でぶるまん整体に行く
「お願いしまーす」
「はいども。上脱いで、そこにうつ伏せになって」
「よっ…と。こうですか? …あひっ」
「あらら、だいぶ悪いみたいやねー」
「もう、軽く動かすだけでずきずきずきずき」
「ん~、そらたいへん。ちょっと背中を…わっ!」
「え( ̄。 ̄ ;) どーしました!?」
「あ、いやいや、気にしない気にしない」
「めちゃめちゃ気になります」
「大丈夫やで。…おーい、ちょっと来て~」
「はい (←若い整体師さん)」
「ほら、見て」
「はい。…おわー!」
「あの、え? そんなにヒドいんですか?」
「いえいえ大丈夫だいじょうぶ」
「そうですよー。大丈夫ですよー」
「ひそひそひそ…」
「いや~。ひそひそひそ…」
「…」
「…」
「…」
「…」
「ぜんぜん大丈夫そーに聞こえんのですけど(T_T)」
「いえいえ。ちょっと…驚いただけ」
「驚いたんですか!?」
「背中の筋がやね、ちょっと、エラいことに…」
「"ちょっと"と"エラいこと"に落差があり過ぎです」
「腰痛のせいで、背中から肩の状態が…よくはない」
「今、言葉、選びましたよね」
「… (←聞こえてないフリ)」
「見ると分かるぐらい良くないんですか?」
「分かるね。こう…わちゃ~!って感じで」
「わちゃ~!って感じでヒドいわけですね」
「まあ、めちゃめちゃヒドい症例でもないんやけど」
「…そうですか」
「写真とってもいい?」
「めちゃめちゃヒドい症例のようですね( ̄_ ̄ ;)」
「いえいえ。撮るよー。は~い…」
「…」
「緊張しないでね」
「緊張しますって」
「…はいOK。では先に、腰をなんとかしよう」
「お願いします」
「ここは?」
「…おー、けっこー痛いです」
「ズレとるなあ。ここは?」
「…んー、そこもけっこー痛いです」
「ズレとるなあ」
「だいぶズレてますか?」
「4個ぐらいが渦巻くみたいにズレとるなあ」
「エグザイルみたいなんですね?」
「はん?」
「あの、エグザイル…」
「エグ…」
「なんでもないです」
「んじゃ、いくぞ。…よ!」
「…あはん」
「…( ̄^ ̄;)」
「あ、すみません。…あひいっ」
「…( ̄^ ̄;)どしました?」
「僕、他人に身体を触られるの、ダメなんです」
「あらま。 これは?」
「あぁん」
「…。 これは?」
「あはぁん」
「…。 えーと」
「…」
「…」
「…我慢します」
「とうっ!」
「あぐぉふっ!」
「おっ!」
「どぅぎょひっ!」
「…」
「…」
「ぬあっ!」
「…」
「これは痛くないんかい」
「すみません」
「ちょっと座ってみて」
「あ、はい。…お、あんまり痛くないですね」
「根本からズレてたのを、ちょっと直したんや」
「ちょっとですか?」
「全部いきなり直したら歩けんよーになるよ」
「あらら、そんなもんですか」
「今まで何人もそーなっとるから」
「何人もそーしてきたわけですね( ̄_ ̄;)」
「じゃ、背中いくよ」
「… (開き直って黙る)」
かちん! かちん!
「あくっ! あひっ!」
かちん! かちん!
「…(金属の打撃音が気になるけど黙っている)」
「何をしてるんか気になるやろ」
「めちゃめちゃ気になります」
「やろなー」
「はい」
「終わったら教えてあげる」
「( ̄^ ̄)」
かちん! かちん! かちん! かちん!
「…はい、オッケー」
「ふぅ…。 あ、ちょっと楽になったかも」
「できる限りヘンになってた筋を直したから」
「かちんかちんって音、なんやったんです?」
「あ、あれね。ノミとハンマー」
「え…」
「嘘( ̄v ̄)」
「( ̄_ ̄)」
「おたくみたいな人用に、そーゆー道具があるの」
「( ̄_ ̄) ←信用してない」
「めちゃめちゃヒドい状態ではなくなったからな」
「やっぱりめちゃめちゃヒドかったわけですね」
「いまは、ちょっとヒドい、ゆー感じや」
「なんか、マイナス方向のベクトルですね」
「なら、遠い山の向こうに少し朝日が見えかけた…」
「もーええです」
「低周波治療器かけてやるから、寝ろ寝ろ」
「お~~~効く効く」
「…な、ひとつ訊いてもええ?」
「どうぞ」
「エグなんとかって、なに?」