でぶるまんしゅーじですねん(間もなく閉鎖) -221ページ目

CATV生放送・おいてけぼり事件

「では、ここでいったんお知らせです(^O^)」




『…はーい、CM入りました~。90秒でーす』






耳のインカムからはサブ(副調整室)のS君の声。






「このキンチョー感がたまりまへんですわ( ̄Oノ ̄)」







20年前、僕は坂出のケーブルテレビに勤めてて、


自主放送の報道制作の仕事してましてん。


で、毎日の締めくくりが、


夕方から生放送の30分のニュース番組やった。







つまり…


僕、テレビに出てしゃべってましてん(^_^;)


わーお:*:・( ̄∀ ̄)・:*:




毎日、坂出市内だけでネタ集めてくるわけやから、


そらも~、毎日毎日、アポも取材も編集も原稿も、


なにより、オンエアもいっぱいいっぱいの状態。




信じられへんでしょーが、当時の生放送の体制は…





アナウンサー:1(僕)


ディレクター兼スイッチャ:1(Sくん)





…以上( ̄o ̄)




わはは、たった2人だけで生放送やってましてん!





いやこわ~(^o^)







笑い話やない(T_T)


実際に、こんなコワ~い事件がおきちゃった(T_T)








その日は、ま~なかなか平和なオンエアでして、


日常茶飯事的に発生する細かいトラブルもなく後半へ。


タイムシート上は、CM明けに僕が少ししゃべって、


幼稚園のおゆうぎ会の話題に…いくはずやった( ̄_ ̄)





『あれぇ~?』





突然、インカムからSくんの呻くような声が…


スタジオとの間の防音窓の向こうの動きが慌ただしい。





「えー、どないしました?」


『…えーとですね』


「はいはい」


『あのですね』


「( ̄_ ̄;)はよ言え (←ヤーな予感がしてる)」


『テープがないんです…』


「…は( ̄_ ̄)?」


『次の話題のテープがないんです』


「( ̄^ ̄)? (←いまいち状況が読めない)」


『どこいっちゃったかなー』


「あの~…もしもし」


『ちょっと探します。時間つないでてください』


「あん( ̄_ ̄)? どーやって?」


『…はい、CM明けます。3・2・1・はい!』


「え…、わ!」




目の前のランプが赤く光って放送再開。





「あ、失礼しました。続いてはですね…」





そらまー僕みたいなもんでも、1分程度やったら


しゃべるネタは持ってますんでヘーキなんやけど、


横目でサブを覗くと、そらもー大騒ぎしとります。




( ̄_ ̄)しゃーない、やるか。





「そういえば、こーゆーお便りをいただきました…」





…開き直ってしゃべり始めると、再びSくんの声。




『テープがないんで、製作室まで取りに行きます』




そー言ってSくんは脱兎のごとくかけだしましてん。




( ̄_ ̄)何ゆーてますねん…






なんて怒ってみても、事態は解決するはずもなく、


僕にできるのは目の前のカメラに向かって


笑顔でしゃべり続けるだけ~。





「しかしまあ、商店街の現状をみたらですね…」


「この時に出た議案の中で気になったのが…」


「…とゆ~結論です。いや~いい勉強になりました」





街づくり会議の裏情報の話しでひとネタ終了。


Sくん帰ってくる気配なし。





(T_T)えーんえーん





笑顔で次のネタ話へ突入。





「さて、来週の取材の予定なんですが…」




…と、やっとのことでSくんが帰ってきた。





(^o^)いやぁっほぉ~う! ←僕の心の叫び





『お待たせです。10秒でVにふってください!』


「(^_^)さてさて、続いては、カワイーイ話題で~す」





も~安堵に顔は緩むは声は弾むわ体は踊るわ。




「…幼稚園で催されたお遊戯会です。ではご覧…」





…といいかけたところで、またSくんの悲鳴がした。




『テープがちがーう!』




( ̄_ ̄)うえっ…




『もいっかい探してきます。1分つないでください!』




またいなくなるSくん。




(T_T)





「可愛い話題と言うと、、取材で会ったチワワが…」


視聴者宅のチワワに赤ん坊が生まれた話題で30秒。





「そしてですね、弊社の営業のKにもですね…」


営業の社員の奥さんが子どもを産んだ話題で30秒。




一瞬、窓の向こうにSくん登場。


しかし、一度首を傾げてから、数秒後に消えた。




「皆さま、も~少し、僕の話を聞いてください…」





結局、次にSくんがサブに戻ってくるまでの約5分、


僕はスタジオでたったひとり照明に照らされ、


いつ終わるとも知れない孤独な時間の中、


自分がこの仕事を始めた頃の




身の上話を語り始めたのでした。






「あの頃は、僕も仕事の熱意に満ちていたんですよ…」