Amazon配達員が提訴 | 野村孝博のブログ

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 Amazonの宅配を担う個人事業主のドライバーら16人が1億円以上の残業代の支払いを求める訴えをAmazonの下請け会社などに対して起しました。原告の1人であるAmazonの元ドライバーは「“定額走らせ放題”という感じで200個以上の荷物を日々配っている。もちろん自分たちの自由裁量なく、当然200個配るとなると12時間、13時間となってしまう」と話しているそうです。


 Amazonが個人事業主のドライバーを募っていた時に「働きたい時に、働きたいだけ」みたいな謳い文句が聞こえてきましたが、「いやいや、そんなわけはないだろう」と思っておりました。古くは名古屋で軽自動車の個人事業主ドライバーが立てこもり事件を起こしたことがありましたが、軽トラックとはいえ車両を1台購入して、燃料や車検等の経費も払わなければいけないのに「働きたい時に、働きたいだけ」なんてぬるいことを言っていられるはずがありません。


 また、私は事業者としてAmazonの宅配事業の説明会にお邪魔したことがあります。その説明会では明確に「200個以上配ってください」と言った説明がありました。200個までは基本運賃内で201個以上になると1個あたり〇〇円追加で払ってもらえるのですが、追加料金も単価が非常に低いのです。この単価だと「頑張って250個配って稼ごう」みたいな気持ちにならないかもしれません。一方で基本運賃は軽自動車にしては手厚いものだと思いました。しかし、Amazon側としても採算がありますから、基本運賃を払って「100個しか配達できませんでした」と言うわけにはいかないでしょう。しかしながら、200個を配送するというのは非常にハードルが高く、そのハードルは地方に行けば行くほど上がってきます。12時間で終わらせることができる方というのは相当習熟していなければいけないでしょう。


 提訴されているのはAmazonの下請けとのことですから、私のように説明会に参加して受託されたのでしょう。個人事業主に残業代が適用になるのかどうかというのはよくわからないのですが、採算を合わせようと思ったら、こんな感じになってしまうのもわかるような気がします。