CATV最前線・涙で見えない事件
昨日のブログで、20年前の青春まっただ中!な僕の
CATV時代の哀しい事件のネタ書いたら、
なんかいろいろ思い出しちゃって、その第2弾なのです。
僕は基本的に運動オンチな上に、
取材中でも「気になること」しか見えない男のよねん。
そんな男が起こした、メーワクかけすぎ事件・・・
その日は、坂出市のさぬき浜街道が西運河を超える
「両景橋」の拡幅工事のうち、橋梁部分がかかって
橋がつながったぞわーいわーいな日でしてん。
ゆるい円弧を描く橋の真ん中で、
市長以下関係者が記念式典をやるので、
その取材に僕が行くことになったの。
ギリギリのスタッフで運営するCATVの場合、
通常はカメラマンが撮影と取材を一人でこなす…のが
フツーなんやけど、嬉しいことにちょーどその時は、
会社関係者の息子さんがバイトで手伝ってくれてた。
「いざ、両景橋にいっくぜー( ̄o ̄)/!」
「はい」
「テンション低いなー。仕事はノリやで!いぇ~い!」
「はい」
「…( ̄_ ̄;) えー、出発」
現場近くに車を停めて、橋の上を見上げたら、
ぼちぼちと式典が始まろーとしておる雰囲気。
「わ、やばいやばい。始まりかけてまんがな」
「そですね」
「(^_^;)冷静やな。ま、それはえーこっちゃけど」
「ども( ̄_ ̄)」
「いえ( ̄_ ̄)」
当時はまだカメラはベータカムの一体型…どころか、
Uーマチックとゆーデカい業務用テープで、
今のMacProぐらいある肩懸けVTR(SONY BVU-110)、
ずっしり重い3管式カメラ(SONY BVP-3)…とゆー、
40代の報道経験者なら感動的に懐かしい機材セット。
これが実に重い。
「よいしょ( ̄へ ̄;」
僕はカメラと三脚、バイト君はVTRと機材バッグを担ぎ、
まだ工事中の橋のふもとに一歩を踏み出した…瞬間、
んごきっ…
ちょっと湿った感じのにぶいやーな音。
「うげ( ̄_ ̄;)」
僕の右足首を襲う電撃みたいな激痛。
「あ…あはん…」
もんどりうって熱いコンクリート面の上に転がりましてん。
実は、まだ路面のアスファルトが敷かれてなくて、
排水溝のある両側部と路面部に20cm以上の段差があったの。
知らんと踏み込んで、思い切り右足首をくじいちゃった。
「あぐっ!」
呻くしかできへん僕に、バイト君、意外と冷たく、
「はよ行かんと、間に合いませんよ」
「(T_T) ←(文句言いたいけど言葉にならない)」
涙うるうるの眼で見上げたら、関係者が整列してますがな。
「あかん…。な、カメラとVTR持って上に行って!」
「は?」
「とりあえず撮影だけし…あたたた…してきてー」
「できません」
「いや、できませんじゃなくて…お願ひ~(T_T)」
「できません」
「あーん(T_T)」
なんとも情けない折衝を橋の下でやっとりますと、
どーも下の様子がおかしいことに、関係者が気付いてくれた。
顔見知りの職員さんが2人、走って降りてきてくれましてん。
「どないしました?」
「す、すみません。足くじいちゃって…あたたたた」
「おっけー!」
なんとまー、職員さん2人が両側から僕の身体を抱え上げて、
足を引きずる僕をわっせわっせと橋の上まで運んでくれたの。
正直、めちゃめちゃ涙が出た。ほんとよ。
だって、引きずる足がめちゃめちゃ痛かったから( ̄^ ̄)
バイト君が機材を運び上げてくれて、やっと現場に到着。
「大丈夫か~^o^」
松浦市長(当時)が半分笑いをこらえながら声をかけてくれた。
とりあえず撮影機材は準備したけど、
カメラマンである僕が歩けんからぜんぜん動けへん。
すると、松浦市長が神サマみたいな英断をしてくれた。
「おーい。○○君(僕のこと)を中心に、会場を組み直せ~」
驚くなかれ、たかがCATVのカメラマンごときを真ん中に、
神事の祭壇、挨拶用のマイクスタンド、テープカットなどが
扇状に並べられましてん( ̄v ̄)
「では、式典を始めます…ね」
司会者が僕に確認してから式典がスタート。
さすがに痛みは引かんからず~っと涙ナミダで、
ファインダーもよく見えない状態やったけど、
僕は式典の進行に合わせて、立ち位置を動くことなく、
三脚の上のカメラを左右に振るだけで撮影出来た。
いやー、ほんと嬉しかったな~(^o^)
15分ほどの式典は、ラストのテープカットで無事終了。
僕はまた捕獲された宇宙人のごとく両脇を抱えられ、
橋の下に降りることに成功したのでした。
「よかったですね」
バイト君は車を運転しながら相変わらずな感じで言った。
「無事に撮影出来て」
「ども。…な、あのままやったらどーするつもりやった?」
「どーする、とは?」
「君が行かないといかんかったら、やっぱり行った(^_^)?」
「いえ、断ります」
「あそ( ̄_ ̄)」
帰社した僕は、編集を同僚に任せて病院に直行。
生放送直前に会社に戻り、ほとんど打ち合わせもリハもなく
大慌てでスタジオのカメラの前に座り、いつもの笑顔に戻って
その日のニュースが始まったのでした。
坂出市役所の皆さま、ほんとーに感謝感謝でしたm(_ _)m
追伸
両景橋のニュースはその日のトップ項目。
「最初はこの話題から。両景橋の拡幅工事が一歩進みました」
僕のフリで、モニターに式典の様子が映った。
「(T_T)」
自分が必死で写した映像を見て、僕はまた涙が出ましてん。
なぜって?
涙ながらに撮影した映像は、大半がピンボケやったのよ。
内緒やで~( ̄_ ̄)