まあ、考えてみればヘリなんだから飛ぶハズで、

僕も開き直って撮影を始めましてん。


ヘリから見える海と山の風景は素晴らしかった!

この感動的な眺めをお茶の間に届けなければ!


…なんてゆー甘っちょろい熱意はすぐに冷めた。



ぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴ



「あの、赤いランプが点滅してますが?」


「赤いランプ?」


「はい。それに警告音がぴぴぴぴ…と」


「ああ、それ、ダイジョウブなんですよ^_^」


「大丈夫なんですか?」


「ダイジョウブです」


「エマージェンシーって書いてますけど」


「はい。エマージェンシーランプですね」


「で、大丈夫なんですね」


「ダイジョウブです」




ぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴ



「( ̄_ ̄ ;) 」




約15分間の緊迫した飛行は無事に終了しまして


ひゅるるるるん…どすんどすん


半分尻モチした感じで、ヘリは桟橋に着陸した。



「ね、ダイジョウブやったでしょ^^」


「はい、大丈夫でしたね」


「わははは。また乗りにきてください」


「…」


「また乗りにきてください」


「…」





後日届いた、その後のヘリコプターの情報。



桟橋のロープに着陸脚を引っ掛けて海に墜落。




( ̄_ ̄ ;)